胎児診断の基本と胎児治療:もうひとつの移行期医療
九州大学病院小児科
先天性心疾患の出生前診断が普及するとともに,小児循環器医療はこの20年前で大きく変化してきた.先天性心疾患の胎児診断率やその精度は21世紀に入り明らかに向上し,出生後の予後にも影響を及ぼしている.しかしながら,単独の総肺静脈還流異常症などの診断率は高くなく,これらの診断率を上げていくことが今後の課題となる.また,胎児診断に基づいた出生後の適切な新生児管理や胎児治療も今後の取り組むべき課題であろう.胎児治療のなかでも胎児カテーテル治療は日本ではこれからの分野であり,適応患者を抽出し,安全性を担保しつつ有効性の確認を行っていかなければならない.この総説では,筆者の経験や研究と過去の論文をもとに先天性心疾患の胎児診断と胎児心エコーの基本,そして,胎児カテーテル治療について述べた.皆様の今後の診療に少しでもお役に立てるならば幸いに思う.
Key words: congenital heart disease; prenatal detection; fetal echocardiography; fetal catheter intervention
© 2021 特定非営利活動法人日本小児循環器学会
胎児心エコー検査の普及に伴い,先天性心疾患(congenital heart disease; CHD)診療の中で胎児診断という医療行為が大きな地位を得るようになってきた.新生児における先天性心疾患診療では「胎児診断がついていることが当たり前」という時代になりつつある.胎児診断率が未だに高くない疾患をスクリーニングの段階でどのように抽出するか,出生後の予後予測,胎児治療などが今後の取り組むべき課題と考えるが,このような胎児から新生児への流れは,まさしく「移行期医療」であり,私達小児循環器医が関わっていくべき医療であろうと思う.その基礎には胎児の心臓を隅々まで診るという姿勢と知識と技術があることが前提であり,今回は基本に立ち返って胎児診断を見直してみたい.また,筆者が経験してきた胎児治療についても触れ,日本の胎児心臓病診療の未来を垣間見てみたいと思う.
胎児診断率に関する論文はこれまでに多数報告され,年代や国などによってその数字にばらつきがあるものの,この20~30年で胎児診断率は明らかに向上している.筆者が研修医だった18年前を思い浮かべても矛盾しない.
日本では,2006年にガイドラインが発行され,2010年に胎児心エコー検査が保険収載されることとなった.日本胎児心臓病学会が集計しているレベルII胎児心エコー検査数は2018年には1万件を超えるようになった1)
.2016年には胎児心エコー認証医制度が開始され,今後もその質が担保されることになるであろう.胎児心エコーが一般的になってきていることがわかるが,実は日本からの胎児診断率に関するpopulation-basedな研究は乏しい.日本の医療が海外に比べ集約化されていないことが理由のひとつとも考えるが,胎児診断における現在の日本の状況や問題点を探る上でもこのような研究が今後望まれる.
海外に目を向けてみると,出生前に心疾患を診断しようという初期の試みとして,1981年にAllan LDらは2nd trimesterで妊娠帰結を予定していた症例の胎児心エコーを行い,妊娠帰結後の剖検所見と比較した報告をしている2).21例中18例で胎児エコーの段階で正常心と診断しており,残り3例のうち1例は両房室弁の高さが同じであることから心房中隔一次孔欠損と診断している.また1例は心室中隔欠損を疑ったが正常心であった.この際の胎児心エコー画像をみると,画質は現在のそれと比較すると著しく劣り,画像による形態診断というよりも,少ないエコーの情報から検者の先天性心疾患の深い知識を基に診断に至ったということであろう.1980年代後半から1990年代になると,胎児心エコーが広く行われるようになり,胎児診断率に関する論文も徐々に多くなってくる.筆者がトロント留学時代にご指導頂いたDr. Jaeggiが2001年に報告した研究(研究期間は1994~1996年)では,先天性心疾患全体の胎児診断率は15%であり,左心低形成の胎児診断率は44%と報告されている.心室バランスのとれた房室中隔欠損ではその診断率は13%であった3).また,outflow-tract viewまで用いた1996年のLancet誌の論文のように,80%以上という高い診断率を示す報告もあるが4),同年のCirculation誌には,4-chmaber viewによる診断率は4.5%と報告されている5).この頃はまだ発展途上であったことがうかがえる.いずれの論文でも4-chamber viewだけでの心疾患の抽出には限界があることを述べており,他の断面像の必要性が示唆されている.ちょうど同じ頃,またしても留学時代に大変お世話になったDr. Yooが1997年に3-vessel viewの胎児診断における有用性を報告しており,4-chamber viewに加えて3-vessel viewを確認することを推奨している6).その後,3-vessel viewが着目され始め,2000年代に入ると,outflow-tract viewの有用性が報告されてきている7).2015年に中国から報告されたシステマティックレビューでは,基本viewである4-chamber viewに加え,3-vessel(-trachea)view,さらにはoutflow-tract viewを加えることで診断率が上昇することを示しており,用いるviewを増やすことで診断率が上がることを示唆している8).近年では,画像技術の進歩に伴い,カラードプラや3Dエコーも胎児診断に有用であることが報告されてきている9).蓄積されてきた知識と技術の革新とともに胎児診断の歴史はあると思う.
これらエコー機器や技術の進歩に加え,各国各地域で行われている胎児心エコー検査プログラムの確立や教育プログラムの効果も胎児診断率を上げる重要な要素となっている.2017年のマニトバ大学の論文では,2004年に定めたスクリーニングや診断のための“胎児心エコープロトコル”の効果を示しており,2003年に36%であった胎児診断率は90%近くまで改善していた10).2018年のフィンランドからの報告では,単心室と完全大血管転位について胎児心エコープログラムの有効性を述べている11).単心室は50%⇒82%へ,完全大血管転位は12%⇒41%へ上昇している.完全大血管転位は,4-chamber viewのみでは診断不可能なことが多く,3-vessel viewやoutflow-tract viewの併用を要するため胎児診断の技量を測る一つの指標となる疾患と言ってもよい.統一された胎児心エコープログラムを導入することで,見落としが少なくなり,画一化することで検者間の差をなくすことにも有用である.
また,カナダのオンタリオ州では1996年から教育プログラムを事業として開始し,4日間の集中コースなどの内容で,産科医や放射線科医が多くの症例経験を積めるようにセミナーを行っている.日本においても,各地域で遠隔を含めたセミナーが企画されている.九州山口地区では,2018年から「九州山口胎児心臓研究会」が立ち上がり,半年から1年に1回の頻度でセミナーを行っている.産科医,エコー技師,小児循環器医など多くの胎児医療関係者に参加していただきレベルアップのきっかけとなれば幸いであり,このような地道な努力の積み重ねがよい医療に繋がるのだと信じている.精密検査として私達小児循環器医が関わる胎児心エコーのチェックポイントを表にまとめているので参考にしていただきたい(Table 1).
Abdominal view |
the location of aorta/IVC/stomach/liver/ductus venosus/azygous vein, IVC-RA connection |
4-chamber view |
cardiac axis, cardiac position, cardio-thoracic area ratio, function, heart rate, 4 chamber balance, ventricular morphology (right or left ventricle), atrio-ventricular connection, pulmonary venous return, foramen ovale (size and flow direction), the presence of valve regurgitation, ventricular septal defect or effusion |
3-vessel view |
the location and size of PA/Ao/SVC, the presence of a fourth vessel (LSVC), ventricular-great vessel connection |
3-vessel-trachea view |
the location of trachea and arch, size and flow direction of aortic arch and isthmus, size and flow direction of ductus arteriosus, the presence of vascular ring |
Outflow-tract view |
the presence of the stenosis of outflow tract and valve, ventricular-great vessel connection, the presence of overridng of aorta |
Sagittal view |
the location of aortic (neck vessels) and ductal arch, the presence of coarctation of aorta |
Size measurement |
each valve, length and width of ventricles, aorta (ascending, arch and isthmus), PA (main, left and right), ductus arteriosus |
Flow measurement |
pulmonary vein, IVC, ductus venosus, PA, aorta, ductus arteriosus, ventricular inflow |
Ao, aorta; IVC, inferior vena cava; LSVC, left superior vena cava; PA, pulmonary artery; RA, right atrium; SVC, superior vena cava. |
胎児診断率が向上してきたことは前述のとおりであるが,論文や報告によって診断率は様々である.では何が胎児診断率に影響を与えているのか,何が胎児診断を妨げているのかということについて述べていきたい.
まず,CHDの種類について言及しなければならない.ここでは重症度の判断ではなく,スクリーニング/診断について述べる.2020年の多施設共同研究では,左心低形成症候群や単心室の診断率は60~70%程度であるのに対し,完全大血管転位は50%に満たない数字であり,単独の総肺静脈還流異常は20%程度である12).無論これらの数値は各施設や報告で異なるわけだが,胎児診断率の高い順に疾患を並べると,どの報告もほぼ同じになる.4-chamber viewでの異常,特に心室の大きさや数に異常を来す疾患は診断率が高いと言える.純型肺動脈閉鎖は比較的高い診断率を示しているが,右心室の容量によってはスクリーニングでの抽出率に影響が出るであろう.一方で,完全大血管転位やファロー四徴症は4-chamber viewで異常を呈することが少なく,3-vessel viewやoutflow-tract viewまで確認しなければ診断に至ることは難しい.つまり,4-chamber viewがきれいに描出できたから大丈夫というのが落とし穴となりうる.大動脈縮窄をどの程度胎児診断できるのかは,小児循環器医としては興味のあるところであるが,大動脈縮窄単独では,前述の多施設協同研究でも3割程度の診断率であり,いくつかのパラメーターを組み合わせなければ診断に至れないCHDの一つと言える.Fig. 1に3疾患の4-chamber viewを載せたが,このviewのみでどれだけ診断に迫れるだろうか.
A: Tetralogy of Fallot. B: Transposition of the great arteries. C: Coarctation of the aorta. LA, left atrium; LV, left ventricle; RA, right atrium; RV, right ventricle.
一般的に,妊娠10週未満はまだ胎児心臓そのものが発達段階であり,10週台では胎児の位置や胎児心臓のサイズなどの影響で制限を受ける.逆に妊娠の終わりに近づくと椎体や肋骨の成熟が進むためエコービームが入りにくくなり,観察が困難となる場合がある.筆者自身の感覚としては25~30週程度が最も観察がしやすく,妊娠20週前後でのスクリーニングに加え,妊娠30週前後での再スクリーニングが推奨されている.近年の技術の進歩に伴い,妊娠10週半ばでも良好な4 chamberや大血管の観察ができるとの報告も出てきており13),今よりももっと早い週数での診断が当たり前になってくるのかもしれない.
では,その他のfactorとして地域差はどのような影響を及ぼすのだろうか.筆者が行ったカナダ・オンタリオ州での完全大血管転位の胎児診断に関する研究では,胎児診断率は50%程度であった14).この研究の特徴の一つとしてオンタリオ州の監察院から剖検のデータを収集したことがあげられる.つまり,出生前診断がなく出生後まもなく死亡し,剖検で完全大血管転位の診断に至った症例を含んでいる.これにより,さらに正確なpopulation-based studyが可能であった.50%の胎児診断を地域別に見てみると,オンタリオ州北部では1/7例(14%),中心部では21/29例(72%)であり,この2地域間では診断率に有意差がみられた.英文誌でよくみるruralとurbanの間に診断率の差が出たという結果となった.オンタリオ州は九州と同程度の人口だが,面積は九州の25倍程度とかなり広大な範囲となり,北部は中心都市からは明らかに遠い地域になる.同様に,2018年のフィンランドからの報告でも11),完全大血管転位の胎児診断率には地域差がみられる.この理由についてはこれらの研究では明らかにされていない.欧米,特に米国の論文をみると,都市部–地方間の医療的ケアの差が報告されているが,これは人種や教育レベルなどが影響していると言われている15).やはりこのような差が胎児診断率に影響を及ぼしているのだろうか.そこで,胎児診断に影響を与える因子に関する論文をみると,必ずしも母体の居住地が診断率と関連しているわけではなく16),2020年の米国からのnationwide surveyでは,胎児診断に関する知識やエコー検査の回数が多変量解析で診断率に関連する因子として残ってくる17).ただし,専門性の高いクリニックや病院でのスクリーニングはやはり診断のオッズ比は高く,そういう意味では地域差が出てくる可能性はある.筆者が行った研究からもう一つ言えることは,全体としてのレベルアップをすることで,都市部で得られた高い診断率に到達できる可能性があることではないだろうか.日本においてもこのような研究の遂行が望まれる.
CHDの80%はリスク因子のない妊娠に発生する.つまり,多くの場合,胎児心臓以外の所見から胎児心臓異常を予測することは難しいということになるが,逆に母体に特定の所見や病歴がある場合は,より注意をして胎児心臓を診る必要がある.
CHDの再発率に関する研究は多くはないが,一親等や同胞にCHD患者が存在すると,胎児のCHD罹患率が上昇することが知られている.2009年のCirculationの研究では,一親等の場合では相対危険度は3以上になると報告している18).
母体の糖尿病は胎児CHD,特にHeterotaxyとの関連が言われている19).九州大学のHachisugaらは,マウスの実験で母体高血糖がNodalやPitx2などの左右軸に関わる遺伝子の発現を抑制していることを示し,母体高血糖が胎児の左右決定と何らかの関連があることを明らかにした20).また,胎児心筋肥厚を起こすことが知られており,胎児心エコーでの精査を要する.母体SSA抗体陽性の場合,胎児完全房室ブロックが起こる率は1~5%であり21),前児が完全房室ブロックであれば次児の罹患率は15%までに上昇する.母体が特定の薬剤を摂取した場合,胎児に先天異常を引き起こす可能性がある.関連性の高い薬剤として,ACE阻害薬,SSRIが挙げられる22).NSAIDは催奇形性ではないが,特に妊娠後期では50%程度に胎児動脈管収縮を誘発する可能性があることが知られており,高度の右心不全を合併することがあり注意を要する.一方で,トロント小児病院のTorigoeらは,胎児エプスタイン病のcircular shuntに対してインドメタシンを投与し,動脈管収縮させ血行動態を改善させることを症例報告として報告している23).母体のウイルス感染は,胎児水腫や胎児心筋炎など,稀ではあるが重篤な疾患を引き起こす可能性がある.胎児の消化管や腎,四肢などに奇形を有する場合では,なんらかの症候群である可能性があり,心臓についても充分に精査する必要がある.
胎児診断を行う意義は多くあるが,筆者は次の三つを挙げたい.出生前カウンセリング,新生児医療への適切な移行・層別化,予後の改善である.
出生前に家族へ胎児の病状について説明できることは大きな利点と言える.診断を受容し出生後準備をするまでに時間的な猶予ができるからである.カウンセリングをするにあたってはご家族の理解度や心情に配慮して行うのが望ましい.特に,初診の際は複雑な用語や心臓の形態の説明は,ご家族にとって大きなストレスとなりうる.よって,複数回にわけてお話するのもひとつの手段であろう24).筆者としては,重症であればあるほど,父母だけではなく,出生後の協力者となってくれる祖父母に対してもカウンセリングをするのが望ましいと思っている.完璧な診断が望ましいが,全ての症例で必ずしも100%の診断ができるとは限らない.週数,胎児の向き,母体の体格によっては精度が変わってくるだろう.(例えば,右肺静脈の還流は診断できたが左は不確実である,房室弁の形態の全貌がはっきりしない,など)その時点で診断できている部分とまだ診断できていない部分をはっきりと伝えるべきである.また,妊娠中に病態が変化し悪化する可能性があることも伝えなくてはならない.出生後の治療や予後予測をすることは簡単なことではないが,短期的だけでなく長期的なことも可能なかぎり説明することが望ましい.また,その心疾患もしくは心外奇形から類推される全身疾患(症候群)についても,説明することが望ましいが,このことについては,やや踏み込んだ話となるので初回でなくてもよいと考える.
出生後に新生児医療へ迅速に入っていくことも胎児診断の目的の一つであろう.前述した筆者の完全大血管転位の研究では,出生後のPGE1開始,またはBAS(balloon atrial septostomy)施行までの時間が有意に胎児診断群で早いという結果であった14).胎児診断された母体は,住所が遠方の場合,分娩日近くになると三次病院近辺に滞在していただく方針をカナダではとっていた.日本の場合は,初期対応が可能な二次病院が各地にあるため,必ずしも当てはまるわけではないが,このような出生後の地理的,時間的猶予を与えることができるのも胎児診断の利点といえるだろう.また,少し話はそれるが,搬送に伴うコスト削減という側面もあるようだ.カナダから2011年に報告された研究では,一人当たりにかかる平均搬送費は胎児診断例では389USドル,出生後診断例では5,143USドルであり,胎児診断率を上げるための医師や検査技師への教育費を考慮すると,胎児診断率を上げることでさらにコストの削減が可能であると報告している25).
胎児を層別化し医療資源を最適化することも一つの目的と言える.例えば,トロント小児病院における左室低形成の症例において,low risk(PGE1投与や手術などは不要)は産科病院(病棟),moderate risk(PGE1投与は不要だが,手術の可能性がある)は循環器専門一般病棟,high risk(PGE1投与かつ手術を要する)は循環器専門ICUへ出生後に入院させることとしている.出生後の経過次第では途中で病棟を変更する場合もありうる.米国のDonofrioらも,重症度を4つにわけて出生後の管理プランを検討することを勧めている26).疾患別だけではなく,特に左心低形成症候群や完全大血管転位において,卵円孔の狭小化の程度によってもgrade分けを行っている.集約化の流れの中で,日本においてもこのようなgradingを用いて層別化することが必要であると考える.
胎児診断の意義として関心の高いトピックが「胎児診断をすることで予後が良くなるのか」ということであろう.心室中隔欠損などの軽症疾患群は胎児診断の有無が直接は予後に関係しないと考えられるが,重症疾患では出生後すぐの治療介入が必要な症例も多く,胎児診断をもとにあらかじめ治療方針を決めておくことで,スムーズに新生児医療を行うことができ,それが予後を左右する可能性がある.また,ductal shockのような致死的イベントを予防することも可能になるのではないだろうか.
完全大血管転位症は,出生後に2カ所のシャントを確保するためPGE1投与やBASが必要となり,卵円孔の狭小化の程度によっては緊急での処置が必要となる.筆者が行った胎児診断群と出生後診断群の比較では,出生後診断群の中に,出生後早期に死亡し剖検で診断された症例が含まれていた14).大血管転位症はPHなどが原因で出生後すぐに状態が悪化する症例があり,胎児診断がされていない場合,このような症例は病院に3次病院に辿り着く前に亡くなっている可能性がある.胎児診断を行うことで,同様の症例を抽出し,出生後すぐに介入ができれば生存へ繋がるかもしれない.2015年のオランダのVelzenらの報告でも同様に胎児診断群で有意にmortalityが低い結果を示しており,この研究では術前の状態(心機能や酸素飽和度)にも差がみられていた27).完全大血管転位において,胎児診断は予後という意味でも重要な役割を示すと言える.
最重症疾患のひとつである左心低形成症候群は,胎児診断率も高い疾患であり,Tworetzkyらは2001年のCirclulation誌に,胎児診断によって左心低形成症候群の術前のmortalityと状態(アシドーシスや心機能低下など)が改善する可能性があることを初めて報告し,胎児診断の重要性を示した論文であった28).2015年のVershaらによるメタアナリシスでは,術前のmortalityにおいて胎児診断と出生後診断で有意差を示すことはできなかったが,これは胎児診断群に重症例が多く含まれるという選択バイアスが生じている可能性がある29).また,同年のHollandらの左心低形成を含むいわゆる重症CHDに関するメタアナリシスでは,standardリスクに限定して比較すると胎児診断はpreoperative mortalityを改善させうると報告している30).胎児診断の有無と予後との関連が全てのCHDで示されたわけではないが,より高度で良質な医療を提供するために胎児診断の向上は必須と考える.
CHDの胎児診断には大きく二つの過程がある.産科クリニックなどで異常をピックアップする一次スクリーニングと,先天性心疾患の専門的知識を要する医師が行う精密検査(二次スクリーニング)である.胎児心臓に関する異常の検索から始まり,どんな疾患なのかを判断するまでが胎児診断であり,胎児診断率とその精度を上げるためには産科医,小児循環器医,エコー技師それぞれのレベルアップが必要である.補足だが,2013年のISUOGのガイドラインでは,スクリーニングにおいて4-chamber viewとoutflow-tract viewが必須であるものの,3-vessel(-trachea)viewは推奨との位置づけであった.これについては色々な意見があり今後の議論が必要であろう.
さて,ここでは胎児心エコーをする上での基本事項を整理していきたいと思う.大まかな流れとして,まず胎児の位置を確認し,エコー画面の右側に児頭があり,かつ椎体全体がなるべくみえる画像を描出し,胸部(心臓の拍動がみえる位置)を画面中央に配置する.そこからプローベを90度反時計回しすると,胸骨を0時,椎体を6時方向として,3時方向が右側,9時方向が左側となる.これによって左右を決定していくことになり,検査を始める上で最重要ポイントといえる.その際,自ずと4-chamber viewが描出され,これが基本である.上記のように各ガイドラインでの推奨viewはあるが,この4-chamber viewを基本として腹部から胸上部まで一連の流れとしてエコーでまさにscanすることが大切である.これは,新生児におけるCHDの心エコー診断で私達小児循環器医が基本として行っていることと同じである.
腹部の横断面で確認すべきは腹部大動脈と下大静脈の位置と腹部臓器である(Fig. 2A).正常では,椎体の右側に下大静脈,左側に大動脈となる.ただし,実際には大動脈は椎体の真横ではなく斜め前と言った方が正確かもしれない.このviewはsitusの診断根拠となるため必ず確認しなければならない.左側相同では8割程度に下大静脈欠損を合併するが,その場合,奇静脈もしくは半奇静脈が上大静脈へ結合する.右側相同では,9割で腹部大動脈と下大静脈が(椎体から見て)同側に位置する.腹部臓器に関しては,胃と肝臓の位置確認が主となる.ちなみに,右側相同や左側相同の診断は,厳密には気管支分岐・心耳形態・腹部臓器の位置を全て確認する必要があるため,胎児心エコーだけでは正確な判断が困難な例も多く,胎児MRIなどの他のmodalityが必要になる.
A: abdominal view. Note the location of IVC on the right side and Ao on the left side. The dotted line shows the central line of the abdomen. B: 4-chamber view. In a perfect transverse plane, a complete fetal rib is imaged. C: 3-vessel view. PA, Ao, and SVC are in a straight line. D: 3-vessel-trachea view. The isthmus and ductus are measured. Ao, aorta; DA, ductus arteriosus; IVC, inferior vena cava; LA, left atrium; LV, left ventricle; PA, pulmonary artery; RA, right atrium; RV, right ventricle; SVC, superior vena cava.
4-chamber viewは胎児心エコーの基本中の基本であり,最重要ポイントである(Fig. 2B).正常心を検査する際に,常に適切な4-chamber viewを描出するよう心掛けることで,異常な4-chamber viewに気づきやすくなる.
胎児心臓の4-chmaber viewは胎児肋骨の走行と平行になっていることが多く,画面上胎児肋骨のシャドウが縦に並んだviewでプローベを90度反時計に回すとすぐにきれいな4-chamber viewが描出できることが少なくない.肋骨がとぎれとぎれに見えているviewは斜めにエコービームが進入している可能性が高い.
このviewで確認するのは,心臓の位置,向き,心房心室のサイズとバランスである.心臓の向き(心軸:正常は45±20度)は正中線(椎体と胸骨を結ぶ線)と房室中隔の延長線がなす角度で表されるが,CHD診断の重要な足掛かりとなり,conotruncal anomalyでは心軸がより左向きになることが知られている31)
.検者が胎児の左右を充分に認識していなければ,右胸心であることを見落とす可能性があるので注意したい.
心房心室のバランス異常は直感的に認識しやすい部分であり,単心室や左心低形成症候群はこのviewが診断の契機になる.可能であれば心室の大きさを計測することが望ましい.拡張末期の弁輪径,心室横径,心室縦径を計測する.測定方法などについてはSchneiderの論文を参考にしていただきたい32).また,右室と左室を区別することも重要である.単心室の場合,主心室が左右どちらかであるのかは判断が難しいこともしばしばである.専門家としてこだわりたい部分ではあるが,短い時間の検査の中ではのちほど検討してもよいことであろう.最後に,心収縮と心拍数にも注意を払いたい.心拍数についてはM-modeを用いることで容易に測定可能である.
もうひとつこのviewで確認しなければならないのは肺静脈還流である.単独の総肺静脈還流異常では診断率が低い疾患であることは前述のとおりであるが,ここでポイントを押さえておきたい.そこで注意すべきなのは,下行大動脈と左房の間にエコーフリースペースがないか,左房と判断したchamber内に隔壁はないかということである.つまりcommon chamberの存在を疑ってかかるべきである.また,総肺静脈還流異常3型の場合は,肝臓へ向かう垂直静脈が存在するため,腹部断面で過剰な血管腔がみられることになる.妊娠期間を通して肺血流は増加していくため,妊娠前半で肺静脈還流をはっきり診断できなかった場合は,間をあけて再度検査するのが望ましい.
4-chamber viewの位置からプローベを胎児頭側に平行移動させると3-vessel viewが描出される(Fig. 2C).正常心では,左側から肺動脈–大動脈–上大静脈の順に並び,血管径もこの順序に小さくなる.4-chamber viewが描出できていれば,3-vessel viewは比較的簡単に描出できる.
3-vessel viewにおける3血管の並びは非常に重要な情報で,ファロー四徴症(Fig. 3A)では,大動脈が肺動脈–上大静脈を結んだ線よりもやや前方へ位置し,肺動脈は大動脈よりも径が細い.完全大血管転位(Fig. 3B)では,大動脈が肺動脈よりも前方に位置する.総動脈幹症,極型ファロー四徴症,左心低形成では,このviewで2本の血管しか描出できない.以上のことから3-vessel viewだけでも得られる情報が多いことがわかる.3-vessel-trachea viewは,スクリーニングや診断において有用であることが言われており33),4-chamber viewに組み合わせることで診断率が上がる.このviewでは気管と大動脈弓の位置関係を判断できる.大動脈弓が気管の右側を走行すれば右側大動脈弓である.また,大動脈弓径や動脈管径の計測も可能である.大動脈弓離断では,3-vesselから3-vessel-trachea viewに移動する際に,大動脈弓が追えなくなる.大動脈縮窄症の診断にも重要で,動脈管と合流する部位がisthmusであり,その部位での動脈管径との比較が重要である34).さらに,血管輪は3-vessel-trachea viewの最も得意とするところで,右側大動脈弓のU shapeや重複大動脈弓の9 configurationは診断の一助となる35, 36)
.
A: Tetralogy of Fallot. B: Transposition of the great arteries. Note that PA, Ao, and SVC are not in a straight line. Ao, aorta; PA, pulmonary artery; SVC, superior vena cava.
Abdominal view, 4-chamber view, 3-vessel(-trachea)viewをじっくり診ていき,カラードプラを加えることでほとんどの疾患は診断に近づけると思われるが,上述したように,あくまでも胎児心臓全体をスキャンすることが大切であり,それぞれを単独で判断していくだけにとどまることは避けたい.つまり,それぞれのviewの繋がりを重要視しなくてはならない.これはsegmental approachであり,特に4-chamber viewから3-veesel viewへの移行では心室–大血管関係を診断するのに非常に大切である.左室から大動脈,右室から肺動脈といった基本中の基本をひとつずつ確認していく作業が肝心と言える.
カラードプラは2013年のISUOGのガイドラインでもスクリーニングにおいて必須ではないとされているが,診断においてはとても有用であり,カラードプラを独立して使用するというよりも2DEと常に併用していくべきである.カラードプラを使用する際は,画面中の一番みたいところにできるだけエリアを狭め,フレームレートを少なくとも20~25/秒以上に保つ.大動脈などの流れのはやい部位では少なくとも30 cm/s以上,静脈系の流速が遅いところは(10~)20 cm/s程度に流速レンジを合わせ,場合に応じて,そのレンジを変更していく.特に肺静脈はカラーのエリアとレンジをうまく調整することが重要である.エコー機器によってカラードプラの性質や性能が異なるため,自分にとって判断しやすく慣れているものを使用するのがよいが,判断しにくいときに他のエコー機器を試してみるのも方法の一つである.
胎児治療として,胎児不整脈に対する母体への抗不整脈投与はよく知られた治療であるが,今回は胎児CHD,なかでも重症大動脈弁狭窄症(Critical aortic stenosis; Critical AS)に対する胎児治療に関して述べたいと思う.Critical ASは胎児期に左心低形成症候群に移行する可能性が言われている.左心低形成症候群は以前よりも治療成績が改善されているとはいえ,欧米では心臓移植を検討する疾患であり,その重症度はやはり高いと言える.そういった背景の中で,胎児期に左心低形成に移行する前に,治療を施すことが考えられた.
まずは,スクリーニングと診断について述べていきたい.Critical ASは二尖弁などの形態異常が原因であることが多く,弁上部や弁下部狭窄は稀と言える.小児や成人ではエコーによる狭窄部位での流速やそこから推定される圧較差をもとに重症度を分類しているが,Critical ASは胎児期に左心機能低下が進行する特徴があり,流速だけで重症度を判断することは避けたい.さらに,上行大動脈の血流(厳密には冠動脈血流)が逆行性に賄われている場合は左心低形成症候群(hypoplastic left heart syndrome; HLHS)となる.
弁狭窄によって左室圧上昇が起こり,心筋肥厚によって内腔が狭小化する場合と,僧帽弁逆流を伴って左室内腔が拡大する場合がある.前者ではHLHSへ移行する可能性がある.これらは一連のスペクトラムと考えてもよいかもしれない.
Critical ASをピックアップするために以下のことに留意する.
軽症の場合,4-chamber viewでは明らかな心室のバランス異常がなく,カラードプラを用いて初めて大動脈弁位での乱流に気づくことになるかもしれない.2DEでのスクリーニングに言及すると,mild ASでも大動脈弁の肥厚や開放制限が描出できる可能性があり,上行大動脈の狭窄後拡張を呈している症例もある.
弁尖の形態を観察する上で,大動脈弁の短軸像が必要となる.前後左右が確認できれば,水平に開閉すれば右冠尖と左冠尖,垂直方向であれば右冠尖と無冠尖の癒合と考えられる.
また,ASは妊娠経過とともに進行する可能性があり,18–22週のスクリーニングで問題なくとも2回目のスクリーニングの際に所見が顕在化することも考慮しておかなければならない.
重症度評価としては以下に留意したい.胎児治療も念頭に置きながら重症度を判定する必要がある.
大動脈弁位での流速について妊娠初期から中期にかけて100~150 cm/sを越えるような症例ではASを考慮する.また,例えば200 cm/sを越えていた流速が経過とともに低下してくる場合は心機能低下を示唆している可能性がある.
Critical ASに対する胎児治療はMaxwellらが1991年に初めて報告し37),2000年代に入り,自然歴や治療効果などがわかり始めてきた.現在,日本では臨床試験の段階であるが,世界的には認定された施設で広まってきており,今後の更なる進歩が期待される.
左心低形成への進展を防ぐ,つまり出生後に二心室循環を維持できるようにすることを目的しているため,治療適応の考え方として,既に左心低形成である症例は除外される.大動脈弁狭窄を伴い,それによって左心低形成症候群の傾向(一相性僧帽弁流入波形,卵円孔での左右シャント,大動脈弓での逆行性血流など)にあるが,その時点で治療を行えば,左心室が体循環を賄えるようになる症例が対象となる.McElhinneyらは2009年に適応基準として,左室サイズz-score>−2で,左室圧が保たれているものであることを提唱した38).2015年にはFriedmanらが,上行大動脈などの項目を追加し,左室圧>47 mmHg,上行大動脈z-score>0.57の症例では高い頻度で二心室循環を確立できると報告した39).
実際の治療の様子について筆者のトロントでの経験を元にお伝えしたいと思う.産科の処置室で行い,産科医,胎児心臓専門医,カテーテル治療医,看護師がスタッフとして携わりそれぞれに役割がある.母体は心電図などのモニタリングされた状態で,酸素投与のみが行われている.全身麻酔ではなく,必要であれば鎮静剤投与を行う.配偶者も傍にいる.胎児の位置が極めて重要で,胎児心尖部–左室流出路–大動脈弁が一直性に並ぶviewが描出されなくてはならない.胎児の位置次第ではその日の手技を断念する場合もある.位置が決まれば,胎児に麻薬や筋弛緩薬を投与し胎動を消失させる.母体腹壁穿刺部位に局所麻酔を行い,胎児エコーをみながら,18Gニードルを穿刺し,胎児心尖部を経て,ニードル先端を左室流出路に位置させる.ニードル内に0.014インチのガイドワイヤーを進め,大動脈弁を通過させ下行大動脈へ先端を位置させる.ガイドワイヤーに沿ってバルーンカテを進め,バルーンを大動脈弁の位置まで進める.使用するバルーンサイズは大動脈弁輪径と同じか大きくても1.2倍程度までと報告されている.バルーンをinflateし,数回行ったあと,順行性流血の増大を確認できたら,ニードルごとカテーテルを抜去する.一連の手技自体に要する時間は30分程度であった.穿刺は産科医が行い,バルーン治療はカテーテル治療医が行い,胎児心臓専門医がエコーを行っていた.
バルーン治療の成功,つまり,順行性のflowが充分に得られるかどうかについて,2020年の北米の多施設研究では,手技の成功率は83.3%としている.一方で,48%で何らかの胎児合併症も起こり,侵襲性としてはやはり高いと考えられる40).同論文では,108例のバルーンを行った胎児のうち81例が出生し,34例(31.5%)で二心室循環を確立することができたと報告している.Moon-Gradyらは同様の報告で,40%が二心室循環を得たと報告しており41),安全性と有効性について今後も突き詰めていかなくてはならない.
日本の年間出生数は周知のとおり減少傾向にあり,2019年は90万人を下回る調査結果となった.先天性心疾患は約1%に合併すると言われ,単純に計算すると年間9千人の患児が生まれることになる.重症度は様々で治療不要の場合もあるが,出生後に治療を継続しなければならない例も多く,このような子供たちにどんな医療を提供できるかが私達小児循環器医の仕事であろうと思う.胎児診断を行い,診断に基づく重症度を判定し出生後の経過予測を行う.そして出生後の新生児診療に繋げていく.小児から成人期への移行期医療が注目を集め久しいが,胎児診療はもう一つの移行期医療として私達小児科医,小児循環器医が携わらなければならない医療と考える(Fig. 4).母体CHDでは胎児のCHD罹患率も一般集団よりも上がることから,出生前のカウンセリングを含めた医療が今後さらに重要度を増してくるだろう.一人でも多くの子供たちを救命し,その家族に寄り添うために私たちはこれからも精進していかなくてはならない.
胎児医療に関わる全ての医療者の方々に感謝の気持ちをあらためて申し上げ,胎児心臓病学の今後の益々の発展を祈念したいと思う.
本論文に関して,開示すべき利益相反関連事項はない.
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