Online ISSN: 2187-2988 Print ISSN: 0911-1794
特定非営利活動法人日本小児循環器学会 Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery
Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery 41(3): 113-122 (2025)
doi:10.9794/jspccs.41.113

ReviewReview

データ駆動時代の川崎病研究オミクス解析から人工知能までResearch on Kawasaki Disease in the Data-Driven Era: New Epidemiology, Omics Data, and Artificial Intelligence

1岐阜工業高等専門学校 電気情報工学科National Institute of Technology, Gifu College ◇ Gifu, Japan

2国立国際医療研究センター研究所 感染病態研究部Department of Viral Pathogenesis and Controls, National Center for Global Health and Medicine ◇ Chiba, Japan

3岡山大学病院 小児科Department of Pediatrics, Okayama University Graduate School of Medicine, Dentistry, and Pharmaceutical Science ◇ Okayama, Japan

4山梨大学医学部 小児科Department of Pediatrics, University of Yamanashi ◇ Yamanashi, Japan

5三重大学医学部附属病院 周産母子センターDepartment of Pediatrics, The University of Mie Graduate School of Medicine ◇ Mie, Japan

6山口大学医学部 小児科Department of Pediatrics, Yamaguchi University Graduate School of Medicine ◇ Yamaguchi, Japan

7千葉大学大学院医学研究院 小児病態学Department of Pediatrics, Graduate School of Medicine, Chiba University ◇ Chiba, Japan

発行日:2025年8月1日Published: August 1, 2025
HTMLPDFEPUB3

第60回日本小児循環器学会学術集会で行われた「データ駆動時代の川崎病研究:オミクス解析から人工知能まで」シンポジウムの内容を抜粋して報告する.機械学習を用いた川崎病病因の探索の研究では機械学習のモデル開発だけでなく,より良い学習をするためのデータ収集システムの開発も進めていく必要が述べられた.MIS-Cと川崎病について重症化予測や治療層別化に役立つマーカー探索の報告では,多施設共同研究が呈示された.冠動脈炎の病態解明に基づく新規治療薬の探索をに関する研究では,川崎病マウスモデルにおける心臓由来細胞のシングルセル解析について報告がなされた.また,川崎病患者の臨床情報から機械学習によって冠動脈病変出現の予測を試みた研究や,JROAD-DPCと日本循環器学会の研修施設の情報を用いた川崎病冠後遺症を有する患者の移行医療と生涯医療の実態調査が報告された.本総説を手に取り,川崎病の病因病態,治療の進歩に興味をもっていただければ幸いである.

We present excerpts from the “Kawasaki disease research in the data-driven era: From omics analysis to artificial intelligence” symposium held at the 60th Annual Meeting of the Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery. To determine the etiology of Kawasaki disease (KD), machine learning by sparse modeling of the nationwide survey data in Japan was performed and the results were presented. Moreover, the results of a multicenter study on multisystem inflammatory syndrome in children (MIS-C) and KD were also described. To elucidate the pathophysiology of coronary arteritis and to explore new therapeutic agents, the findings of a single-cell analysis of cardiac-derived cells over time in a KD mouse model were reported. Moreover, we provided the results of a previous research that attempted to predict the appearance of coronary artery lesions by machine learning based on the clinical information obtained from the KD patients. The study outcomes of a nationwide survey of transitional and lifelong medical care among adults with coronary sequelae of KD using the JROAD-DPC database as well as information on the training facilities of the Japanese Circulation Society and characteristics of patients at these centers were also detailed. We hope that you will consider this review paper and become interested in the etiopathogenesis of KD and its treatment advances.

Key words: Kawasaki disease; multisystem inflammatory syndrome in children; Omics; machine learning; data-driven research

はじめに

本総説では2024年7月11日に第60回日本小児循環器学会学術集会で行われた「データ駆動時代の川崎病研究:オミクス解析から人工知能まで」シンポジウムの内容を抜粋して報告する.COVID-19パンデミックを機に出現した小児多系統炎症性症候群(multisystem inflammatory syndrome in children: MIS-C)は川崎病に類似した血管炎であったが,その病態解明の研究ではデータ駆動型研究が精力的に行われた.50年以上の歴史のある川崎病についても近年は同様の手法で研究がなされている.今回,ご登壇いただいた5名のシンポジストの講演内容を集約した.

1)AIモデルを用いて川崎病疫学から病因を検討する

近年,機械学習(machine learning: ML)の分野は急速に発展しており,OpenAI社がリリースした生成AI(artificial intelligence: AI)であるChatGPT1)は人々の生活に大きな影響を与えた.ChatGPTを既に利用している人は多いと思うが,簡単な文章の作成や画像生成など人間が作成するとかなりの時間を必要とする作業が数分でできてしまうなど,AIが人々の生活に与える影響は大きくなっている.医療分野においてもAIの発展は目覚ましく,様々な領域で応用されている.特に発展を遂げているのが画像診断(X線,CT, MRIなど)の領域であり,解析において人間よりも高い精度を持ち,微細な病変の早期発見に役立っている2)

川崎病の分野でも機械学習の研究は急速に進歩しており,様々な学習モデルが作られている.米国UCSDのグループは川崎病とMIS-Cを弁別する機械学習モデル「KIDMATCH」を作成し,90%以上で正しく診断できる成果を挙げている3).日本では,山梨大の長谷部らにより機械学習を用いた川崎病における大量免疫グロブリン静注療法(intravenous immunoglobulin: IVIG)不応予測をするための新しいスコアの開発が行われている4).この研究では2010年から2020年に収集された1,002例の臨床データから,機械学習を用いてIVIG不応に関連する特徴を特定し,新たに「山梨スコア」を提案した.山梨スコアでは治療開始日,CRP値,総コレステロール値を基にしており,既存のスコアと比較して高い予測精度を示している.このように川崎病の研究でも徐々に機械学習が応用され始めている.

一般的に機械学習では解析を行うためにデータセットを準備する必要がある.学習させる方法としては主に2種類あり,正解を含んだデータセットによる教師学習や正解を含まないデータセットによる教師なし学習がある.教師あり学習ではデータからあらかじめ正解の入力,出力を与えて学習させ,「分類」と「回帰」を行わせることが可能である.代表的な教師あり学習としてはニューラルネットワーク,決定木,ランダムフォレストなどがある.教師なし学習では,正解がない状態で学習をしてくため,データの判定を行うことができない.そのため,近いものを集めるクラスタリング(グルーピング)を行うことができる.代表的な例としてはクラスター分析,主成分分析などがある.

医療分野における機械学習のためのデータセットを作成する際に問題となるのは,どのようにして不正解データを作成するかである.医療研究において正解データは対象としている病気の情報であるため,容易に収集することができる.一方で,不正解データの収集には健康な人,もしくはその病気の症状に似ているが他の病気の人が必要となる.それらの収集は容易ではなく,また不正解データとしてどのようなデータを集めるべきなのかを判断するのも難しい.医療分野における機械学習モデルが最も発展しているのは画像診断の分野である.例えばがん患者に対するX線検査の画像で考えてみると,得られる画像の中には正常と異常所見が混在しており,一度の検査で正解および不正解データを取得することができ,学習データの生成が容易である.一方,血液所見や遺伝子の情報を学習データとして取り扱う場合,得られた診療情報は全て正解データとなる.そのため,川崎病に関するデータだけで機械学習を行う場合,学習データをどのように作成するかが問題となる.

本邦では川崎病全国調査という大規模な疫学データベースが存在し,今までに収集されたデータは40万件を超える5).この調査は疫学データの収集を目的とし1982年から開始された.この疫学データベースには患者の基本情報に加え,発症時の主要症状,治療歴,冠動脈瘤形成の有無などが含まれている.この調査は2024年までで一旦終了したが,2025年1月から新たに川崎病全国疫学調査が開始された.

川崎病が発見されてから50年以上経過するが,原因は特定されていない.様々な感染症が原因として挙げられているが,近年では環境的要因も考えられている6).川崎病の原因は多岐にわたり,解析のためには大規模なデータを用いた多変量解析が必要である.そこで,我々の研究チーム(岐阜高専,自治医科大学,千葉大学,滋賀医科大学など)では,機械学習のための川崎病データベースを作成した.Fig. 1にその概要を示す.このデータベースには川崎病全国調査のデータに加え,国立感染症研究所の感染症発生動向調査週報7),NTTドコモのモバイル空間統計人口マップデータ8),国土交通省気象庁の気象データ9)が含まれている.人口マップデータは各都道府県の主要駅での1時間毎の滞在人口であり,気象データは川崎病全国調査の発症日,居住地域に基づいた気象情報である.本研究はこれらのデータから機械学習による病因の探索をスパースモデリングを用いて行なった.

Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery 41(3): 113-122 (2025)

Fig. 1 機械学習のために作成した川崎病に関するデータベース

スパースモデリング10)はデータ分析や機械学習の手法の一つで,特に高次元データにおいて少数の重要な特徴(変数)を選択し,モデル構築をすることを目的としている.取り扱う変数が少なくなるため,解釈性の向上,計算効率の向上,過学習の防止などが利点として挙げられる.第26回川崎病全国調査のデータを用い,説明変数を患者データと,それに関連する気象データ,目的変数を主要症状とした場合の学習結果をTable 1に示す.発熱においては平均気温,最低気温,1日の気温差が関連している可能性を示しており,口唇の紅潮といちご舌は最低気温と気温差に関連している可能性があることがわかった.また年齢はBCG接種部位の発赤や頚部リンパ節腫脹と関連していたが,これらは年齢依存がある症状であるため11, 12),この学習結果の妥当性はあると考えられる.ただし,今回の解析では限られた川崎病のデータを使用しているため,今後はさらに使用データを拡大し,大規模な機械学習を用いた解析を実施する予定である.

Table 1 スパースモデリングを用いた川崎病における確実型,不全型と気象データとの関係性に関する解析結果
発熱眼球結膜充血口唇の紅潮といちご舌発疹BCG接種部位の発赤手の紅斑と腫脹頚部リンパ節腫脹
平均気温
最低気温
気温差
平均風速
最大風速
年齢
○:オッズ比<=0.1またはオッズ比>=2.△:0.1<オッズ比<=0.5または1.5<=オッズ比<2.

機械学習を用いた川崎病研究の今後の展望としては,川崎病病因の探索や予測モデルを用いた新たな診断法や治療法の開発が考えられる.アメリカで開発されたKIDMATCHのような川崎病診断ツールは今後日本でも望まれている.しかし,いくつかの問題点がある.川崎病全国調査や川崎病全国疫学調査のデータは疫学データしか回収をしていない.しかし,実際には症状の出方など様々なデータが存在しているはずである.そのため川崎病研究の機械学習には,詳細な症状の発現の違いを記録する必要がある.また,発症時の血液検査やDNAデータなどともリンクさせ多変量解析を行う必要があるが,データを収集する共通のプラットフォームが構築されていない.今後の展望としては川崎病全国疫学調査を活用し,症状の画像,血液検査,DNA検査などのデータを収集するプラットフォームを構築していく必要がある.Fig. 2に岐阜高専で開発している川崎病主要症状の画像回収システムのデモプログラムの概要を示す.個人情報の保護の観点から医療画像データの匿名化を行うことが必須となっている.しかし,川崎病の主要症状は顔に現れることが多く,現状では写真データから個人が同定できないように匿名化するのが難しい.そこで患者の顔写真を撮影した際に自動的に目,口の部分のみ画像から取り出し,保存できるiPhone用のアプリの開発を行っている.今後は機械学習のモデル開発だけでなく,データ収集システムの開発も進め,機械学習を用いた川崎病研究に貢献していく.(柴田欣秀)

Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery 41(3): 113-122 (2025)

Fig. 2 現在作成している川崎病主症状収集システムの概要

2)網羅的サイトカイン解析から川崎病,MIS-Cの病態を理解する—病態理解と治療最適化のためのバイオマーカー探索—

川崎病およびMIS-Cは多くのサイトカインが増加する炎症性疾患である.近年,少量の血清を用いて数十種類の因子を鋭敏に測定できる技術が開発され,乳児でも十分な解析が可能になった.本手法は0.1 mL程度の検体で網羅的な測定が可能であり,あらかじめ免疫病態の特徴を想定して測定する因子を選定する必要があった従来のサイトカイン測定とは異なり,網羅的に多数のサイトカインを測定し,その経時的変化から免疫病態を推測することが可能である.本稿では,川崎病・MIS-C患者の経時的血清を用いた検討の経験をもとに,本手法の有用性と解析上の工夫や課題,将来展望について述べる.

筆者らは,2021年に心筋障害を呈したMIS-C患者の残余検体を用いて,71種類のサイトカインを測定し,各サイトカイン値の経時的な変化と臨床像を対比して報告した13).発症早期に高値を来す因子,解熱とともに速やかに低下する因子,心筋障害の経過と共に変動する因子,薬剤投与後に低下する因子等,各サイトカインの経時的変化と臨床像や治療効果を対比することの重要性が明らかになった.また,初期治療で解熱せず,2nd line, 3rd lineの追加治療を要した症例で,どの薬剤でどのようなサイトカインが変動して解熱に至るかを観察した14)

重症度や合併症などの臨床像や治療反応性が異なる多症例の検討により,重症化予測や治療層別化に役立つマーカー探索を目的として研究計画を立案した.欧米と異なりMIS-Cの症例数が限られていたため,多施設共同研究で症例を収集し,MIS-Cと川崎病の網羅的サイトカイン解析を実施した.川崎病と比較してMIS-Cで高値で,重症例でより高値となる3因子を同定した.これらの因子は治療難渋例で低下が乏しく,MIS-Cの病態と深く関係していることが想定された.

このような結果からこの手法は川崎病等多様なサイトカインが上昇する炎症性疾患の病態把握に有用と考えられ,①臨床像が異なる川崎病のsubtypeごとに,上昇するサイトカインの種類や程度は異なるのか,②標準治療抵抗例や③冠動脈後遺症合併例の早期予測は可能か,等の検討は可能であろう(Fig. 3左:解析例1).さらに動態解析により,難治例における各薬剤の効果と最終的に解熱に必要な因子の同定を行う予定である(Fig. 3右:解析例2).これらにより,論理的な治療層別化が可能になると期待している.

Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery 41(3): 113-122 (2025)

Fig. 3 網羅的サイトカイン解析の臨床応用

本手法のLimitationとしては以下の点である.①研究用試薬であり,小児の各年齢における基準値がない:現状は,データ収集を継続しつつ,群間比較や経時的変動から有意な因子の探索を行っている.②迅速性・汎用性がない:網羅的に測定して有用な因子を絞り込み,いずれは保険収載ができるようなマーカーの探索を目的とする.③どの細胞が分泌したかわからない:より詳細な病態解明のためには,フローサイトメトリやシングルセル解析等の解析と組み合わせて理解する必要がある.一方で「ある時点の血清」を用いたバイオマーカー探索においては,本手法は極めて有用と考える.④感冒など軽微なことでも変動する,また検体採取や保存法によっても変動する場合がある:検体採取時の状況や検体保管等について,臨床医と研究・測定担当者間で綿密なコミュニケーションが望ましい.まだ解決すべき点があるものの本法は極めて有用なツールと考えられ,今後,大規模な検討が期待される.また,測定できる因子の増加に伴い,解析におけるAIの活用や,免疫パスウェイ解析なども必要である.川崎病の治療抵抗例や冠動脈後遺症を来す高リスクの症例を早期に予測し,病態に応じた最適な治療の選択を目指して研究を進めている.(酒井愛子)

3)川崎病マウスモデルのシングルセル解析

シングルセル解析とは,1細胞レベルの遺伝子発現解析である.従来は,組織や細胞集団から抽出したRNAをまとめて解析していたが,この手法では多様な細胞の平均値を解析するため,サンプル中の不均一性を見落としてしまう欠点があった.近年のドロップレットとバーコードによる細胞標識技術の進歩によって,シングルセル解析をより簡便に実施できるようになった.シングルセル解析では1個1個の細胞ごとに発現解析をするため,個々の細胞の特徴をふまえて,希少な細胞群の同定や細胞間ネットワーク解析,偽時間軸によるtrajectory解析などを実施することができる.本稿では,川崎病患者の末梢血単核球(peripheral blood mononuclear cells: PBMC)や,川崎病マウスモデルの血管や心臓由来の細胞を用いたシングルセル解析の詳細につき紹介する.

川崎病やMIS-C患者のPBMCを用いてシングルセル解析を実施した論文をTable 2にまとめた15–27).2021年のGengらの論文15)を初報として,新型コロナウイルスのパンデミックに伴うMIS-Cの病態解明や川崎病との比較16, 18, 20–23)を含めて海外から多くの論文が報告されている.このうちChenらは,川崎病において免疫グロブリン療法(IVIG)前のPBMCを用いてシングルセル解析を実施し,その後の冠動脈病変(coronary artery lesion: CAL)の有無でデータを比較した24).川崎病では健康対照群と比較して単球や巨核球が増加し,リンパ球は相対的に減少していた.CALを伴う川崎病では,単球と巨核球がサイトカインストームの主な発生源であり,循環する骨髄細胞がmatrix metalloproteinase(MMP)9, MMP17, MMP25などによる血管損傷や,免疫細胞の動員に関与している可能性が示唆された.

Table 2 川崎病とMIS-Cの患者由来PBMCを用いたシングルセル解析の実施例
論文疾患採血時期症例数
Geng Z et al15)HC2
KDBefore IVIG2
Ramaswamy A et al16)HC6
MIS-CAcute7
Recovery2
Fan X et al17)HC1
KDBefore IVIG1
de Cevins C et al18)HC7
FCAcute1
COVID-19Acute4
KDSubacute3
MIS-CSubacute2
MIS-C + myocarditisSubacute6
Wang Z et al19)HC3
KDBefore IVIG7
After IVIG7
Syrimi E et al20)KDBefore IVIG1
MIS-CAcute2
Recovery1
Hoste L et al21)HC5
MIS-CAcute7
Chen KD et al22)FC2
KDBefore IVIG3
Liu X et al23)HC3
KD without CALAcute5
KD with CALAcute1
Chen Y et al24)HC4
FCAcute3
KD without CALBefore IVIG5
KD with CALBefore IVIG4
Zheng Y et al25)HC3
IVIG-responsive KDAfter IVIG4
IVIG-resistant KDAfter IVIG5
Xu Y et al26)HC3
KDBefore IVIG6
After IVIG6
Lin Q et al27)FCAcute3
KDBefore IVIG3
After IVIG3
CAL, coronary artery legion; COVID-19, coronavirus disease 2019; FC, febrile control; HC, healthy control; IVIG, intravenous immunoglobulin; KD, Kawasaki disease; MIS-C, multisystem inflammatory syndrome in children; PBMC, peripheral blood mononuclear cells.

なお,PBMCは末梢血から密度勾配遠心法によって回収され,リンパ球や単球,樹状細胞などは濃縮されるが,好中球や好酸球は濃縮されない.好中球は急性期の川崎病で著明に増加し,病態に重要な役割を担っている可能性が高いが,PBMCを用いたシングルセル解析では好中球の情報は非常に少なくなっている.川崎病やMIS-Cにおける末梢血好中球の役割を解明するため,9つのコホートにおける103検体のPBMCを用いたシングルセル解析のデータを活用し,わずかに含まれる好中球の情報を集めたメタ解析が実施された28).その結果,川崎病とMIS-Cにおいてcluster of differentiation(CD)177陽性の活性化好中球が増加していたが,健康対照群やウイルス疾患,他の炎症や免疫関連疾患では増加を認めなかった.CD177はplatelet endothelial cell adhesion molecule-1と結合し好中球の遊走に関連しているが,CD177陽性の活性化好中球は川崎病とMIS-Cのいずれも急性期に増加し,治療後の回復期には減少していた.川崎病とMIS-Cにおける好中球のパスウェイ解析では,好中球の脱顆粒,活性酸素の産生,好中球の内皮遊走,neutrophil extracellular traps形成の遺伝子経路と関連しており,好中球活性化に最も関連する調節因子としてSpi-1 proto-oncogeneを同定した.

がん領域などにおいては,PBMCを用いた解析に加えて,手術で摘出した患部組織由来細胞を用いてシングルセル解析を実施することで,局所での詳細な病態解明が進んできている.一方で心臓領域では,心臓移植や心筋生検以外ではヒト組織を得ることはできない.川崎病においても血液以外の患者検体を得ることは困難であるため,血管炎の病態解明を行うにはマウスモデルを用いた解析が必要となる.

Porrittらは,Lactobacillus casei cell wall extractをマウスに腹腔内投与することで冠動脈炎や腹部大動脈瘤を惹起し,腹部大動脈瘤から細胞を抽出してシングルセル解析を実施した29).コントロール群の腹部大動脈では血管平滑筋細胞,線維芽細胞,血管内皮細胞,リンパ管内皮細胞が97.6%を占めており免疫細胞はわずかであったが,マウスモデルの腹部大動脈瘤では自然/獲得免疫細胞が69.3%を占めていた.また腹部大動脈瘤ではコントロール群とは異なる血管平滑筋細胞の集団を認め,線維芽細胞マーカーやmarker of proliferation Ki-67も共発現しており,炎症を反映して表現型の移行が示唆された.Interleukin 1 betaが主に単球,マクロファージ,樹状細胞において発現し,NLR family pyrin domain containing 3/IL-1β/IL-18経路を介して,血管平滑筋細胞や線維芽細胞,血管内皮細胞との細胞間コミュニケーションを認めた.

また我々は,Candida albicans water-soluble fractionを4週齢雄のDBA/2マウスに腹腔内投与することで川崎病マウスモデルを作製し,IVIG前投与の有無で経時的な心臓由来細胞のシングルセル解析を実施した.上記をもとに冠動脈炎における病態解明を行い,得られたデータを活用してAI薬効予測モデルを独自に構築し,新規治療薬の探索を行っている.詳細については続報を参照されたい.

従来は,病態を解明するために仮説を立てて検証する「仮説駆動型」研究が実施されてきたが,近年ではシングルセル解析を初めとした網羅的解析の発展により,膨大なデータを基盤として科学的知見を見出す「データ駆動型」の研究手法が採用されるようになってきた.川崎病の研究においても,こうした最新の技術や解析法を活用することで,病態解明や新規治療薬の開発につながることを期待する.(平井健太)

4)川崎病臨床におけるAIの可能性

機械学習は,AI(人工知能)の一分野であり,大量のデータを解析し,パターンや規則性を学習することで予測や意思決定を支援する技術である30).AIは以前から予測プロセスがブラックボックスであるという問題を抱えていたが,近年この問題を解決するための手法が開発されている.その一手法であるSHAP(shapley additive explanation)は,協力ゲーム理論における「報酬」を貢献度に応じて分配する手法を機械学習に応用した手法である31, 32).結果を慎重に解釈する必要があるが,「報酬」を「予測値」,各自に「分配される報酬の大きさ」を,「予測に影響を与える大きさ」と考え,それぞれの説明変数(項目)および実際の数値が,どの程度予測に影響を与えたかを具体的に算出することができる.

機械学習は近年,診断の支援,結果の予測,画像解釈など,医学の分野でも広く応用されつつあり33–35),川崎病の臨床研究においてもデータ駆動型研究として機械学習を用いた研究が報告されている.代表的な研究は,MIS-Cを含む他の発熱性疾患との鑑別36–38),データ駆動型アプローチによる臨床的サブグループへのクラスタリング,そしてIVIG不応予測を中心とした治療効果の予測である36–42)

私たちは以前に,多数の決定木に基づくアンサンブル学習を用いてIVIG不応を予測した43).多数の決定木に基づくアンサンブル学習は,多数の決定木を組み合わせ,より精度の高い学習モデルを構築する教師あり機械学習の一手法である.並列に行い最終的に多数決で全体の判定を行うバギングという手法(random forest)と,前回の予測結果を踏まえて重みを付けて,学習を行うブースティングという手法(extreme gradient boosting(XGBoost),light gradient boosting machine(Light GBM),category boosting(CatBoost)等がある44–47)Fig. 4).私たちは川崎病症例1,002例を対象とし,トレーニングデータとテストデータに分け,診断時の臨床症候・検査データ30項目から多数の決定木に基づくアンサンブル学習を用いてIVIG不応を予測した.テストデータでのIVIG不応予測は,Light GBM法が最も精度が高く,精度,感度,特異度はそれぞれ0.78, 0.50, 0.88であった.またSHAPを使用して明らかとなったIVIG不応予測に最も影響した上位3項目は,治療開始日,CRP値,総コレステロール値であった(Fig. 5).総コレステロール値は,過去に報告されているIVIG不応予測スコアに含まれていないものの,近年の研究から川崎病の病態生理へ関与することが報告されている.先入観なく関連する項目を見つけることができる点は,機械学習の一つの特徴である.

Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery 41(3): 113-122 (2025)

Fig. 4 多数の決定木に基づくアンサンブル学習のイメージ

Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery 41(3): 113-122 (2025)

Fig. 5 川崎病臨床データのSHAP解析

今回,多数の決定木に基づくアンサンブル学習とSHAPを組み合わせた手法を発展させ,冠動脈病変出現の予測を試みた.山梨における川崎病症例を対象とし,説明変数は診断時の臨床的特徴および検査データ,目的変数は急性期の冠動脈病変出現(1か月以内に小瘤以上を形成した症例)とし,多数の決定木を用いたアンサンブル学習を用いて急性期における冠動脈病変出現を予測した.今後,解析規模の拡張,川崎病発症30日以降や遠隔期における冠動脈病変の予測への応用を検討したい.

機械学習を含むAI研究は,convolutional neural network(畳み込みニューラルネットワーク),recurrent neural network(回帰型ニューラルネットワーク)やtransformerを始めとする深層学習の発展,生成AIの登場等により急速に進歩している.一方でAIは様々な分野で期待されているが,医療分野で広く実用化され,実際に患者の予後改善に至るAIツールは現時点でほとんどないとも言われている48).ビッグデータへの依存,fittingの問題(過学習・学習不足),説明可能性,倫理的問題(プライバシー,データの安全性,バイアスなど)等,多くの課題に関しても留意する必要がある49)

今後さらなる検証が必要であるが,機械学習を含むAI技術は川崎病の病態生理に関連する新たな因子の発見や川崎病の急性期治療の発展に貢献できる可能性があり,今後の川崎病の臨床・研究の一助になることが期待される.(須長佑人)

5)川崎病冠後遺症を合併する成人への移行医療と生涯医療

川崎富作博士による川崎病の報告(1967年)以来,55年余りが経過した.川崎病全国調査から,川崎病既往者数(成人既往者数,そのパーセント)は,1998年139,582例(33,688例,24.1%)から2014年298,103例(136,960例,45.9%)へと,その15年で総既往者数2倍以上,成人既往者数4倍以上に増加し,さらに2018年現在,総既往者39.5万人で,約半数は成人例と推定される.一方,IVIGの導入前から導入初期の心後遺症の合併率が17.2~18.7%と高かった事から,要経過観察と考えられる登録された冠後遺症成人例(退縮例も含む)は,現在15,000名以上存在すると推測される.最近,日本循環器学会の循環器疾患実態調査では,2011~21年の11年間で,川崎病既往者の急性冠症候群の発症数は82件/年,カテーテル治療ないしバイパス手術件数は,69件/年発症に及んでいる.日米の報告では,40歳未満の若年成人の心筋梗塞例における川崎病冠後遺症が関連する割合は,5.0~9.1%と報告される.以上から,川崎病冠後遺症は,内科領域の臨床的課題となっている.しかし,特に成人期の冠後遺症の病態,診療実態は不明であり,後ろ向き研究,少数の冠イベント例のケースシリーズなどの報告が主体である.

一方,JROADは,日本全国の循環器研修(関連)施設の施設毎の診療提供体制と診療規模の悉皆データを提供し,DPC研究は,個々の症例の医療経済的データを提供する.しかし,川崎病のACSないし他の治療入院,移行医療の実態に焦点をあてたJROAD-DPCデータベースを用いた研究は,これまでにない.本研究では,JROAD-DPCと日本循環器学会の研修(関連)施設の施設情報,患者情報を用いて,構造指標等(地域,病院関連等),移行医療関連の過程指標(診療離脱,成人移行の有無),成果指標(死亡率,医療費等)の基礎データを収集し,過程・成果指標の関連因子について報告した.

移行期・成人期に達した冠後遺症を有する川崎病既往者の診療において,切れ目のない移行医療と川崎病未診断例の内科領域での普及啓発が重要と考えた.(三谷義英)

おわりに

COVID-19パンデミックは川崎病の原因究明に大きなインパクトをもたらした.また,人工知能がもたらした科学研究手法の変革も今後の川崎病研究の進歩に大きく寄与するであろう.若い研究者や医師が本総説を手に取り,川崎病の病因病態,治療の進歩に興味をもっていただければこの企画の本望である.

利益相反

すべての著者に申告すべき利益相反はない.

著者役割

柴田欣秀,酒井愛子,平井健太,須長佑人,三谷義英は,論文を執筆した.岡田清吾,濱田洋通は論文に批判的校閲を行い,総括した.

付記

本総説は第60回日本小児循環器学会総会・学術集会(2024年7月11~13日,福岡)における同タイトルのシンポジウムの内容を総説として書き起こしたものである.

引用文献References

1) OpenAIホームページ:https://openai.com/ja-JP/(2025年3月5日閲覧)

2) Rajkomar A, Dean J, Kohane I: Machine learning in medicine. N Engl J Med 2019; 380: 1347–1358

3) Lam JY, Shimizu C, Tremoulet AH, et al: Pediatric Emergency Medicine Kawasaki Disease Research Group; CHARMS Study Group: A machine-learning algorithm for diagnosis of multisystem inflammatory syndrome in children and Kawasaki disease in the USA: A retrospective model development and validation study. Lancet Digit Health 2022; 4: e717–e726

4) Sunaga Y, Watanabe A, Katsumata N, et al: A simple scoring model based on machine learning predicts intravenous immunoglobulin resistance in Kawasaki disease. Clin Rheumatol 2023; 42: 1351–1361

5) Ae R, Makino N, Kosami K, et al: Epidemiology, treatments, and cardiac complications in patients with Kawasaki disease: The nationwide survey in Japan, 2017–2018. J Pediatr 2020; 225: 23–29.e2

6) Nawa N, Nishimura H, Fushimi K, et al: Association between heat exposure and Kawasaki disease: A time-stratified case-crossover study. Environ Res 2024; 263: 120231

7) 国立感染症研究所:感染症発生動向調査週:https://www.niid.go.jp/niid/en/data.html(2025年3月7日閲覧)

8) モバイル空間統計:https://mobaku.jp/(2025年3月7日閲覧)

9) 国土交通省 気象庁:https://www.jma.go.jp/jma/index.html(2025年3月7日閲覧)

10) 廣瀬 慧:スパースモデリングとモデル選択.電子情報通信学会誌,2016; 99(5): 392–399

11) Lin MC, Fu YC, Jan SL, et al: Comparative effectiveness of intravenous immunoglobulin for children with Kawasaki disease: A Nationwide Cohort Study. Pediatr Infect Dis J 2011; 30: 148–152

12) 特定非営利活動法人 日本川崎病研究センター 川崎病全国調査担当グループ.第17回川崎病全国調査 成績.自治医科大学,2003

13) Takasago S, Sakai A, Sugiyama M, et al: Case report: Changes in cytokine kinetics during the course of disease in a Japanese patient with multisystem inflammatory syndrome in children. Front Pediatr 2021; 9: 702318

14) Suzuki T, Suenaga T, Sakai A, et al: Case report: Ciclosporin A for refractory multisystem inflammatory syndrome in children. Front Pediatr 2022; 10: 890755

15) Geng Z, Tao Y, Zheng F, et al: Altered monocyte subsets in Kawasaki disease revealed by single-cell RNA-sequencing. J Inflamm Res 2021; 14: 885–896

16) Ramaswamy A, Brodsky NN, Sumida TS, et al: Immune dysregulation and autoreactivity correlate with disease severity in SARS-CoV-2-associated multisystem inflammatory syndrome in children. Immunity 2021; 54: 1083–1095.e7

17) Fan X, Zhou Y, Guo X, et al: Utilizing single-cell RNA sequencing for analyzing the characteristics of PBMC in patients with Kawasaki disease. BMC Pediatr 2021; 21: 277

18) de Cevins C, Luka M, Smith N, et al: Pediatric-Biocovid Study Group: A monocyte/dendritic cell molecular signature of SARS-CoV-2-related multisystem inflammatory syndrome in children with severe myocarditis. Med (N Y) 2021; 2: 1072–1092.e7

19) Wang Z, Xie L, Ding G, et al: Single-cell RNA sequencing of peripheral blood mononuclear cells from acute Kawasaki disease patients. Nat Commun 2021; 12: 5444

20) Syrimi E, Fennell E, Richter A, et al: The immune landscape of SARS-CoV-2-associated multisystem inflammatory syndrome in children (MIS-C) from acute disease to recovery. iScience 2021; 24: 103215

21) Hoste L, Roels L, Naesens L, et al: MIS-C Clinicians: TIM3+ TRBV11-2 T cells and IFNγ signature in patrolling monocytes and CD16+ NK cells delineate MIS-C. J Exp Med 2022; 219: e20211381

22) Chen KD, Huang YH, Wu WS, et al: Comparable bidirectional neutrophil immune dysregulation between Kawasaki disease and severe COVID-19. Front Immunol 2022; 13: 995886

23) Liu X, Luo T, Fan Z, et al: Single cell RNA-seq resolution revealed CCR1+/SELL+/XAF+ CD14 monocytes mediated vascular endothelial cell injuries in Kawasaki disease and COVID-19. Biochim Biophys Acta Mol Basis Dis 2023; 1869: 166707

24) Chen Y, Yang M, Zhang M, et al: Single-cell transcriptome reveals potential mechanisms for coronary artery lesions in Kawasaki disease. Arterioscler Thromb Vasc Biol 2024; 44: 866–882

25) Zheng Y, Zhou Y, Zhu D, et al: Single-cell mapping of peripheral blood mononuclear cells reveals key transcriptomic changes favoring coronary artery lesion in IVIG-resistant Kawasaki disease. Heliyon 2024; 10: e37857

26) Xu Y, Yuan Y, Mou L, et al: scRNA+TCR-seq reveals the pivotal role of dual receptor T lymphocytes in the pathogenesis of Kawasaki disease and during IVIG treatment. Front Immunol 2024; 15: 1457687

27) Lin Q, Wang Z, Ding G, et al: The mechanism underlying B-cell developmental dysfunction in Kawasaki disease based on single-cell transcriptomic sequencing. Front Immunol 2024; 15: 1438640

28) Beltran JVB, Lin FP, Chang CL, et al: Single-cell meta-analysis of neutrophil activation in Kawasaki disease and multisystem inflammatory syndrome in children reveals potential shared immunological drivers. Circulation 2023; 148: 1778–1796

29) Porritt RA, Zemmour D, Abe M, et al: NLRP3 inflammasome mediates immune-stromal interactions in vasculitis. Circ Res 2021; 129: e183–e200

30) Goecks J, Jalili V, Heiser LM, et al: How machine learning will transform biomedicine. Cell 2020; 181: 92–101

31) Shapley LS: A value for n-person games, In Kuhn HW and Tucker AW (eds): Contributions to the Theory of Games II. Princeton, Princeton University Press, 1953, 28, pp307–317

32) Rodríguez-Pérez R, Bajorath J: Interpretation of machine learning models using shapley values: Application to compound potency and multi-target activity predictions. J Comput Aided Mol Des 2020; 34: 1013–1026

33) Haug CJ, Drazen JM: Artificial intelligence and machine learning in clinical medicine. N Engl J Med 2023; 388: 1201–1208

34) Manlhiot C, van den Eynde J, Kutty S, et al: A primer on the present state and future prospects for machine learning and artificial intelligence applications in cardiology. Can J Cardiol 2022; 38: 169–184

35) Kawakami E, Tabata J, Yanaihara N, et al: Application of artificial intelligence for preoperative diagnostic and prognostic prediction in epithelial ovarian cancer based on blood biomarkers. Clin Cancer Res 2019; 25: 3006–3015

36) Lam JY, Shimizu C, Tremoulet AH, et al: Pediatric Emergency Medicine Kawasaki Disease Research Group; CHARMS Study Group: A machine-learning algorithm for diagnosis of multisystem inflammatory syndrome in children and Kawasaki disease in the USA: A retrospective model development and validation study. Lancet Digit Health 2022; 4: e717–e726

37) Tsai CM, Lin CHR, Kuo HC, et al: Use of machine learning to differentiate children with Kawasaki disease from other febrile children in a pediatric emergency department. JAMA Netw Open 2023; 6: e237489

38) Li C, Liu YC, Zhang DR, et al: A machine learning model for distinguishing Kawasaki disease from sepsis. Sci Rep 2023; 13: 12553

39) Wang H, Shimizu C, Bainto E, et al: Subgroups of children with Kawasaki disease: A data-driven cluster analysis. Lancet Child Adolesc Health 2023; 7: 697–707

40) Takeuchi M, Inuzuka R, Hayashi T, et al: Novel risk assessment tool for immunoglobulin resistance in Kawasaki disease: Application using a random forest classifier. Pediatr Infect Dis J 2017; 36: 821–826

41) Kuniyoshi Y, Tokutake H, Takahashi N, et al: Comparison of machine learning models for prediction of initial intravenous immunoglobulin resistance in children with Kawasaki disease. Front Pediatr 2020; 8: 570834

42) Wang T, Liu G, Lin H: A machine learning approach to predict intravenous immunoglobulin resistance in Kawasaki disease patients: A study based on a Southeast China population. PLoS One 2020; 15: e0237321

43) Sunaga Y, Watanabe A, Katsumata N, et al: A simple scoring model based on machine learning predicts intravenous immunoglobulin resistance in Kawasaki disease. Clin Rheumatol 2023; 42: 1351–1361

44) Breiman L: Random forests. Mach Learn 2001; 45: 5–32

45) Chen T, Guestrin C: Xgboost: A Scalable Tree Boosting System. New York, Association for Computing Machinery, 2006, pp785–794

46) Ke G, Meng Q, Finley T, et al: Light GBM: A highly efficient gradient boosting decision tree. Adv Neural Inf Process Syst 2017; 30: 3146–3154

47) Prokhorenkova L, Gusev G, Vorobev A, et al: CatBoost: Unbiased boosting with categorical features. Adv Neural Inf Process Syst 2018; 31: 6639–6649

48) Armoundas AA, Narayan SM, Arnett DK, et al: American Heart Association Institute for Precision Cardiovascular Medicine; Council on Cardiovascular and Stroke Nursing; Council on Lifelong Congenital Heart Disease and Heart Health in the Young; Council on Cardiovascular Radiology and Intervention; Council on Hypertension; Council on the Kidney in Cardiovascular Disease; and Stroke Council: Use of artificial intelligence in improving outcomes in heart disease: A scientific statement from the American Heart Association. Circulation 2024; 149: e1028–e1050

49) Chinni BK, Manlhiot C: Emerging analytical approaches for personalized medicine using machine learning in pediatric and congenital heart disease. Can J Cardiol 2024; 40: 1880–1896

This page was created on 2025-10-09T14:03:37.97+09:00
This page was last modified on 2025-11-14T16:35:11.000+09:00


このサイトは(株)国際文献社によって運用されています。