小児循環器疾患における呼吸管理Considerations During Mechanical Ventilation in Pediatric Cardiovascular Disease
国立循環器病研究センター 集中治療科Department of Critical Care Medicine, National Cerebral and Cardiovascular Center ◇ Osaka, Japan
小児循環器疾患の主たる治療はもちろん循環管理であるが,だからこそ呼吸管理で患者の予後を悪化させないようにしたい.そのためには,酸素化とガス交換だけでなく,肺傷害の予防,呼吸仕事の適正化,患者人工呼吸器同調性,呼吸循環相互作用の4つの因子も考慮しながら人工呼吸器を設定する必要がある.本稿では,上記4つの因子が患者に及ぼす影響や,小児,とくに新生児・乳児の人工呼吸の注意点を概説する.
Although circulatory management is the primary therapeutic target in pediatric cardiovascular disease, respiratory management is also important for improving prognosis. To achieve this, ventilator settings should take into consideration not only oxygenation and gas exchange but also the following four factors: prevention of lung injury, optimization of work of breathing, improvement of patient ventilator interaction, and cardiopulmonary interactions. This study outlined the influence of these four factors on patients and the pitfalls of ventilation in children, particularly neonates and infants.
Key words: lung injury; work of breathing; patient-ventilator interaction; cardiopulmonary interaction
© 2024 特定非営利活動法人日本小児循環器学会© 2024 Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery
近年の先天性心疾患の治療成績の向上は素晴らしいが,それでもときに,術後の心不全や多臓器不全のために長期間の人工呼吸を必要としたりする患者は存在する.これらの患者の治療の主役はもちろん循環管理であるが,循環以外の問題で経過を悪化させないために,人工呼吸管理を適切に行うことは重要である.
人工呼吸器を設定する際には,誰もが酸素化,ガス交換(CO2やpH)を評価するが,それだけでは不十分であり,それら以外にも考慮しなければいけない重要な視点がある.肺傷害の予防,呼吸仕事の適正化,患者人工呼吸器同調性,呼吸循環相互作用の4つである.先天性心疾患小児の人工呼吸器設定が患者長期予後に影響するという明確なエビデンスはないが,成人呼吸不全での知見を外挿すれば,これらを考慮した人工呼吸を行うことは重要であろう.本稿では,基本的な人工呼吸器管理に関しては,他書に譲り,上記4つの因子が患者に及ぼす影響や,小児,とくに新生児・乳児の人工呼吸の注意点を概説する.
肺は過膨張や繰り返す虚脱・再開放により,肺胞上皮や肺毛細管の血管内皮が傷害されることが知られている.動物実験では,正常肺でも人工呼吸が肺を傷害することが知られているし,急性呼吸窮迫症候群(acute respiratory distress syndrome: ARDS)では,人工呼吸器の設定方法の違いが生命予後に大きく影響することが知られている1).先天性心疾患小児でも,左心不全で肺うっ血があったり,高肺血流であったり,人工心肺が惹起する炎症の影響だったり,それらにより肺胞虚脱が起こっていることが多いため,不適切な人工呼吸を行うと,肺傷害が起こる可能性は高い.
肺はどのような人工呼吸で壊れるのだろうか? もちろん,高い気道内圧は,肺を壊しやすい要素の一つではあるが,重要なのは駆動圧と経肺圧であると考えられている.駆動圧は,Figs. 1, 2のように測定され,15 cmH2O以下に設定することが推奨されている2).駆動圧は,肺にかかるstrain(歪み;もともと持っている物体の容積がどれだけ変化するかの割合)に比例するので,肺を壊す因子として重要であると考えられている3).
auto PEEPのない症例での調節呼吸中の呼吸波形である.AとBでは,圧規定式換気のΔ吸気圧(点線両矢印)は同じである.駆動圧(実線両矢印)は,吸気終末に気道を閉塞することで得られる圧(プラトー圧と呼ぶ)とPEEPの差である. Aでは気道閉塞時(太い矢印)に流量波形を見ると,人工呼吸器からの送気がすでに終了している.そのためこの時点で気道内圧と肺胞内圧は平衡に達しており,Δ吸気圧と駆動圧は一致する.一方,Bでは気道閉塞時(太い矢印)に流量波形を見ると,人工呼吸器からの送気が残存していることがわかる.そのため肺胞内圧は気道内圧よりも低く,駆動圧(実線両矢印)はΔ吸気圧(点線両矢印)よりも小さくなる.駆動圧が死亡率に関連すると報告されており,正確に駆動圧を把握することは重要である. また,呼吸器系コンプライアンスは,患者の状態把握に重要な指標であり,以下の式で与えられるが, 呼吸器系コンプライアンス=一回換気量/駆動圧 その算出には,Δ吸気圧ではなく駆動圧を用いる必要がある.
駆動圧は自発呼吸があっても,吸気終了時に気道閉塞を行うことで,測定できることが知られている.食道内圧波形を見ると,この患者が自発呼吸をしていることがわかる.吸気流量が終了した時点(流量波形の太い矢印)で気道閉塞を開始すると,その後気道内圧が上昇して一定の値に達している.気道閉塞開始時点の患者吸気陰圧(食道内圧の点線両矢印)がなくなることで,閉塞された気道内圧は閉塞した時点よりも,その分だけ上昇する(点線両矢印)ことになる.ここで得られるプラトー圧とPEEPの差(実線両矢印)が自発呼吸中の駆動圧である.こうやって測定された自発呼吸中の駆動圧も患者予後に関連することが知られている.この測定機能は,いくつかの人工呼吸器に搭載されている.
経肺圧とは気道内圧と胸腔内圧の差のことであり(経肺圧=気道内圧−胸腔内圧),肺の拡張程度を決定する因子である3).自発呼吸がある場合には気道内圧が低くても患者の需要に応じて胸腔陰圧が大きくなるため4),経肺圧が大きくなり,肺傷害が生じうる.極端な場合陽圧換気を行わなくても肺傷害は生じてしまう5).呼吸補助筋を使った呼吸をしているときや,CVP波形が大きく揺れている場合6)などは,胸腔内圧が著しい陰圧になっている可能性があり,深鎮静や筋弛緩を行う必要があるかもしれない.
肺の虚脱・再開放を防止するには,適切なレベルのPEEPが必要である.動物実験ではPEEPを全く用いないと,肺傷害が起こることは明らかだが,ARDS患者における最も肺保護的なPEEPの設定方法は知られていない.最近ではElectric Impedance Tomography(EIT)により肺胞虚脱と過膨張が最も少ないPEEPに設定することも提案されているが7),日本では新生児・乳児に使用できるEITは販売されていない.肺胞のrecruitabilityがある肺(高い気道内圧により,虚脱していた領域の肺の一部が開放できること)では,高めのPEEPが呼吸器系コンプライアンスを改善・維持し,その結果,駆動圧を低下させ,肺傷害を軽減できるかもしれない.しかし,recruitabilityが乏しい肺において,高いPEEPは肺を過膨張させるだけで害しかもたらさない.現在のところ小児でrecruitabilityを評価する方法は定まっていないが,臨床的にrecruitabilityを評価し(例えば,一度高い気道内圧をかけると,その後,圧を元の状態に戻しても大きな換気量が得られている,など),その結果次第でPEEPを上げたり,下げたりすることは重要であると考える.後述するが,PEEPはもちろん循環動態にも影響があるため,筆者は,先天性心疾患小児の術後早期においては,肺保護を考慮しつつも循環への影響を優先する場合が多く,多くの症例ではPEEPは4–10 cmH2O程度に設定している.
適正なレベルの自発呼吸は,Table 1のとおり様々な利点があるが,前述のように,肺保護を行うためには経肺圧を制御する必要があり,そのため,強い自発呼吸が存在する場合には深鎮静や筋弛緩を必要とする場合がある.また,心臓手術の術後には,循環制御のための深鎮静や筋弛緩も長期間に及ぶことがある.しかし,成人のデータでは横隔膜は数日の不動化により筋線維が萎縮し8),横隔膜の萎縮が生じると,その後の人工呼吸期間が延長することが知られている9).よって,筆者は,深鎮静や筋弛緩を行う時間はできるだけ短期間にすることを意識し,たとえ開胸中であっても多少の体動は許容し,横隔膜萎縮(さらには全身の筋委縮)が少しでも進まないように心がけている.一方,大きすぎる呼吸仕事は,横隔膜を疲労させるだけでなく,横隔膜を傷害することも知られている10).適度な呼吸努力,つまりは適正な呼吸仕事を維持することが,人工呼吸期間の短縮に関連する可能性が高い9).呼吸筋力として10 cmH2O以上の吸気努力は危険であると考えられている11).吸気努力の評価のgold standardは食道内圧測定であるが,それを測定できる施設は少なく,その代わりとして気道閉塞を用いた様々な方法を用いることができることが示されている12).しかし,心臓外科術後患者において最も簡便なのは,CVP波形の観察かもしれない.CVP波形の揺れが8 mmHg(≒10 cmH2O)のときには,大きな呼吸努力が行われている可能性が高いと報告されている13).
ポイント | 吸気努力過大 | 適切な吸気努力 | 吸気努力過小(または筋弛緩) |
---|---|---|---|
肺傷害 | 過剰な経肺圧による過膨張 過大な胸腔陰圧による肺水腫 振り子現象による肺傷害 | 換気血流分布改善 リクルートメント効果 | 背側の肺胞虚脱 換気分布の不均一化 換気血流分布悪化 |
呼吸仕事 | 呼吸筋疲労 横隔膜傷害 | 廃用性萎縮の予防 人工呼吸器離脱促進 | 廃用性萎縮 |
その他 | 不快・鎮静剤増加 左心後負荷増大 消費エネルギーの増加 | 快適 静脈還流の増加 | 気道クリアランスの低下 |
小児心臓外科術後患者における非同調の頻度は不明であるが,小児患者では自発呼吸のある患者の全てに認められ,全人工換気のうち約30%が非同調状態であることが報告されている14).非同調は患者にとって不快なものが多く,その結果鎮静薬や鎮痛薬を増量しなければいけなくなるかもしれない.小児で圧規定式人工呼吸を行っている場合によくみられる非同調と,その代表的な対応策をTable 2に示す.
種類 | 定義 | グラフィックモニター波形の特徴 | 影響 | 対策① 患者 | 対策② 人工呼吸器 |
---|---|---|---|---|---|
ineffective triggering | 人工呼吸器が患者の吸気努力を認識しないこと | 呼気時に気道内圧が下に凸 同じタイミングで流量が上に凸 | 呼吸仕事の増大 伸張性筋収縮 | auto PEEPを改善させる 深鎮静が原因なら鎮静を浅くする | トリガーを鋭敏にする カウンターPEEPを用いる 過剰サポートを避ける 呼気トリガーを早くする 吸気時間を短くする |
delayed triggering | 人工呼吸器が吸気努力を認識するのが遅れること | 気道内圧の低下から呼吸器の送気までのタイムラグが大きい | 同上 | 同上 | 同上 |
auto-triggering | 患者の吸気努力がないのに,人工呼吸器が誤って送気を行うこと | トリガーされた送気が,自発呼吸を伴わない吸気波形 | PaCO2の低下 過膨張 自発呼吸の抑制 誤った人工呼吸器ウィーニング | 自発呼吸を大きくする 心原性振動や横隔膜ペーシングによる気流の動きを小さくする工夫 | トリガー感度を鈍くする リークがある場合にはリークをなくす |
double triggering | 一度の吸気努力中に2回人工呼吸器から送気されること | ごく短い小さい呼気を挟んで2回連続して人工呼吸器からの送気が行われる | 過大な換気量 過膨張による肺傷害 | 吸気努力を抑制する (鎮静を増やす,PEEPを上げるなど) | 患者の要求に見合った換気設定にする PSVを用いる |
reverse triggering | 人工呼吸器の送気が契機になって患者の吸気が惹起されること | 強制換気の途中から生じる吸気努力(吸気流量の再上昇) | 呼気流量の制限 過大な換気量 過膨張による肺傷害 伸張性筋収縮 | 鎮静薬や麻薬を減量する | 換気回数を下げ,自発呼吸を促進させる |
premature termination | 患者の吸気努力が終了する前に人工呼吸器の送気が終了すること | 呼気流量波形の早期に小さな上に凸の山が出現する | 十分な換気量が確保できない 伸張性筋収縮 double triggeringに繋がる | 患者の時定数を大きくする工夫 | 吸気時間を延ばす 呼気トリガーを遅らせる 吸気立ち上がりを遅くする |
delayed termination | 患者の吸気努力が終了した後も人工呼吸器の送気が継続すること | 吸気流量の途中で,流量の傾きが緩やかになる 吸気終末の気道内圧が急激な上昇 努力呼気による吸気終末吸気流量の突然の低下 | 過膨張 auto-PEEPの発生 努力呼気の発生 | 患者の時定数を小さくする工夫 | 吸気時間を短くする 呼気トリガーを早くする 吸気立ち上がりを早くする プレッシャーサポート圧を下げる |
非同調により,肺や横隔膜に傷害が起こる可能性も指摘されている.最近では,小児でも量規定式人工呼吸を行うことがあるが,量規定式人工呼吸でdouble trigger(患者の一回の吸気に対し,人工呼吸器から送気が2呼吸分行われること)が生じると,設定した換気量の倍の換気量が供給されてしまうため,過膨張による肺傷害が起こると言われている.また,premature termination(Fig. 3)は,double triggerの原因になるだけでなく,伸張性筋収縮(筋の受動的な伸展中に筋収縮が行われること)を起こすことにより,横隔膜傷害を起こす可能性も指摘されている15).非同調が人工呼吸中の患者の予後を悪化するという因果関係を示す根拠はまだないが,成人のデータで,呼吸器離脱を開始した初日に非同調が多い患者ではその後の人工呼吸期間が長いことが知られている16).
気道内圧を見ると,Aのタイミングで人工呼吸器から圧(とガス流量)が供給されていることがわかる.一方,流量波形を見ると,人工呼吸器の吸気圧がなくなるといったん呼気に転じているが,呼気の途中で,流量がゼロにいったん不自然に戻りかけているのがわかる(片矢印B).このことは,Bでは人工呼吸器の吸気圧がなくなって,胸郭の縮もうとする力で呼気流量は生じたが,患者がこの時点まで吸気努力を継続していて(C),そのために呼気流量が低下してしまったことを示唆する.本人の吸気努力時間(C)に対して,人工呼吸器の吸気送気時間(A)が短いことが原因のpremature terminationである.
心臓は肺とともに胸郭内に存在するため,人工呼吸や自発呼吸による胸腔内圧の変化の影響を受ける.主に考えるべきは静脈還流への影響,肺循環への影響,そして体心室後負荷への影響である.
体静脈から心臓へと流入する静脈還流は,右房圧が上昇すると減少するが,陽圧換気は胸腔内圧を上昇し,その結果右房圧を上昇し,静脈還流を低下させる.よって静脈還流を考える際には,胸腔内圧の変化を考慮する必要がある17).同じ気道内圧を使用しても,胸腔内圧の変動は,胸郭が硬いときに大きいので,新生児手術などで閉胸して集中治療室に入室した患者などでは,体幹浮腫などの影響で胸郭が硬くなっており,静脈還流への影響も大きい.つまり,そのような状態では,肺を虚脱させないためには高いPEEPが必要だが,高いPEEPの静脈還流低下への影響も大きいので,注意が必要である.
健常人では肺血管抵抗は機能的残気量レベルで最低になり,それよりも肺容量が大きくても小さくても肺血管抵抗は増大することが知られている18).よって,健常肺ではPEEPは肺容量を増大し,肺血管抵抗を増大する.しかし,肺胞虚脱がある場合,虚脱が開放されるなら,肺血管抵抗は低下するだろう.心臓手術後には,水分過多,血管透過性の亢進,術操作による肺の圧迫,胸腔内圧の上昇などにより,肺の一部は虚脱しており肺容量は低下している可能性が高い.よって,肺血管抵抗の上昇と肺胞虚脱が疑われる場合には,一時的に高い気道内圧を用いることで肺胞虚脱を開放することを試みる価値がある.しかし,recruitabilityがない肺で,高い圧をかけても肺は過膨張するのみなので,むしろ肺血管抵抗が悪化することになる.
体心室後負荷も,胸腔内圧の影響を受ける.体心室の後負荷は心室の経壁圧と左室内径に比例し,左室壁厚に反比例するため,胸腔内圧が陽圧になると体心室の経壁圧が低下し,体心室の後負荷は軽減する.よって左心不全の患者では,ハイフロー療法が有効であることがある19).
新生児・乳児の人工呼吸を困難にしている最も大きな因子は,気管チューブ管理(気道管理)と,気管チューブ周囲リークと死腔の影響と対処であると筆者は考えている.ここでは,リークと死腔について解説する.
小児では歴史的に,カフなし気管チューブが用いられることが多かった.最近では,カフつき気管チューブが用いられることが増えてきているが,新生児・乳児などでは,少しでも太い内径のチューブを用いるために,カフなし気管チューブが用いられることもある.リークの問題点は,気道内圧より肺胞内圧が低下すること,人工呼吸器と患者の同調性が低下すること,換気量の測定が不正確になること20),人工鼻を使用すると加湿効率が著しく悪化すること,などがあげられる.
気管チューブ周囲からのリークがない場合には,新生児・乳児では死腔を考慮する必要がある.PaCO2は分時肺胞換気量に反比例する.また,肺胞換気量は,一回換気量から死腔換気量を引いたものであるから,死腔換気量がPaCO2に大きく影響することがわかる.新生児の人工呼吸では新生児回路を使用していても,機械的死腔は最低2–3 mL存在し,コネクタ等を合わせるとその容積はさらに増大する.一回換気量の小さな小児では,常に死腔の影響を考慮する必要がある.例えば,体重が3 kgの人工呼吸中の新生児で,死腔が12 mLのとき,一回換気量24 mL,呼吸数30/分で換気すると,分時肺胞換気量は(24–12) mL×30/分=360 mL/分となる.ここで,同じ患者で一回換気量18 mL,呼吸数30/分に変更すると,分時肺胞換気量は(18–12) mL×30/分=180 mLとなる.設定変更前と比べて,設定変更後の一回換気量は25%の低下だが,分時肺胞換気量は半分に低下することになる.よって設定変更前のPaCO2が30 mmHgであれば,設定変更後は30×360/180=60 mmHgと2倍に上昇することとなる.
小児循環器疾患の主たる治療はもちろん循環管理であるが,だからこそ呼吸管理で患者の予後を悪化させないようにしたい.そのためには,酸素化とガス交換だけでなく,どんな患者でも本稿で挙げた重要な4つの因子を考慮しながら人工呼吸器の設定を行う必要がある.しかし,集中治療中のどの時期にも,常にこれら全てを理想的な状態にできるわけではない.患者管理のフェーズによって,このなかでも重要視する因子の重みづけを変える必要がある.たとえば,超急性期には,おそらくは酸素化と呼吸循環相互作用が最も重要であるし,慢性期には呼吸仕事や非同調の重要性が増す.いずれにせよ,先天性心疾患患者であっても,人工呼吸が患者に及ぼす影響を考えながら,呼吸管理を行うようにしたい.
本稿に関して開示すべき利益相反はない.
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