Online ISSN: 2187-2988 Print ISSN: 0911-1794
特定非営利活動法人日本小児循環器学会
Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery 34(2): 63-71 (2018)
doi:10.9794/jspccs.34.63

原著

Wolff–Parkinson–White症候群における心室早期興奮が心機能に及ぼす影響

1富山県立中央病院小児科

2富山県立中央病院内科(循環器)

3富山大学医学部小児科

受付日:2017年11月22日
受理日:2018年2月14日
発行日:2018年3月1日
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背景:WPW症候群において頻回の頻拍発作がない症例で,副伝導路に起因すると思われる拡張型心筋症が報告されている.

目的:顕性副伝導路による心室早期興奮の心機能に対する影響に関して検討する.

対象と方法:対象は発作性上室性頻拍に対して心臓電気生理学的検査およびカテーテルアブレーション(RFA)を行った房室回帰性頻拍の20症例(男:女=8 : 12, 年齢12(0.8~16)歳).術前に副伝導路による心室早期興奮を認めた群(顕性群12例)と認めなかった群(潜在性群8例)で比較検討した.

結果:RFA前の左室駆出率はいずれの群も正常範囲であったが顕性群で有意に低値であった(顕性群vs. 潜在性群66.0 (47.7~74.5) vs. 78.1 (70.1~83.0)%, p=0.001).左室駆出率は顕性群でRFA後に上昇した(前vs. 後66.0 (42.7~74.5) vs. 74.4 (52.7~80.7)%, p=0.003).潜在性群では左室駆出率の変化はなかった(前vs. 後78.1 (70.1~83.0) vs. 79.3 (72.1~85.2)%, p=0.58).心機能低下例を2例認め,左室駆出率はそれぞれ53.1, 42.7%であった.いずれも顕性群であり副伝導路は右後側壁および右前側壁副伝導路であった.RFA後に左室駆出率はそれぞれ75.7, 52.7%まで改善した.

結論:顕性副伝導路症例では潜在性副伝導路症例に比べて左室駆出率が低値であり,顕性副伝導路の消失により左室駆出率は上昇することが示された.

Key words: Wolff–Parkinson–White syndrome; ventricular preexcitation; dilated cardiomyopathy; radiofrequency catheter ablation; cardiac function

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