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特定非営利活動法人日本小児循環器学会
Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery 40(1): 3-8 (2024)
doi:10.9794/jspccs.40.3

Review

左心低形成症候群(HLHS)の外科治療における術式の変遷

長野県立こども病院 心臓血管外科

発行日:2024年2月29日
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左心低形成症候群(hypoplastic left heart syndrome: HLHS)の治療成績は向上しているが依然としてハイリスク疾患である.

【大動脈再建】広い流路を確保する必要があり,大動脈の狭窄は後負荷増大とそれによる肺血流増加によって術後心不全の要因となる.広い流路のために組織補填を行うことが主流であるが本邦では自己組織を主体とした再建が多い.

【肺動脈再建】肺血流量は適正である必要があり,肺血流過剰は心容量負荷となり血流不足は低酸素血症を生じる.右室–肺動脈導管の利点は血行動態の安定性にあり,心機能低下や三尖弁逆流のある術前状態の不良な症例では特に選択枝であると考えられる.一方で右室切開とそれに伴う心室機能障害,導管狭窄の懸念がある.

【両側肺動脈絞扼】本邦では多くの施設で初回姑息術として行われている.低体重,未熟児,脳出血合併,早期CPB手術の合併症を減らす点で効果があり,新生児期から乳児期に高度な開胸手術を延期することで神経発達を含む長期転帰で利益をもたらすことが期待される.

【体外循環】部分的脳灌流は本邦で広く行われており,超低体温完全循環停止下が主流である欧米でも近年増加している.下半身送血も本邦では広く行われているが,海外では標準的方法とはなっていない.下半身送血により腎障害の軽減とICU滞在時間の短縮が期待される.

Key words: hypoplastic left heart syndrome; Norwood operation; aortic reconstruction; pulmonary reconstruction; bilateral pulmonary banding

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