Online ISSN: 2187-2988 Print ISSN: 0911-1794
特定非営利活動法人日本小児循環器学会
Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery 31(5): 271-277 (2015)
doi:10.9794/jspccs.31.271

症例報告

感染性腕頭動脈瘤に対してカバードステント留置術を行った乳児例

1埼玉県立小児医療センター循環器科 ◇ 〒339-8551 埼玉県さいたま市岩槻区大字馬込2100番地

2埼玉県立小児医療センター心臓血管外科 ◇ 〒339-8551 埼玉県さいたま市岩槻区大字馬込2100番地

受付日:2015年3月9日
受理日:2015年7月13日
発行日:2015年9月1日
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感染性動脈瘤は破裂の可能性が高く,敗血症を合併することが多いため重篤な病態である.今回,先天性心疾患術後のMRSA縦隔炎に合併した感染性腕頭動脈瘤の乳児例を経験した.縦隔炎再燃の際に胸部造影CTで腕頭動脈瘤が判明した.動脈瘤が腕頭動脈を後方に圧排し,気管圧迫も認めていた.動脈瘤破裂の危険もあり準緊急でカバードステント留置を行った.カバードステントはバルーン拡張型の金属ステントにePTFEシートをロール状に縫着し作成した.右内頸動脈から計2個のカバードステントを留置し,動脈瘤は消失し気管圧迫も改善した.長期にわたる抗MRSA薬の併用で縦隔炎も寛解した.手技の合併症として右ホルネル徴候を術後に認めた.破裂の危険が迫る感染性動脈瘤に対してのカバードステント留置は治療の選択肢の一つとなりうる.

Key words: covered stent; aneurysm; mediastinitis; infant; MRSA

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