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特定非営利活動法人日本小児循環器学会
Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery 35(2): 112-118 (2019)
doi:10.9794/jspccs.35.112

原著

Non-HDLコレステロール値からみた家族性高コレステロール血症児頻度の考察

1JCHO高岡ふしき病院小児科

2高岡市医師会

受付日:2018年9月19日
受理日:2019年1月18日
発行日:2019年5月1日
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背景:幼少期から動脈硬化が進行する家族性高コレステロール血症(FH)に関し,小児生活習慣病予防健診結果から小児の頻度を考察する.

方法:2006~2015年度の10年間に高岡市健診を受診した小4児14,609名(男7,461名,女7,148名)を対象に,non-HDLコレステロール(non-HDL-C)値の分布から超高値児を抽出し,小児FHの頻度との関連を考察した.

結果:対象のnon-HDL-Cと肥満度とは弱く相関した(r=0.30)が,散布図上概ね200 mg/dL以上に関連の弱い超高値児が散在し,その多くがFHと推察された.Non-HDL-C 200 mg/dLはほぼ+4SD値,かつガイドライン上の小児FH治療閾値に相当した.10年間でnon-HDL-C 130 mg/dL以上の高値児割合は減少したが,超高値児割合には有意な変化なく,全体での0.38%は小児の要治療FH頻度に近似する値と考えられた.

結論:Non-HDL-C測定は小児要治療FH抽出に有用である可能性が示唆され,その頻度は日本成人FHの推定頻度とも矛盾しない.

Key words: familial hypercholesterolemia; non-high-density lipoprotein cholesterol; cardiovascular risk factor; children; universal screening

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