褐色細胞腫を合併したEisenmenger症候群の剖検例
1 弘前大学大学院医学研究科小児科学講座
2 弘前大学大学院保健学研究科
3 弘前大学大学院医学研究科病理診断学講座
Eisenmenger症候群(ES)に褐色細胞腫(pheochromocytoma: PCC)を合併した稀な症例を経験した.症例は女性で,新生児期に両大血管右室起始(double outlet right ventricle: DORV)と診断したが,乳児期よりESの病態を呈した.30歳時にPCCの合併を診断した.外科的切除は周術期のリスクから適応外とされた.32歳時に心不全,腎不全のため死亡した.病理解剖でDORV,高度の肺血管閉塞性病変,左副腎のPCC,膀胱などの多発性のパラガングリオーマ(paraganglioma: PGL), チアノーゼ性腎症を認めた.近年,PCC/PGL発症のリスク因子として低酸素が報告されている.本症例でもDORVやESがPCC/PGLの誘因になった可能性がある.PCC/PGLの症状は心疾患の症状とオーバーラップしており,先天性心疾患患者のPCC/PGLの診断は遅れがちになりやすい.さらに本症例ではESによるPCCの治療制限,PCCによる高血圧と頻脈の心血行動態への悪影響など治療と管理にも難渋した.先天性心疾患の合併症としてPCC/PGLも念頭に置くべきである.
Key words: Eisenmenger syndrome; pheochromocytoma; double outlet right ventricle; hypoxia; SDH
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