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特定非営利活動法人日本小児循環器学会
Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery 32(6): 462-472 (2016)
doi:10.9794/jspccs.32.462

Review

三次元心エコーを用いた房室弁機能評価

静岡県立こども病院循環器科

発行日:2016年11月1日
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三次元心エコーの出現により房室弁複合体のような複雑な構造体においても,その三次元的な位置関係や連携運動の評価が可能となった.弁輪・弁尖・腱索・乳頭筋の位置情報を一心周期にわたり三次元的に把握することで,弁輪・弁尖の形態変化や乳頭筋の位置異常が弁機能に及ぼす影響などについての研究がこれまでに数多く報告されている.1980年代において既に二次元エコープローブの軸を固定し,軸の周囲を一心拍ごとに少しずつ回転させる方法を用いて房室弁輪の三次元運動を解析した報告が行われている.その後2000年代に入り,リアルタイム三次元心エコーや経食道三次元心エコーが実臨床で使用可能となったことで,三次元心エコーの有用性についての認識が急速に広まった.三次元エコーでの画像表示にはvolume rendering法とmulti-planar reconstruction法の2種類があり,用途に応じて使い分ける必要があるが,前者は弁形態の全体像把握に優れ,後者はより詳細な検討や定量評価に威力を発揮する.これまでに主に三次元心エコーを用いて行われてきた房室弁機能評価について概説するとともに,将来の展望についても記した.

Key words: atrioventricular valve; three-dimensional echocardiography; congenital heart disease; simulation

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