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特定非営利活動法人日本小児循環器学会 Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery
Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery 39(3): 153-160 (2023)
doi:10.9794/jspccs.39.153

ReviewReview

小児期大動脈弁手術選択肢としてのOZAKI法Pediatric Aortic Valve Surgery: The OZAKI Procedure as a Surgical Option

あいち小児保健医療総合センター 小児心臓病センター心臓血管外科Aichi Children’s Health and Medical Center, Kids’ Heart Center, the Department of Cardiovascular Surgery ◇ Aichi, Japan

発行日:2023年12月1日Published: December 1, 2023
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心臓外科手術の発展のなかで,大動脈弁疾患においてもさまざまな術式が提唱され,施行されてきた.それでもなお,現在行われている方法は,おしなべて一定の限界を持っており,それ故われわれは,常に新しい選択肢を模索し続けている.とくに小児ではより一層大きな課題で,大動脈弁手術を行うにあたり,さまざまな選択肢のリスクとベネフィットは,依然として議論の的になっている.こうしたなか,OZAKI法は自己心膜を用いて大動脈弁尖を再建する術式で,高い再現性をもって大動脈弁の再建を可能にする.この方法は,大動脈の各弁尖をそれぞれ独立して再建することを特徴とし,弁尖の自然な動態の再現が意図されている.児にとって大動脈弁疾患は生涯の問題であり,長期にわたる治療戦略を描く必要がある.本稿では,成長過程にある小児においても,OZAKI法は選択肢の一つであることを提案したい.

Various techniques for treating aortic valve disease have been proposed and implemented for cardiac surgery. However, existing methods have certain limitations; therefore, we are always looking for new alternatives. Choosing the best possible technique is important, particularly in children, and the balance of the risks and benefits of the various options for aortic valve surgery remains an issue. The OZAKI procedure involves reconstructing the aortic valve with three separate pieces of autologous pericardium using specialized instruments and standardized techniques to ensure the reconstruction of a reproducible aortic valve. This procedure involves the independent reconstruction of each aortic valve leaflet and aims to reproduce the natural dynamics of the valve leaflets. Notably, aortic valve disease affects children throughout their lives; thus, long-term treatment strategies must be developed. This study shows that the OZAKI procedure is worth considering an option for growing children.

Key words: OZAKI procedure; neocuspidization; aortic valve repair; pediatric; congenital heart disease

はじめに

小児期に大動脈弁(体動脈半月弁,systemic semilunar valve)手術を行うにあたり,小児は単純に体格が小さいというだけでなく,弁尖の構造異常や,左心室−大血管関係のバリエーション,他の構造的心疾患や先天性症候群の合併など,しばしば複雑な病態を示す.術式の選択には耐久性が求められるばかりか,児の成長にも配慮する必要がある.さらに,点滴や内服薬をはじめとする管理にも繊細さが求められ,数多くの配慮すべき事項が存在する.そこで,小児期大動脈弁手術の概要を説明し,そのうえで,OZAKI法1–4)の手技と,とくに小児における経験について解説する.

小児期大動脈弁手術

小児の大動脈弁狭窄や閉鎖不全は,しばしば他の構造的心疾患と合併して,あるいは影響を受けた結果として現れる.例えば,Shone症候群や大動脈弓離断などにおける大動脈弁狭窄や,総動脈幹症やDKS術後にみられる体動脈半月弁閉鎖不全などである.一方,大動脈弁の単独疾患としては,Hoffmanらによる剖検例のReview5)などがみられるものの,無症候例を含め小児の有病率は明らかでない.日本胸部外科学会のまとめでは,2017年本邦で行われた小児期大動脈弁手術は163件で,これは先天性心疾患手術全体の1.7%に相当し,けっして稀な手術ではないといえる6).本稿では,複合心疾患の有無にかかわらず,体動脈半月弁の病態を手術適応とし,それに対する手術術式について論じる.

術式の選択肢

小児期の大動脈弁狭窄では,術式の選択肢として,バルーンによる経皮的大動脈弁形成術が真っ先に挙げられる.新生児期や乳児期早期には頸動脈cut downで行われることが多く,手術成績は良好7)な一方で,閉鎖不全を悪化させないようにすることが肝要である.大動脈弁形成術は,狭窄・閉鎖不全を問わずさまざまな病態に対して,多様な術式が報告されてきた8, 9).弁尖逸脱に対するcentral plication10),癒合交連に対する交連切開や肥厚弁尖に対するthinning11),自己心膜などの補填物を用いた弁尖延長12)などが代表的な手技で,病態に合わせて使い分け,組み合わせて施行する.手術の再現性を上げ成績を安定させるには,術者に一定以上の経験値が必要であるが,公表されている成績はおしなべて良好である13–15).形成は自己組織をもとにした手技であるため,術後ある程度の弁の成長を期待できる点で優れている.Ross手術あるいはRoss–Konno手術は,肺動脈弁を大動脈弁位に自己移植する方法であり,生きた自己組織であることから,これも術後に弁の成長を期待できる16).ところが,新大動脈弁が期待以上に拡大することで閉鎖不全を発症したり17),正常な肺動脈弁を医原性に病悩部にするという問題がある18).小児の人工弁置換術は病変部を切除して機械弁に置き換える術式であり,手術の再現性,術後耐久性という意味において安定した方法と考えられる19).一方で,一般に小児の大動脈弁輪径は小さいことから,手術に際し弁輪拡大を要することが多く,手技は煩雑となり,侵襲は大きくなる.また,小児では通常機械弁を使用するが,その場合,術後の継続した抗凝固療法が避けられない.

OZAKI法

心膜などを用いて大動脈弁尖を再建する術式20, 21)はかねてから報告されてきたが,適応は限定的であった.近年,左心室から大動脈に至る部位の構造や機能,協調性について理解が進んだことで,reimplantation法やremodeling法をはじめとしたさまざまな術式が行われるようになった.そうしたなか,尾﨑らは自己心膜を用いて大動脈弁尖を再建する新しい術式を開発した1–4).この方法は,大動脈の各cuspに対応する3つの自己心膜パッチを用いて,各弁尖をそれぞれ独立して再建することを特徴としている.こうすることで,収縮期の大動脈基部の自然な拡張を実現し,最大有効開口面積が期待できるとされる22, 23).大動脈基部のジオメトリーは,生理的にヘモダイナミックに変動しており,収縮期の径は拡張期に対し16%拡大する24).OZAKI法は,各弁尖をannulus fibrosusに沿って縫着することで,interleaflet triangleを含む大動脈基部の構造が保持され,これが生理的動態に近い特性をもたらすと考えている.弁尖のデザインは,いわゆるロマネスク型を主体とした形状で,縫合強度向上のためのside wingsの追加など,いくつかの改良が加えられてきた.Effective heightが高くなるように設計されており,coaptation zoneが大きく,遺残逆流を最小限にする意図が見られる2)

導入準備

OZAKI法は専用の器具を用いて,標準化された術式に沿って手術を行うことで,高い再現性をもって大動脈弁再建を可能にする術式である.そのため,術式導入にあたっては,臨床指導医によるトレーニングとアドバイスが必須である.近年,成人を中心にOZAKI法の臨床経験が蓄積されつつあるが,小児ではなお,十分な経験がある術式とはいえない.そのため,著者らがOZAKI法を導入する際には,あらかじめ患者家族に十分な説明と同意の上で,院内の倫理委員会に諮った.また,自己心膜処理に使用するグルタルアルデヒドは,人体に用いる通常の医薬品ではない.手術室で使用するにあたって,これも倫理委員会での審議を経た.現在,「自己心膜等による大動脈弁再建術学会(前身:同勉強会)」が,施設基準をはじめとするガイドラインを定めるとともに,臨床データを集積,管理している25)

手術適応

小児期の大動脈弁手術は画一的でなく,術式に多くの選択肢がある.筆者らは,自己大動脈弁を可能な限り温存できるように,弁形成を第一選択としている.それが困難な場合,Ross手術,人工弁置換術,OZAKI法につき,それぞれの長所・短所を患者・家族とも共有し,手術術式を選択する.OZAKI法は,乳児を含む広い年代のさまざまな大動脈弁疾患に適用できるが,最小のOZAKIサイザーが11 mmであることから,おおむねこのサイズ以上の弁輪径が術式選択の目安となる.もちろん,なんらかの弁輪拡大を併施したうえでOZAKI法を行うことも可能である26).一つ注意したいのは,小児の場合,合併する他の構造的心疾患による弁下構造の複雑性のため,弁付近の血流が乱流となることがある.これが再建弁尖の長期経過に不利な影響を及ぼすことがないか,検証していく必要性を感じている27)

OZAKI法の手順

心膜採取:小児の大動脈弁手術は,先行手術の既往があることも多く,良好な性状の心膜を確保できるかどうかが最初のポイントとなる.筆者らは,想定されるサイズの弁尖をあらかじめ清潔野でテンプレートから紙に描画しておき,これを切り抜いて見本とし,心膜を採取する際のサイズの目安にしている(Fig. 1A).一弁尖分ずつバラバラにしか心膜を採取できないときもあれば,横隔神経を心膜から外すようにして採取することもある.

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Fig. 1 The OZAKI procedure performed on the patient with truncus arteriosus communis

Autologous pericardium of the size intended for reconstruction is harvested and treated with glutaraldehyde (A). A quadricuspid truncal valve is found through the aortotomy on the cardiopulmonary bypass and cardioplegic arrest (B). Autologous pericardial leaflets are created after considering the design for reconstruction (C–E). By suturing each leaflet, the neo-aortic valve is reconstructed by tricuspidization (F, G). The windmill-like appearance is a sign of good reconstruction (H).

心膜処理:処理中に心膜が縮んだり,皺ができたりしないように,採取した心膜をなるべく均等に張力をかけて,拡げながらプレートに固定する.これを0.6%グルタルアルデヒド溶液に数分間浸して処理する.成人では浸漬時間10分とされているが,筆者らは児の体格や心膜の厚さを考慮して,5分から7分程度に調整している.処理後は生理食塩水での6分間の洗浄を3回行ったうえで,使用する直前まで生理食塩水に浸しておく.

大動脈切開・弁尖切除:体外循環,心停止下に大動脈を横切開する.良好で安定した視野展開は,どの手術にも共通する成功へのカギである.小児期に手術適応となる体動脈半月弁は,通常の三尖でなく,一尖弁,二尖弁,四尖弁などさまざまな形態をしていることがある(Fig. 1B).弁尖と交連,rapheとともに冠動脈開口部の関係を把握したうえで,弁尖を可及的に切除する.

交連部決定・交連間距離計測:半月弁が通常の三尖でない場合,どのように弁尖を再建するか,デザインを描く必要がある.筆者は正常構造な交連を弁尖再建のための基準交連として定め,これをもとに他の二交連を決めている.Raphe部はそのままでは交連として不適で,多くの場合,そのやや末梢側に交連を定義することになる.この際,冠動脈開口部の位置や,弁下構造による血流への影響の可能性などを考慮しながら,各弁尖が可及的に均等になるように交連の位置をデザインする(Fig. 1C).各交連が定まったところで,OZAKIサイザーを用いて交連間距離を計測する(Fig. 1D).この際,拡張期の大動脈基部形態を再現するような意識で,適切な強度で大動脈壁にサイザーを当てて計測する2).交連間距離によって再建する弁尖サイズを決定するので,この計測の精度がOZAKI法の最重要ポイントである.

弁尖作成・縫着:テンプレートを用いて,計測したサイズの弁尖を処理心膜に写し,切り抜く(Fig. 1E).心膜弁尖の滑らかな表面が左室側となるようにセットし,nadirから交連部に向けて,連続縫合で縫着してゆく(Fig. 1F).もう一本別の針糸で交連部を補強するように弁尖を併せ,大動脈外で固定する(Fig. 1G).体格が十分であれば,成人と同じ4-0 polypropylene糸を使用するが,小児では5-0や6-0 polypropylene糸を使用することも多い.再建した心膜弁尖が「かざぐるま」の格好になっていることが良好な再建ができた目安となる(Fig. 1H).

手術成績

OZAKI法の手術操作は,われわれが日常的に行っている手技から大きく逸脱するものでなく,周術期の経過に特筆すべきことはない.ドプラ法で大動脈弁位血流速を計測すると,成人と比べ小児では,術後やや速い流速が計測される印象がある.これは,生来構造的に大動脈弁輪径が小さかったり,再手術のため肥厚した心膜を使用せざるを得なかったり,弁輪組織が柔軟なため弁尖の連続縫合で縫縮効果が出てしまったりすることが要因と考えている.逆に,これらに配慮することが良い結果に繋がるコツであるともいえる.

先述のように,小児におけるOZAKI法は十分に経験を重ねたとはいえず,世界的に見ても文献報告は散見される程度である.Great Ormond Street HospitalのWigginsらは,小児および若年成人にOZAKI法またはその変法を施行した58例をまとめ,術前後での大動脈弁位血流速の有意な低下と,3年後の再手術または中等度以上の大動脈弁閉鎖不全回避率を79.0%±8.0%と報告した28).Boston Children’s Hospitalから57例の報告では,急性期に死亡や人工弁置換を要した症例はなく,術後退院時に大動脈弁位圧較差は16.9±9.5 mmHgであり,98%が軽度以下の大動脈弁閉鎖不全であったとしている29).また,Politoらは,OZAKI法22例とRoss手術16例を比較して,生存率,再手術回避率は同等であったが,OZAKI法の群で経過中に大動脈弁位血流速が上昇する傾向がみられたと報告した30).いずれの報告でも,小児に対するOZAKI法は,少なくとも短期的には容認可能な成績と結論している.ただし,これらの報告には,再建弁尖にPhotoFix(Cryolife, Kennesaw, Georgia)やCardioCel(Admedus, Minneapolis, Minnesota)といった異種心膜を使用した症例が多く含まれているのと,自己心膜による再建であっても,原法と異なる操作が行われていたり,心膜の固定時間が極端に短い症例が含まれていたりするので,結果の評価には一定の注意が必要である.

術後早期から中期臨床像

このように,小児におけるOZAKI法の経験は非常に限定的であるので,自験例の臨床像を報告する.

症例の概要をTable 1に示す.対象は男児 : 女児=6 : 4,手術時3か月~14歳(平均7.8±4.0,中央値8.5歳),体重3.0~43.6(平均24.0±11.9,中央値22.2)kgであった.手術適応となった体動脈半月弁は,大動脈弁8,肺動脈弁1,総動脈幹弁1で,適応病態は狭窄 : 閉鎖不全=5 : 5であった.対象のうち7例が他の構造的心疾患(大動脈縮窄複合2例,大動脈弓離断+総動脈幹,大動脈弁上狭窄,三尖弁閉鎖,心房中隔欠損,動脈管開存各1例)を合併していた.既往手術として,経皮的大動脈弁形成,大動脈縮窄複合に対するEAAA+VSD閉鎖,大動脈弓離断+総動脈幹症に対する両側肺動脈絞扼,三尖弁閉鎖に対するDKS+TCPCを各1例に認めた.また,1例は食道閉鎖術後で,胸骨後面に胃管による再建食道が置かれていた.OZAKI法は胸骨正中切開で入り,体外循環,心停止下に施行した.症例ごとの必要性に応じて,大動脈弓再建,palliative Rastelli,Myers変法,心房中隔欠損閉鎖を併施した.食道閉鎖術後の1例は右開胸で手術を行った.再手術例を含め全例で,弁尖再建に必要なサイズの自己心膜を採取可能であった.手術時間,体外循環時間,大動脈遮断時間は,それぞれ412±105(中央値398),238±54(中央値241),140±34(中央値139)分で,全例耐術し,術後経過良好であった.術後観察期間は0.7~6.6(平均4.1±2.1,中央値4.5)年で,この間に身長,体重,体表面積は有意に成長した(116±30 vs 113±31 cm, 24.0±11.9 vs 35.2±15.0 kg, 0.87±0.34 vs 1.13±0.39 m2; p<0.001; Fig. 2A).術前と最新のドプラ所見で,大動脈弁位血流速および閉鎖不全は有意に改善した(3.0±1.1 vs 2.2±0.6 m/s, 1.8±1.3 vs 1.0±0.8 degree; p<0.05; Fig. 2B).心エコーによる大動脈弁輪径の推移を詳細に見ていくと,手術前後で10%ほど小さくなったのち,経時的に拡大していく傾向であった(Fig. 3A).そこで,各計測時点の体格から求められる標準弁輪径に対する比を% of normalとしてFig. 3Bに示す.個々の症例の大動脈弁輪径の経時的拡大は,成長に伴う正常な拡張であることが示唆された.同様に,ドプラ法による大動脈弁位血流速と閉鎖不全の推移を示す.血流速は術前後で改善したのち,緩やかな上昇傾向があるように見える(Fig. 3C).一方で,閉鎖不全は術前後で改善したのち,概ね悪化なく推移するように観察される(Fig. 3D).グラフ中1Y付近の逆流増加は,再建弁尖の退縮のため,総動脈幹の1例が再手術を要したことを反映している.観察期間内に死亡例は認めず,術後0.7年で再手術を,3.0年で感染性心内膜炎をそれぞれ1例認めた.

Table 1 Characteristics and operative/postoperative details of patients
Patients’ characteristicsn
Patients10 (M : F=6 : 4)
rangemean±SDmedian
Age (y)0 (3M)–147.8±4.08.5
Height (cm)50–1567.8±4.19.5
Weight (kg)3.0–43.67.8±4.210.5
BSA (m2)0.19–1.327.8±4.311.5
Diagnosis & treatment historyn
Fundamental diagnosis
CoA complex2
IAA+truncus1
Supra aortic stenosis1
Tricuspid atresia1
ASD1
PDA1
Target systemic semilunar valve
Aortic8
Pulmonary1
Truncal1
Surgical indication
Stenosis5
Regurgitation5
Prior catheter or surgical intervention(s)
PTAV1
EAAA+VSD closure1
DKS+TCPC1
Bilateral PAB1
Operative details & outcome
Concurrent surgical procedure(s)
Aortic arch reconstruction2
Palliative Rastelli1
Modified Myers1
ASD closure1
rangemean±SDmedian
Op. time (m)273–633412±105398
CPB time (m)158–356238±54241
AoX time (m)96–208140±34139
Hospital mortality0
AoX, aortic cross-clamp; ASD, atrial septal defect; BSA, body surface area; CoA, coarctation of the aorta; CPB, cardiopulmonary bypass; DKS, Damus–Kaye–Stansel anastomosis; EAAA, extended aortic arch anastomosis; IAA, interrupted aortic arch; Op., operation; PAB, pulmonary artery banding; PDA, patent ductus arteriosus; PTAV, percutaneous transcatheter aortic valvluloplasty; TCPC, total cavo-pulmonary connection; VSD, ventricular septal defect.
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Fig. 2 Physical data and measurements of patients

The height, weight, and body surface area significantly increased during the postoperative follow-up period (A). The preoperative and most recent Doppler findings indicated significant improvement in the aortic valve maximum blood flow velocity and degree of regurgitation (B).

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Fig. 3 Echocardiographic and Doppler findings over time

Echocardiography indicated that the aortic annulus diameter was 10% smaller immediately after surgery than preoperatively and tended to increase with time (A). By standardizing the diameter to a reference according to body size, the temporal enlargement of the aortic annulus in individual cases was suggested to be a normal dilation associated with growth (B). Blood flow velocity appeared to improve postoperatively and then tended to slightly increase (C), whereas aortic regurgitation was observed to improve after surgery and then generally leveled off without worsening and then generally leveled off without worsening (D).

本稿の限界

本稿に示した臨床像は,限られた症例の比較的短期間での経験を基にしている.OZAKI法はグルタルアルデヒド処理した自己心膜による大動脈弁尖の置換手術であり,弁尖の耐久性に限界があることは認めなくてはならない.また,成長に伴う弁輪拡大から,いずれかの時期に逆流が増加することが予想される31).感染性心内膜炎の発症頻度が比較的高いと指摘もあり4),引き続き経験の蓄積が求められる.

まとめ

小児期の大動脈弁(体動脈半月弁)手術は,決して稀な手術ではない.これまでさまざまな術式が試されてきたし,現在進行形で行われてもいる.どの術式もそれぞれ一長一短あり,いずれも不完全なため,われわれは常に新しい選択肢を模索し続けている.児にとって大動脈弁疾患は生涯の問題であり,したがって,長期間を見据えた治療戦略を描く必要がある.OZAKI法は,小児においても,大動脈弁疾患に対する治療の選択肢の一つと考えている.

謝辞Acknowledgments

今回の執筆の機会を与えてくださいました日本小児循環器学会学術委員会の小沼武司先生,同編集室のみなさま,OZAKI法の創始者であり,本稿執筆にあたりアドバイスをいただいた東邦大学医療センター大橋病院の尾﨑重之教授,日常臨床のなかでチーム医療を担う心臓外科・循環器科をはじめ各診療科の先生方,コメディカルのみなさまにこの場を借りてお礼を述べさせていただきます.

利益相反

本稿について,開示すべき利益相反事項はありません.

付記

本稿の内容は,2022年第58回日本小児循環器学会総会・学術集会の教育セミナーの講演内容をもとに作成した.

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