低酸素血症を呈した遺伝性毛細血管拡張症に伴う多発性肺動静脈瘻に対して病変選択的に経カテーテル的コイル塞栓術を施行した1例
1 熊本市立熊本市民病院小児循環器内科
2 熊本市立熊本市民病院小児心臓外科
低酸素血症と家族歴より遺伝性出血性毛細血管拡張症(HHT)に合併した多発性の肺動静脈瘻(PAVM)と診断された.流入動脈径3 mm未満であったが,低酸素血症を認める多発性病変のため症状改善を目的とし右左短絡量の多い順にコイル塞栓術を施行した症例を経験した.通常流入動脈径3 mm以上の場合は重篤な中枢神経合併症のリスクが高いことから,積極的治療介入を要す.最近ではデバイスの進歩もあり,3 mm未満の病変に対する治療適応の幅も広がってきていることから症例毎の検討を要す.HHTは常優染色体遺伝する疾患であり,家族歴を有する症例においてはスクリーニング検査を施行することでPAVMの早期診断に至りうる可能性がある.特にHHT type 1は多発性PAVMの合併率が高く,慎重なフォロー,適切な治療介入による症状改善,合併症予防が大切である.
Key words: pulmonary arteriovenous malformation; hereditary hemorrhagic telangiectasia; coil embolization
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