小児慢性特定疾病レポジトリーに基づくアンケート結果からみた心筋緻密化障害の臨床像
1 富山大学附属病院周産期母子センター
2 富山大学附属病院周産期母子センター小児科
3 国立成育医療研究センター臨床研究センター企画運営部
4 国立成育医療研究センター研究所小児慢性特定疾病情報室
【背景】心筋緻密化障害は未だ臨床像,管理方法,予後など不明な点が多い.
【目的と方法】我が国における心筋緻密化障害の実態を調査するため,2004~2013年の小児慢性特定疾病レポジトリーから心筋症患者をリクルートし,その登録施設へアンケート調査を実施した.
【結果】心筋症は1,360例であった.309施設にアンケートを送付し,116施設(37.5%)から470例の回答を得た.心筋緻密化障害は46例(男女比29対17)で診断年齢は日齢0~16歳(中央値0.3歳)であった.診断の契機は症状(47.8%),学校心臓検診(8.7%),乳幼児健診(4.4%)の順で多く,経過中の症状は心不全(58.7%),不整脈(20.0%),塞栓症(2.2%)であった.治療は強心薬,利尿薬,抗血小板薬,抗凝固薬,末梢血管拡張薬,β遮断薬などが使用されていた.学校生活管理指導はE可(19.5%),E禁(13.0%),D(23.9%),C(4.3%),B(2.1%)となっていた.
【結語】小児慢性特定疾病の登録症例では治療を必要としたより重症例が登録される傾向を有することを念頭に置き,継続した調査と検討が必要であると思われた.
Key words: noncompaction cardiomyopathy; repository; specific chronic diseases
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