心筋炎から学ぶ:小児循環器分野を学ぶ医師のアウトカムを中心に
1 日本大学医学部医学教育企画・推進室
2 日本大学医学部附属板橋病院小児科
致死性心筋炎の死亡頻度は10万人あたり0.46人で,ウイルス性の原因が多い.神経症状や消化器症状などの心外症状から心筋炎を鑑別することが重要である.劇症化の予測として心電図や血液検査所見の経時的変化の観察が重要である.画像診断として心エコーでの収縮能低下や心膜液貯留は,専門医資格のない医師にとっても視覚的に理解しやすい所見である.急性期を脱した時点でのMRI, 核医学検査は専門医として診断に有用な低侵襲性モダリティである.致死的不整脈の合併は劇症型心筋炎に高頻度であり,回復期に不整脈が残存する症例には電気生理学的検査が必要な場合もある.治療について低心拍出状態や致死的不整脈合併例では補助循環療法の導入を積極的にすべきで,導入および離脱の施設基準が明確であることが望ましい.小児への大動脈内バルーンパンピングの心筋炎への使用は議論がある.免疫グロブリン療法およびステロイド療法の心筋炎に対する一定の治療的コンセンサスは得られていない.小児の劇症型心筋炎は急性期死亡も多いが,急性期に生還した症例であれば,神経学的後遺症を含め必ずしも予後不良な疾患ではない.
Key words: arrhythmia; extracorporeal membrane oxygenation; fulminant; low output; nuclear medicine
© 2016 特定非営利活動法人日本小児循環器学会
心筋炎を対象としたガイドラインは日本循環器学会から報告1)
されており,また小児循環器学会委員会報告としても診断と治療の指針2)
が示されている.総説についてはFeldman & McNamare3)の論文,また小児についてはアンケートによるSajiら4)の全国調査を参考にできる.
心筋炎は稀な疾患であるために,劇症型心筋炎を中心に机上知識としての心筋炎を理解していても,いざ心筋炎を疑う患者を診療する時に,何が問題点になるかについて不安を持っている先生が多いのではないかと思われる.本稿では将来的に小児循環器専門医を志す医師として,あるいは小児循環器専門医として,心筋炎を疑う患者に遭遇した時に,臨床的にどのような準備と対応が必要であるか述べたい.よりベッドサイドに近いreviewとしてお役に立てば幸いである.
日本小児科学会はすでに各サブスペシャリティ別に,小児科専門医取得のための学ぶべき疾患(あるいは疾患群)を提示し,偏りのない臨床経験の一助としている.イギリス5)
,カナダ6)
や米国7)
などの諸外国では,医師のアウトカム(到達目標)作成は国家プロジェクトになっており,到達目標とその評価に基づいた質保証をすることが社会的な動きとなっている.医師の質保証の一環としてEnstrustable professional activity(以下EPA)という概念がある.EPAは「プロとして信頼して任すことができる能力」などと直訳できるが,初期臨床研修制度を対象とした厚生労働省の研究班の公表によれば「遂行可能業務」と意訳されている.疾患別のEPAではその疾患を修得するうえでどのような方向に進んでいけばよいかとしてのアウトカム(到達目標)が記してあり,実際に各アウトカムについてどのくらい到達しているかの評価がなされることによりその領域の質保証を行う.日本小児科学会でも今後,疾患別EPA作成の方向性を示していく可能性があり,本稿では心筋炎のEPAとして,学ぶ側の経験値別に主に急性心筋炎の臨床診療に必要なアウトカム(到達目標)を整理していく.すなわち,専攻医(旧称:後期研修医)の立場,小児循環器専門研修医(専門医を目指している医師)の立場および小児循環器専門医の立場別のアウトカム(到達目標)を各単元の最初に掲げることとする.心筋炎のEPAに関する経験値別のアウトカム(到達目標)をTable 1に示す.なおTable 1の内容は,日本小児科学会や日本小児循環器学会からの提案ではなく,筆者の私案であることをお断りしておく.
専攻医*のアウトカム | 小児循環器専門研修医**のアウトカム | 小児循環器専門医レベルのアウトカム | |
---|---|---|---|
疫学 | 心筋炎の基本的疫学について説明できる. | ||
原因 | 急性心筋炎の原因について説明できる. | 小児のウイルス性心筋炎の代表的ウイルスについて説明できる. | |
症状 | 胸痛や失神などの心症状から心筋炎を疑うことができる. | 発熱時の倦怠感,嘔吐やけいれんなどの心外症状から心筋炎を疑うことができる. | |
血液検査 | 心筋炎に関連する血液検査の指示を出すことができる. | 血液検査の経時的変化から劇症化を予測できる. | 補助循環療法の離脱のための生物学的指標を利用できる. |
ウイルスおよび細菌検索のための検体を保存できる. | ウイルス検索のための検査オーダーをできる. | ||
胸部レントゲン | 胸部X線写真を読影できる. | ||
心電図 | 心電図を判読できる. | 心電図の経時的変化から劇症化を予測できる. | |
心エコー | 駆出率,心膜液貯留や冠動脈描出などの心エコーによる基本的評価ができる. | 壁運動異常や拡張能などの心エコーによる専門医レベルの評価ができる. | 心エコーの経時的変化から劇症化を予測できる. |
補助循環療法の離脱のための指標として利用できる. | |||
心臓MRI | 適応について専門医にコンサルトできる. | 読影に熟練した専門医の指導のもとで読影できる. | |
核医学検査 | 心臓核医学検査の核種について説明できる. | 適応について専門医にコンサルトできる. | 適切な核種を選択し検査指示ができる.熟練した専門医の指導のもとで読影できる. |
電気生理学的検査 | 検査所見を理解できる. | 熟練した専門医の指導のもとで実施できる. | |
心筋生検と病理学的検査 | 急性心筋炎の基本的病理所見を説明できる. | 病理検体について病理医の指導のもとで診断できる. | 心筋生検を熟練した専門医の指導のもとで心筋生検を実施できる. |
薬物療法 | 心血管作動薬による治療ができる. | 重症度に応じて心血管作動薬の調節ができる. | 適切な抗不整脈薬の使用により不整脈をコントロールできる. |
抗不整脈薬による初期薬物治療ができる. | |||
免疫グロブリンおよびステロイド療法の適応について説明できる. | |||
ペーシング | 基本的事項について説明できる. | 一時ペーシングの設定を専門医の指導のもとで実施できる. | 一時ペーシングの留置と設定を的確に実施できる. |
メカニカルサポート | 補助循環療法の適応について説明できる. | 補助循環療法の管理を専門医の指導のもとで実施できる. | 補助循環療法の管理ができる. |
補助人工心臓について説明できる. | 補助人工心臓の適応を理解し,専門施設へ紹介できる. | ||
小児に対する大動脈内バルーンパンピングの利点と欠点を説明できる. | 大動脈内バルーンパンピングの管理を循環器内科医の指導のもとで実施できる. | ||
血液浄化療法について説明できる. | 血液浄化療法の管理ができる. | ||
予後 | 予後に関する疫学的事項を説明できる. | 神経学的後遺症について専門医の指導のもとで評価できる. | 神経学的後遺症について評価し該当専門医にコンサルトできる. |
*専攻医:旧称は後期研修医で小児科専門医取得までのおおむね卒後3~5年,**小児循環器専門研修医:小児循環器専門医取得までの期間 |
致死性心筋炎の死亡頻度は10万人あたり0.46人との報告8)がある.また,米国16州の0歳から21歳までの1,098人を対象とした心臓死の統計で,事前に診断がついていたのは48%で,心筋炎の頻度は4人(0.4%)との報告9)がある.現場の臨床医にとって疫学的事項に関する知識は患者家族へのインフォームドコンセントなどに不可欠であり,基本的疫学的事項について説明できる必要がある.
心筋炎の原因はTable 2に示すようにウイルス性を中心とする感染症以外にも,膠原病,川崎病,心サルコイドーシスや薬物性心筋炎と非常に多彩である.小児の急性心筋炎の多くはウイルス感染が原因であり,小児科医にとってはTable 3に示す心筋炎の原因となる代表的ウイルスについて記憶しておく必要がある.教科書的にはコクサッキーウイルスによる急性心筋炎が重要で臨床現場でも最も鑑別すべきウイルスになるが,日本でも新型インフルエンザとして記憶に新しいH1N1インフルエンザウイルス感染症10)
や近年小児例の報告が散見されるパルボウイルスB19感染症11)も鑑別ウイルスとして重要である.新生児や乳児の心筋炎の重症化については教科書やガイドラインで強調されているが,エンテロウイルス感染症による髄膜炎と心筋炎は乳児ウイルス性心筋炎の代表的臨床経過12)として理解しておく必要がある.乳児のウイルス性心筋炎では,それ以上の年齢層と比較して血液中ウイルスPCRの陽性率が高いという報告13)があり,検査の項で記すように,ウイルス検索のための検体保存は重要な作業であり,諸治療による生還例では予後推測にも不可欠になる.非チフス性サルモネラ心筋炎の小児例において,血液培養の40%に菌が証明されたとの報告14)があり,細菌検索のための検体採取も臨床現場では重要である.
Category | Classification |
---|---|
Infection | Virus |
Bacteria | |
Fungi | |
Rickettsia | |
Spirochetes | |
Protozoa, parasites | |
Internal factors | Allergy |
Autoimmune | |
Collagen disease | |
Kawasaki disease | |
Sarcoidosis | |
External factors | Drugs |
Chemical substance | |
Radiation | |
Heat stroke |
Viral family | Virus |
---|---|
Picornaviridae | Coxsackie virus A, B (Enterovirus) |
Echovirus (Enterovirus) | |
Poliovirus (Enterovirus) | |
Orthomyxoviridae | Influenza virus A, B |
Paramyxoviridae | RS virus |
Mumps virus | |
Measles virus | |
Flaviviridae | Hepatitis C virus |
Dengue virus | |
Togaviridae | Rubella virus |
Retroviridae | HIV |
Herpesviridae | Herpes Zoster (HHV3) |
Cytomegalovirus | |
Herpes simplex (HHV1, 2) | |
EB virus | |
Adenoviridae | Adenovirus |
Parvovirdae | Parvovirus |
発症メカニズムに関連する報告としてWeithauserら15)は,コクサッキーB3,インフルエンザAや単純ヘルペスの各ウイルスはプロテアーゼ活性受容体と一部関連して心筋炎を惹起するとしている.また,Rose16)はウイルス感染そのものによる活動以外に自己免疫による発症要素が強いことを示唆している.ウイルス性心筋炎の内科的治療の発展に寄与する報告として臨床医としても興味深い内容である.
ウイルス性心筋炎と拡張型心筋症の関連について,ウイルス性心筋炎は拡張型心筋症の基礎疾患であるとの報告17, 18)や拡張型心筋症の原因の1つとして心筋炎にともなうウイルス持続感染についての報告19)もある.現場の臨床医としては,急性期からの生還例であっても心機能低下が持続する症例があることを念頭に置く必要がある.
急性心筋炎の前駆症状または心機能低下時の心外症状で心筋炎を鑑別する臨床能力が要求される.小児では失神やけいれんを主訴とする例が多い20)ことも特徴である.脈拍と血圧をまず触診で確認する習慣をつけるとよい.胃腸炎による脱水の診断で初期輸液を始めた患者は,15~30分後に顔色,意識や呼吸状態を確認するための診察をすることが望ましい.また,先入観なくCapillary refill timeの確認をすることが重要である.短時間の輸液で症状が悪化する患者に遭遇した時は,急性心筋炎の存在を十分に念頭に置く.今一度,心音でギャロップがないか,また心電図モニタリングで心室性期外収縮や房室ブロックの新規出現がないかを確認する必要がある.
CK-MBや心筋トロポニン21, 22)
などの心筋構成蛋白の増加に着目することが必要になる.また,臨床経過とあわせてそれら検査値の急激な増加は劇症化を示唆している可能性があり経時的観察が重要である.
補助循環療法施行時の離脱のタイミングとして筆者ら23)はCK-MBのピークアウトを指標とすることを推奨している.
心拡大や肺うっ血の程度に着目することが必要になる.ここで重要なことは,劇症化症例を含め初期の段階では,必ずしも心拡大や肺うっ血が著明でない症例が存在することである24).筆者の経験ではこのような初期変化が軽度である症例が,短時間で重症化しやすい傾向があると考えている.
心電図のST-T変化,低電位や不整脈に着目することが必要になり,ウイルス性心筋炎や心外膜炎で不整脈の発症は重要な合併症である25).また,臨床経過とあわせて心室性期外収縮や房室ブロックなどの新規不整脈の出現や頻度増加は,劇症化への進行の可能性があり経時的観察が重要である.
劇症型心筋炎の管理・治療を行った13歳男子の12誘導心電図をFig. 1に示す.入院時は房室解離および胸部全誘導でST-T異常を認め(Fig. 1-A),それ以前の紹介元のモニター心電図では洞調律で正常幅のQRSであった.入院数時間後には心室頻拍を認めるようになった(Fig. 1-B).この例のように劇症型心筋炎を疑った際は,心電図の経時的観察が重要である.Ichikawaら26)は劇症型心筋炎の診断で管理・治療を行ったシリーズを報告しており,Fig. 2は同報告の12歳女児例である.回復期の12誘導心電図では完全右脚ブロックを認めているが(Fig. 2-B),小学校1年生時の学校心臓検診の簡易4誘導心電図では異常を認めない(Fig. 2-A).劇症型心筋炎の罹患により臨床的には問題ないものの電気生理学的には軽度変化を残した経験として重要な心電図変化である.
A: 12-lead electrocardiography shows atrioventricular dissociation and ST-T abnormality in the whole chest lead on admission. B: Electrocardiogram shows ventricular tachyarrhythmia 3 h after admission.
A: 4-lead electrocardiography shows absolutely normal findings, including intraventricular conduction disturbance on first-grade heart examination. B: Electrocardiogram shows complete right bundle branch block in V1 lead.
劇症型心筋炎では患者周囲に多くの輸液ルート,人工呼吸器,補助循環関連機器やモニターが存在するため,心エコーはベッドサイドでの非侵襲的検査として簡便かつ有用性の高い検査である.補助循環療法からの離脱評価のためにも必須の検査である.左室収縮能の低下,左室壁運動異常,左室腔の拡大,左室心筋壁の肥厚,房室弁逆流および心膜液貯留に着目することが必要である.一過性左室壁肥厚が心筋生検による病理所見とマッチしていたとの報告27)がある.左室腔の拡大と僧帽弁逆流が著明であるが他部位の弁逆流を認めない際は,拡張型心筋症との鑑別が必要で臨床所見との対比が重要である.また,乳児例では先天性冠動脈奇形との鑑別が重要となり冠動脈走行の確認が必須である.同奇形群は頻度としては稀であるが,左冠動脈肺動脈起始症28)や左冠動脈入口部閉鎖などを念頭におく必要がある.左冠動脈肺動脈起始症の冠動脈エコー所見をFig. 3に示す.両奇形では冠動脈入口部が一見正常開口にみえても,同部位の血流は逆行性である.正常冠動脈であることを証明するためには,冠動脈入口部の解剖学的開口の確認だけでなく同部位に順行性血流が存在するかを含めた観察を入念に行うべきである.
A: Echocardiography visualizes abnormal connection between the left anterior descending coronary artery and the main pulmonary artery (PA). B: The large right coronary artery originates from the aortic aorta without any abnormal blood vessels running. Ao: Aortic aorta, PA: Pulmonary artery. Cited from reference 28).
MRIの心筋炎を対象とした有用性の報告として,ガドリニウム遅延造影効果は心筋の炎症を反映するとしてLiu & Yan29)は指摘している.また,Etesamiら30)は小児を対象としたガドリニウム遅延造影効果が疾患カテゴリーにより異なることを指摘している(Table 4).川崎病冠動脈後遺症による心筋梗塞であれば心内膜下から心外膜側へ造影効果が強調されるが,心筋炎を代表とする炎症性病変では心外膜側もしくは心筋中間層を中心に造影効果を認めるとしている.
Category | Diseases | Late gadoliinium enhancement pattern |
---|---|---|
Post-surgical | Patch repair of VSD | Transmural |
Tetralogy of Fallot repair | Right ventriculcar wall | |
Myocardial infarction | Coronary sequelae after Kawasaki disease | Always involves the subendocardial portion and extends variably toward epicardium |
Anomalous coronary arteries | Always involves the subendocardial portion and extends variably toward epicardium | |
Cardiomyopathy | Dilated cardiomyopathy | No enhancement |
Hypertrophic cardiomyopathy | Mid-myocardial | |
Storage disorders | Anderson–Fabry disease | Mid-myocardial/subepicardial |
Danon disease | Subendocardial/mid-myocardial | |
Musclular dystrophy | Duchenne dystrophy | Subepicardial |
Inflammatory disease | Myocarditis | Mid-myocardial/subepicardial |
Pericarditis | Pericardial | |
*Cited from reference 30) |
Luuら31)はMRIが心筋炎を含む心疾患診断のガドリニウム造影で安全かつ診断有用性の高い検査であることを報告している.心筋生検は侵襲性の高い手技であり,近未来として現在専攻医である先生が小児循環器専門医として活躍する時代には,心臓MRIが病理組織所見の診断に限りなく近づいたモダリティに発展していることを期待したい.
筆者は放射線検査技師との協力体制が確立されている施設であれば,検査プロトコールの実践については検査技師中心であってよいと考えるが,核種の選択については医師主導とするべきである.心筋炎では壊死心筋や一過性心筋細胞浮腫により生じる心筋灌流低下や心不全を評価することになる.心筋炎を背景とした小児心臓核医学検査の核種選択には次の3点を念頭におけばよい.
塩化タリウム(以下Tl-201)と比較して放射線被曝が少量であること32),心電図同期を併用することにより心機能評価が可能であること33),乳幼児の小心臓でも比較的明瞭な画像が得られる34)
などの理由から,小児心筋血流イメージングで最も繁用されている.特に負荷と安静撮像を同日に行う1日法では初回投与が2回目投与による検査結果に影響するため,核種投与量,投与時間間隔および肝臓・消化管内への核種集積回避の工夫35)
が必要である.小児では運動能が高く負荷は原則として運動負荷を行うが,5歳未満(5~8歳は体格や本人の運動負荷への協力性による)では薬物負荷を行い,負荷薬剤として認められているアデノシンを用いる36)
.
本製剤の心筋炎に対する使用で興味深い報告として,Tc-99mMIBIの安静撮像で13例中の8例で炎症部位に一致して壁運動異常が明らかであったとの報告37),3歳から12歳までのコクサッキーウイルス性心筋炎の46例を対象として,Tc-99mMIBIによるSPECTで全例に取り込み低下を認め,CK-MB高値,ST-T変化,エコー上の心機能低下とよい相関を示したとの報告38)がある.
Tl-201心筋血流製剤として今日も成人領域では積極的に使用されており,各疾患・病態のリスク層別化としてのエビデンスレベルも高い.しかし,小児領域では放射線被曝がテクネチウム心筋血流製剤の8~10倍という側面,かつ多くの病態はテクネチウム心筋血流製剤で評価可能であり,小児にはTL-201は推奨されない方向性となっている39)
.
本製剤の心筋炎に対する使用で興味深い報告として,コクサッキーB2ウイルス性髄膜炎と心筋炎に罹患した新生児で,Tl-201とI-123BMIPPのデュアルSPECTで下後壁に広範な取り込み低下を認めたとの報告40),学校心臓検診でST-T異常を指摘された無症候性の12例を対象に,Tl-201心筋血流イメージングが施行され4例で異常を認めたとの報告41)がある.
I-123MIBG小児慢性心不全に対する同製剤の有用性をまとめた報告42)
がある.
古い教科書を中心に炎症の判定や経過観察には本核種を用いるとの記載があるが,小児領域で同核種が特異的に有用性を発揮する背景はない.放射線被曝量が莫大であり小児では原則使用禁忌の核種として筆者は啓発している.
心プールイメージングTc-99m標識赤血球またはヒト血清アルブミンを使用するが,心筋血流製剤により心電図同期心筋SPECTが実施されている今日ではその有用性が低くなった.右心機能評価が必要な病態では有用と考える.
小児核医学検査適正施行のコンセンサスガイドライン小児では放射線感受性の問題を中心に特に核種投与量について配慮されるべきである.日本核医学会の小児核医学検査適正施行検討委員会は「小児核医学検査適正施行のコンセンサスガイドライン」39)
に基づく核種投与を推奨しており,今後,心臓核医学検査以外にも本ガイドラインによる核種の適正投与が実践されることを期待したい.
劇症型心筋炎ではほぼ全例で急性期に不整脈を発症し,回復期に不整脈が残存する症例には電気生理学的検査が必要な場合もある.Ichikawaら26)は劇症型心筋炎から生還した4例に電気生理学的検査を行っているが,いずれの症例でも不整脈は誘発されず,かつ伝導障害を認めなかったと報告している.
急性ウイルス性心筋炎の基本的病理所見は,1)多数の大小単核細胞の浸潤,2)心筋細胞の断裂・融解・消失,3)間質の浮腫と線維化である.所見についてはDallasクライテリア43)
が重要である.採取時期が遅れるほど偽陰性所見の確率が高まるため発症早期の生検が推奨されているが,最急性期では浮腫も強く心筋穿孔を含む合併症の確率が高まる.Pophalら44)は小児の心筋生検にともなう合併症は0.9%と報告している.心筋症への進行が危惧される症例や原因不明の心室機能障害症例は心筋生検のよい適応である45).
急性心筋炎では左室機能不全の進行で心拡大をきたし僧帽弁逆流が増悪し肺うっ血を引き起こす.重症心不全に対してはノルアドレナリン,PDEIII阻害薬,カルペリチドおよびフロセミドの持続点滴静注を早急に導入する.心室頻拍に対してはアミオダロン,ニフェカラントで対応する.しかし,劇症型心筋炎のコントロールはこれらの薬物療法のみでは不十分なことが多く,後述する補助循環療法と一時ペーシングを併用する必要がある.
免疫グロブリン製剤投与の有効性については論文レベルでも賛否両論であり,Druckerら46),Camargoら47)は有効であると主張している.一方,McNamaraら48)
は無作為試験の結果として有効性を疑問視している.筆者の施設では基本的にステロイドパルス療法を施行しているが,ステロイドについては効果に否定的な報告49)も多い.
劇症化に備え一時ペーシングをいつでも施行できるように,入院の時点で大腿静脈にシース留置をしておくとよい.一時ペーシングでは簡便なVVIモード(Vペーシング+Vセンシング)で不整脈コントロールを試みる.炎症の局期では浮腫が強く,しばしばペーシング不全が起こる.劇症型心筋炎では高度房室ブロックの出現が多いが,20歳未満の40人を対象として,7日未満に房室ブロックから正常房室伝導に回復したのは27人(67%)であったとの報告50)があり,恒久的ペースメーカの適応になる例は多くはない.
論文検索をしていくと補助循環療法の呼称が年代によって異なるようである.PCPSはPercutaneous Cardiopulmonary Supportの略語であるが,PCPS=補助循環療法とされている報告が多い.2016年現在,PCPS=V–A ECMO(静脈脱血–動脈送血)とされているが,重要なことはV–A ECMOは循環補助が可能であり,V–V ECMO(静脈脱血–静脈送血)では循環補助は不可能で酸素化を中心とした呼吸補助になる51)
.劇症型心筋炎では循環補助が必要になりV–A ECMOの適応で小児でもその応用が積極的にされている52).
導入を考慮するうえで可逆性の病態であることが重要である.離脱困難症例に導入した場合には出血傾向や血栓の合併症を中心に臨床経過をさらに悪化させるリスクがある.Nahumら53)は小児の劇症型心筋炎は可逆的疾患でありECMOの使用により心機能を回復させると主張している.
補助循環の導入基準としては,以下のうち1点でも認めれば積極的に導入する.
導入決定から実際にV–A ECMOの実施が可能になるまでの諸準備に要する時間は施設較差があると推測する.そのような背景を考慮して,期外収縮の頻度が顕著になる,あるいはQRS幅が広くなってくるようであれば導入を決断してもよい.
当科小児救命救急班が作成した劇症型心筋炎の患者発生からECMO導入までのフローをFig. 4に示す.当院の背景として救命救急センターが設置されており,城北地区(東京都北西部)のこども救命搬送の第1選択施設である.退院後の新生児を含め基本的には3次救急と判断された小児は全例で救命救急センターに搬送される.
See Table 5 for the appropriate size of catheter and site of cannulation.
以下が大学病院としての当院の補助循環導入までのフローの要点である.
<3 kg | 3–5 kg | 5–7 kg | 7–20 kg | 20–30 kg | 30 kg< | |
---|---|---|---|---|---|---|
Blood removing catherter size (cannulation vein) | 8Fr (RCV) | 10Fr (RCV) | 12Fr (RCV) | 14Fr (RCV) | 16Fr (RCV) | 20Fr (RCV) |
Blood feeding catherter size (cannulation artery) | 6Fr (RCA) | 8Fr (RCA) | 10Fr (RCA) | 12Fr (RCA) | 14Fr (RCA or RFA) | 16Fr (RCA or RFA) |
RCA, Right cervical artery; RCV, Right cervical vein; RFA, Right femoral artery. Prepared by Sawada N (Nihon University School of Medicine, Department of Acute Medicine, Division of Emergency and Critical Care Medicine) |
離脱の確認事項として以下を挙げる.
これまで補助人工心臓はポンプサイズの問題(20 kg未満を対象とするポンプが存在しなかった)から,乳幼児には選択肢にならなかった.2015年8月に「Berlin Heart EXCOR® Pediatric」が保険償還され,小容量ポンプの使用が可能となり,小児全年齢層に補助人工心臓の選択肢が広がった56)
.「Berlin Heart EXCOR® Pediatric」の使用経験に関する論文57)を示しておく.現在のところ,心筋症への進展や原因不明の心室機能障害が遷延する症例などで検討すべき選択肢と考える.実施施設は治療成績向上のためにも集約されるべきであり,「補助人工心臓の適応を理解し,専門施設へ紹介できる」ことは多くの小児循環器専門医にとって重要なアウトカムである.
成人の劇症型心筋炎で低拍出症候群と判断された場合には,圧補助として大動脈内バルーンパンピングを,流量補助としてV–A ECMOを使用する.大動脈内バルーンパンピングの利点は拡張期圧を上昇させることと,それにともない平均大動脈圧が上昇し冠血流増加作用を期待できる.また,収縮期のバルーン収縮により後負荷軽減に寄与する.
Paul & Singh58)は大動脈内バルーンパンピングの小児利用における欠点を述べている.小児での大動脈内バルーンパンピングの欠点を下記に挙げる.
持続的血液濾過透析法は24時間以上持続的に血液濾過透析を行う血液浄化療法に該当し,劇症型心筋炎の小児ではダブルルーメンカテーテルで静脈–静脈の送脱血回路によりうっ血性心不全の体液過剰に対する治療効果を期待できる.必須の管理方法ではないが除水により体液管理を容易にすることができる.
免疫吸着療法は心筋炎に対する治療選択肢であることを認識し,論文報告59)について情報更新しておくことが望ましい.
Teeleら60)は小児の劇症型心筋炎の予後について述べている.また,Abeら61)は急性心筋炎の予後不良因子は急性期の高CPK血症,心室頻拍の出現,低駆出率と慢性期のwide QRSであるとしている.
筆者は自施設での劇症型心筋炎から生還した4例について遠隔期の電話アンケート調査を行ったが,全例で社会活動を行ううえでの運動能力に問題はなく,不登校や社会的不適応に該当する回答はなかった.
筆者は2012年から卒前教育の一環として日本大学医学部5,6年生の有志を対象に,劇症型心筋炎をシナリオ(Fig. 5)の題材にしてロールプレイによる授業を展開している.筆者の実体験をもとにしたシナリオを使用しており,一方向の座学による授業と比較して,医学生にとって少なくとも「心筋炎は重症な病気であり早期の対応が必要」との印象は定着しているようである.
また,卒後および生涯教育として,小児劇症型心筋炎の管理にかかわるスタッフを中心に,医学教育部門のシミュレーターを利用したロールプレイによる教育を思案している.
ウイルス感染による感冒を撲滅できないように,心筋炎をゼロにすることは不可能であろう.いかに早く心筋炎の診断にたどり着き,劇症化が疑わしいのであれば補助循環療法を積極的視野に入れることが臨床現場の医師に求められる能力と考える.また,小児科内にとどまらず救命救急科や心臓血管外科などの複数診療科,さらには臨床工学技師,放射線技師および救急各部門の看護師の協力体制が必要な病態であり,普段からチーム医療としてのイメージトレーニングを実施しておくことが治療成功の鍵となる.本稿の利用により,将来的に小児循環器専門医を志す医師として,あるいは小児循環器専門医として,心筋炎を疑う患者に遭遇した時に,臨床現場で何を学び,臨床能力として何を準備しておけばよいかの一助となることを期待したい.
補助循環療法の項目作成にあたり多大なご協力をいただいた日本大学医学部救急医学系救急集中治療医学分野の澤田奈実先生,日本大学医学部小児科学系小児科学分野の河村研吾先生に深謝致します.
本論文について,開示すべき利益相反(COI)はない.
1) 和泉 徹,磯部光章,河合祥雄,ほか:急性および慢性心筋炎の診断と治療に関するガイドライン(2009年改訂版).http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2009_izumi_h.pdf(最終アクセス2016年3月31日)
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