Online ISSN: 2187-2988 Print ISSN: 0911-1794
特定非営利活動法人日本小児循環器学会
Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery 35(4): 264-270 (2019)
doi:10.9794/jspccs.35.264

原著

先天性心疾患と出生前診断を受けた妊婦の支援の検討PICU看護師による出生前訪問を振り返って

1群馬県立小児医療センター看護部

2群馬県立小児医療センター循環器科

3群馬県立小児医療センター心臓血管外科

4大阪母子医療センター小児循環器科

5北里大学医学部附属病院心臓血管外科

受付日:2018年7月12日
受理日:2019年5月31日
発行日:2019年11月1日
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背景:出生前に先天性疾患と診断される機会の増加に伴い,診断後の家族支援の重要性が増加している.群馬県立小児医療センターでは,先天性心疾患と診断された家族の支援を行っており,活動の一つとしてPICUの看護師もパンフレットを用いた出生前訪問を行っている.出生前訪問後のアンケートにより,先天性心疾患と診断された家族が,出生前訪問に求めるニーズを明らかにし,その効果と改善点について検討した.

方法:先天性心疾患を疑われ群馬県立小児医療センターへ紹介受診となり,児がPICUに入室した母親51名を対象とし調査を行った.

結果:対象者のうち23人(45.1%)から研究の同意が得られた.PICU看護師の出生前訪問を記憶していた母親は19人(82.6%)で出生前訪問を全員が「必要」と回答した.その理由は「心配・不安の軽減につながる」「PICUの雰囲気を把握できる」が多かった.しかし現在の出生前訪問では家族が求める情報が網羅できていなかった.

結論:現在の出生前訪問により,家族の不安を軽減する可能性が示唆された.出生前訪問の内容の見直しとパンフレットの改訂を行い,家族の思いに沿った看護を提供する必要がある.

Key words: congenital heart disease; prenatal diagnosis; family support; prenatal visit

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