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特定非営利活動法人日本小児循環器学会
Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery 37(3): 193-202 (2021)
doi:10.9794/jspccs.37.193

Review

先天性心疾患における網羅的遺伝学的解析の歴史と展望

1名古屋大学大学院医学系研究科小児科学

2中東遠総合医療センター小児科

発行日:2021年11月1日
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先天性心疾患(CHD; Congenital Heart Disease)は,多因子遺伝により発症し,そのメカニズムには遺伝子要因と環境要因が複雑に関与している.稀少なメンデル遺伝形式をとるCHD家系や先天異常症候群に伴うCHD症例において,疾患原因遺伝子が多数報告されている.一方で,いまだ判明していない原因遺伝子が多数存在すると推定される.特にCHD孤発例における遺伝学的背景は,ほとんど解明されていない.次世代シークエンシングやマイクロアレイ法など,塩基配列やコピー数を網羅的に解析する手法が普及したことにより,CHDにおける遺伝学的研究は近年加速している.家系内発症例や先天異常症候群に対する網羅的遺伝学的解析によって,新規疾患原因遺伝子が報告されるようになった.また,大規模コホートに対する網羅的遺伝学的解析は,CHD孤発例の発症に関わる遺伝子の探索や,エピジェネティック制御機構の解析を可能とし,この分野における新たな研究の地平を開拓した.本稿では,CHDに対する網羅的遺伝学的解析の歴史と展望について概説する.

Key words: congenital heart disease; genetics; next generation sequencing; whole exome sequencing; copy number variant

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