膜様部中隔瘤による右室流出路狭窄を呈した心室中隔欠損の一例
1 近畿大学医学部小児科学教室
2 近畿大学医学部心臓血管外科学教室
巨大な膜様部中隔瘤による右室流出路狭窄を合併した心室中隔欠損の一例を経験した.症例は5歳の女児で,出生時に心雑音を聴取し,心房中隔欠損,膜性部心室中隔欠損,大動脈縮窄症と診断した.生後51日に短絡量が少ない心房中隔欠損と心室中隔欠損は経過観察とし大動脈縮窄の手術を行っている.4歳時の健診で心室中隔から右室流出路に張り出した嚢状の膜様部中隔瘤を認め,心臓カテーテル検査を施行,肺体血流比は1.0であったが右室収縮期圧は79 mmHg,肺動脈収縮期圧26 mmHgと右室流出路狭窄を認めたため,心室中隔欠損に対してパッチ閉鎖術を施行した.膜様部中隔瘤が右室流出路狭窄を来す成人例の報告はあるが,幼少期には稀である.短絡量が少なく経過観察としている心室中隔欠損にもこのような合併症が生じることを考慮し,定期的にフォローアップする必要性がある.
Key words: membranous septal aneurysm; ventricular septal defect; right ventricular obstruction
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