肺動脈弁欠損を伴うFallot四徴症のラット胎仔心臓肺断面像
1 東京女子医科大学循環器小児科
2 神奈川県立こども医療センター新生児科
肺動脈弁欠損を伴うFallot四徴症(TF/APV)は肺動脈弁欠損症候群(APVS)とも呼ばれ,しばしば予後不良である.本症は周産期医療における胎児心エコー検査上重要な疾患である.Bis-diamineは強力なteratogenでラットに先天性心疾患と胸腺低形成を生じる.Bis-diamine 200 mgを妊娠9日と10日にラット40匹に胃内注入し,満期21日目に胎仔を全身急速凍結法,凍結ミクロトーム,実体顕微鏡(Wild M400)を用いて0.5 mm毎の胸部横断面を連続写眞で記録した.330胎仔に各種先天性心疾患(90%),胸腺低形成(100%)を生じた.肺動脈弁欠損を伴うFallot四徴症が46例にあり,その記録で次の所見が得られた.全例大きい心室中隔欠損があり,太い大動脈が心室中隔欠損に騎乗して起始していた.右室漏斗部はやや狭く,肺動脈弁は痕跡的または全く欠損し,動脈管は欠損していた.主肺動脈と左右肺動脈は拡大し,左右肺門部で最も大きく,気管と気管支を圧排して閉塞していた.これら肺動脈弁欠損を伴うFallot四徴症の生体内断面図を胎児エコーモデル図譜として提示する.
Key words: tetralogy of Fallot; absent pulmonary valve; bronchomalacia; bronchial obstruction; neonatal respiratory failure
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