チアノーゼ性心疾患術後の女性の妊娠
国立循環器病研究センター 産婦人科
長期予後の向上を背景に,先天性心疾患を持つ女性の多くが生殖年齢に達し,妊娠を希望するようになった.そのなかには,チアノーゼ性心疾患に対する修復術後や姑息術後の女性も含まれる.周産期の母体循環動態の変化は大きく,心不全や不整脈などの心血管合併症リスクが増大するが,チアノーゼ性心疾患術後の女性では,その傾向が顕著である.チアノーゼ性心疾患術後の女性においては,原疾患や手術術式,遺残病変や併存症の有無など,その病態が多岐にわたる.妊娠分娩時の母児リスクを軽減するためには,個々の病態に応じたテーラーメードな周産期医療が必要である.さらに,女性を取り巻くライフスタイルの変化から,妊婦の高齢化が進み,産科合併症のリスクにもより多くの配慮が必要である.ハイリスク例においては,プレコンセプションカウンセリングの実施と,専門的チーム医療による周産期管理が必須である.
Key words: cyanotic heart disease; pregnancy; Fontan circulation; heart failure; arrhythmia
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