心房内血流転換術後の蛋白漏出性胃腸症:2例の経験と文献レビュー
1 東京大学医学部附属病院小児科
2 東京大学医学部附属病院心臓外科
蛋白漏出性胃腸症(protein-losing enteropathy: PLE)は,先天性心疾患領域でしばしば経験される合併症だが,Fontan例に典型的であるのに比して,非Fontan例での報告は少ない.今回,修正大血管転位症の心房内血流転換術後遠隔期に発症したPLEの2例に対し,それぞれ手術による下大静脈baffle狭窄解除と,経皮的血管形成術による上大静脈baffle狭窄解除を施行し,PLEの寛解を得た.これまでに心房内血流転換術後のPLEは自験例を含めて12例の報告があり,うち11例(92%)にbaffle狭窄ないし閉塞が認められた.狭窄部位は上大静脈のみが5例,下大静脈のみが2例,その両者が4例であった.狭窄を認めた11例全てで外科手術またはカテーテル治療による狭窄解除が施行され,11例中8例(73%)で有効性が報告された.baffle狭窄は心房内血流転換術後に発生するPLEの主要な原因であり,上下大静脈いずれの狭窄例でもPLEの発症が起こり得る.また外科手術やカテーテル治療による狭窄解除の治療効果は高く,積極的に検討すべきである.
Key words: protein-losing enteropathy; atrial switch operation; congenitally corrected transposition of the great arteries; baffle obstruction
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