日本小児循環器学会第13回教育セミナーの開催にあたって
1 日本小児循環器学会教育委員会委員長
2 広島市立広島市民病院循環器小児科
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日本小児循環器学会教育セミナーは,小児循環器学の基礎から最新の知識までを学ぶ「生涯教育の場」を提供するために企画されてきました.今回は,第52回日本小児循環器学会会長 小川俊一先生のご好意の下,「Step up!」を目標に,前半は,日常診療の中で知っておきたい「不整脈」,「僧帽弁」について,重要なPOINTを聴講できるように企画いたしました.
不整脈の診断・治療に関して,今や電気生理,カテーテルアブレーションの知識・技術を深め,また広める教育が重要であることは当然です.しかし,カテーテルアブレーションを専門的に行える施設は極めて限定的で,数えるほどしかないといっても過言ではないでしょう.多くの臨床医にとって,12誘導心電図でどこまで読めるか,診断できるかが現実的な問題であり,ひいては患者のQOLを改善する鍵となっているのではないでしょうか.そこで,key wordをa)12誘導心電図,b)負荷テスト,c)学校心臓検診としてセミナー前半を構成しました.
後半は,僧帽弁またその異常について,a)解剖,b)診断,c)治療の順に概説していただきました.房室弁,特に僧帽弁の異常は「心不全の悪循環」を形成する重要な領域です.その解剖をしっかり捉えた上で,心不全への悪循環に陥らないための予防策,またその輪を断ち切るために必要な術について考えてみましょう.
わずか30分の講演内容ですべてが分かるわけではありません.しかし,各領域の専門家に書き下ろしていただいた講演内容が,不整脈,僧帽弁疾患を理解するための律速酵素として,明日からの診療に役立ってくれることを期待しています.
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