小児開心術症例の術後劇症悪性高熱症の1例
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悪性高熱症は,揮発性吸入麻酔薬や脱分極性筋弛緩薬が誘因と考えられ,周術期における致命的合併症の一つとされている.我々は,最近小児開心術症例で術後劇症悪性高熱症を経験したので,文献的考察をふまえて報告する.症例は11ヶ月男児,診断は心室中隔欠損症,Down症候群である.生後21日,肺動脈絞扼術と動脈管結紮術を施行した.今回根治術として,心室中隔欠損パッチ閉鎖と肺動脈絞扼解除を施行した.術後より40度の高熱が持続したが,循環動態は安定していた.第2病日に急激に右心不全を呈し,胸骨開放で小康をえた.第3病日に42度まで体温が上昇しCPKなどの上昇が認められ悪性高熱症と高度に疑い,ダントロレンの投与を開始し,マットを使用して体温調節を行った.第4病日より解熱傾向となり,特に後遺症を残さず救命できた.悪性高熱は,麻酔中の最高体温と麻酔中体温上昇速度を指標に劇症型と亜型に分けられ,さらに麻酔後に症状が起こる術後型に分類されている.本症例は,術後劇症悪性高熱症と考えられた.術後悪性高熱は,現在でも死亡率が12.2%と高く,心臓手術後の周術期管理で注意が必要である.
Key words: malignant hyperthermia; postoperative; pediatric cardiac surgery; complication
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