ダイレクトリプログラミングによる心血管発生と再生医学への新しい展開
1 筑波大学医学医療系トランスボーダー医学研究センター再生医学分野
2 筑波大学医学医療系循環器内科
心筋細胞は再生能を持たず,心臓が障害を受け心筋細胞が壊死した場合,損傷部位は線維芽細胞によって占有されるため,致死的な不整脈の発生起源や心筋収縮能の低下を引き起こす.薬物療法やペースメーカーなどの治療法が適応とならない重症心不全では心臓移植や人工心臓が根本治療となり得るが,ドナー不足や合併症などの課題が残る.現在は,iPS細胞から誘導した心筋細胞による再生医療が期待され精力的に研究が進められているが,未だ腫瘍形成の可能性などの問題を抱えている.2010年に我々が開発したダイレクトリプログラミングによる心筋細胞誘導法はiPS細胞が抱える課題を解決できる可能性があり,我々の発表以降,多くの研究者によって新たな心臓リプログラミング因子や機構があることが報告されている.本レビューでは,ダイレクトリプログラミングによる心臓再生・形成における最新の知見をまとめ,また我々が開発したより安全なベクターによる生体内心筋誘導法についても言及し,今後の心筋再生医療の可能性と課題について報告したい.
Key words: direct reprogramming; cardiac regeneration; transdifferentiation; cardiomyocytes
© 2021 特定非営利活動法人日本小児循環器学会
This page was created on 2021-03-29T13:22:08.56+09:00
This page was last modified on 2021-04-27T17:05:29.000+09:00
このサイトは(株)国際文献社によって運用されています。