川崎病急性期における冠動脈拡張と大動脈弁閉鎖不全,心嚢液貯留,および左室拡張末期径の関係
1 公益財団法人 田附興風会 医学研究所北野病院 小児科
2 京都大学大学院 医学研究科 医学統計生物情報学
背景:川崎病は冠動脈瘤の予防が重要であり,事前に冠動脈拡張リスクの高い患者を把握できれば治療上有用である.我々は川崎病患者に対して特定の心エコー所見を評価しているが,この変化により早期に冠動脈拡張を予測できる可能性があると考え,心エコー所見と冠動脈径Zスコア(Z)と関連性について検討した.
方法:川崎病で当科に入院した169例を対象に,入院期間中の三尖弁閉鎖不全,肺動脈弁閉鎖不全,僧帽弁閉鎖不全,大動脈弁閉鎖不全(AR),心嚢液(PE),左室拡張末期径,左室駆出率とZ≧2.5を満たす冠動脈拡張との関連性を検討した.
結果:AR, PE, LVDdの拡大は,単変量・多変量解析ともにZ≧2.5を満たす冠動脈拡張と有意な関連を示した.そのなかでARは冠動脈拡張以前に出現する割合が最も高く,Z≧2.5の冠動脈拡張に対する陽性適中率30%,感度42%,特異度76%であった.
結論:川崎病においてAR, PE, LVDd拡大は冠動脈拡張を伴う症例に多く,特にARについては発症早期に出現し,冠動脈拡張の予測に有用と考えられた.ARが認められた場合,速やかな治療開始が考慮される.
Key words: Kawasaki disease; coronary aneurysm; aortic regurgitation; pericardial effusion; left ventricular end-diastolic diameter
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