感染性腕頭動脈瘤に対してカバードステント留置術を行った乳児例
1 埼玉県立小児医療センター循環器科 ◇ 〒339-8551 埼玉県さいたま市岩槻区大字馬込2100番地
2 埼玉県立小児医療センター心臓血管外科 ◇ 〒339-8551 埼玉県さいたま市岩槻区大字馬込2100番地
感染性動脈瘤は破裂の可能性が高く,敗血症を合併することが多いため重篤な病態である.今回,先天性心疾患術後のMRSA縦隔炎に合併した感染性腕頭動脈瘤の乳児例を経験した.縦隔炎再燃の際に胸部造影CTで腕頭動脈瘤が判明した.動脈瘤が腕頭動脈を後方に圧排し,気管圧迫も認めていた.動脈瘤破裂の危険もあり準緊急でカバードステント留置を行った.カバードステントはバルーン拡張型の金属ステントにePTFEシートをロール状に縫着し作成した.右内頸動脈から計2個のカバードステントを留置し,動脈瘤は消失し気管圧迫も改善した.長期にわたる抗MRSA薬の併用で縦隔炎も寛解した.手技の合併症として右ホルネル徴候を術後に認めた.破裂の危険が迫る感染性動脈瘤に対してのカバードステント留置は治療の選択肢の一つとなりうる.
Key words: covered stent; aneurysm; mediastinitis; infant; MRSA
© 2015 特定非営利活動法人日本小児循環器学会
感染性動脈瘤は感染により動脈壁構造が破壊されて生じる瘤で,非感染性動脈瘤に比較して破裂頻度が高く,敗血症も合併するため極めて重篤な病態である.今回,先天性心疾患術後のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(以下MRSA)による縦隔炎に合併する感染性腕頭動脈瘤を経験した.腕頭動脈瘤はMRSAによる縦隔炎の再燃に伴って発生したものと考えられた.動脈瘤破裂による大量出血の懸念があり,動脈瘤によって気管圧迫が生じていることから,準緊急で自作のカバードステント(以下CS)留置による治療を行った.CS留置によって動脈瘤は退縮し,縦隔炎も抗MRSA薬によって寛解した.重篤な経過であったが,CS留置により救命し得た症例を経験したため報告する.
11ヶ月,男児,体重6 kg
発熱
特記事項なし
在胎41週0日,出生時体重2930 gで正常経膣分娩で出生.出生直後からのチアノーゼのため当院に搬送・入院した.心臓超音波検査から両大血管右室起始,肺動脈弁下心室中隔欠損,パラシュート僧帽弁,大動脈縮窄,卵円孔開存と診断した.SpO2値は右上肢で70%前後,心臓超音波検査では心房間交通は2 mm程度で狭小であった.lipo-PGE1を5 ng/kg/minで持続静注し動脈管の開存を維持した.日齢1にRashkind法によるバルーン心房中隔裂開術を行い心房間交通は7 mm程度に拡大した.その後は右上肢のSpO2値は85%まで上昇した.心臓超音波検査では両心室の容積は十分であったが,パラシュート僧帽弁の弁機能に不安が残り,将来的に単心室および二心室修復の両方の可能性があると考えられた.そのため日齢20に動脈スイッチ術(Lecompte modification)と肺動脈絞扼術,大動脈弓再建(extended aortic arch anastmosis)を行った.
術後は大動脈縫合部からの出血が多く,術当日に集中治療室での緊急開胸血腫除去術が行われた.開胸のまま集中管理を継続し,術後7日目にSpO2値は80%程度になるよう肺動脈の絞扼を微調整し閉胸した.閉胸の2日後に血清CRP値が急上昇(25.0 mg/dL)し,閉胸時に採取した縦隔内の擦過による細菌培養検体からMRSAが検出された.MRSAによる縦隔炎と診断し,抗菌薬をバンコマイシン(以下VCM)に変更し,深鎮静・人工呼吸・各種心血管作動薬を含む集中管理を継続した.VCMはトラフの血中濃度を10~15 µg/mLとなるよう投与量を調節したが,血清CRP値は5~6 mg/dL程度を推移し,間欠的な発熱も認めた.術後28日目に再々開胸し洗浄ドレナージ術を施行した.このときに感染により脆弱になった主肺動脈から出血し圧迫止血に長時間を要し,開胸のままexpanded polytetrafluoroethylene(以下ePTFE)シートを張り手術を終了した.術後30日目には気管内吸引を契機に胸部正中切開創部のePTFEシートが膨隆し血圧も低下した.大血管からの出血を考え緊急止血術を行った.右側開胸により人工心肺を確立し,胸骨正中のePTFEシートを除去し周囲の血腫を除去したところ,感染により肺動脈絞扼部が脆弱化しており肺動脈弁の直上から主肺動脈遠位部まで崩れ離断状態となった.主肺動脈は全周性にウシ心膜を用いて再建した.その後,創部の生理食塩水による洗浄を連日行い,抗MRSA薬(VCMおよびリネゾリド)を継続した.胸部正中創は軟部組織が増殖・充填され胸骨は離開した状態であったため,血清炎症反応の正常化を待ち,初回手術後68日目に大胸筋皮弁充填術を行った.術後84日目に人工呼吸器を離脱,術後102日目に抗MRSA薬の投与を終了した.胸部正中は大胸筋皮弁の辺縁の一部が深く掘れこみ盲端を形成しており,胸部CTで観察すると盲端は上縦隔内に達していた.抗MRSA薬投与中止後も感染兆候の再燃はなく,術後168日目(生後6ヶ月時)に退院した.退院後は利尿剤の内服のみで外来で経過観察されていた.
退院の5ヶ月後(生後11ヶ月時)に38度の発熱を認め,同日当科外来を受診した.末梢血白血球15,100/µL(好中球:83.2%,リンパ球:11.6%),血清CRP5.32 mg/dLと急性炎症反応の上昇を認めた.胸部正中創に発赤は認めなかったが少量の滲出液を認めた.縦隔炎再燃の可能性を考え入院とした.
胸部造影CTでは縦隔内軟部組織の輝度が上昇し,縦隔内と肺門部のリンパ節腫大を認めた.動脈瘤や膿瘍腔形成は認めなかった.入院時の胸部正中創の滲出液と静脈血からMRSAが検出された.MRSAによる縦隔炎の再燃および菌血症と診断し,VCMの投与を開始した.VCM投与開始後は速やかに解熱したが,末梢血白血球数は10,000/µL前後,血清CRPは2~3 mg/dL程度で推移したため,VCM投与開始から2週間後にVCMからダプトマイシン(以下DPM)に変更した.DPMに変更後は末梢血白血球数,血清CRP値ともに徐々に改善傾向を示した.入院の1ヶ月後に胸部正中創の上縁に小さな血腫が出現し,そこから大量に出血した.出血は圧迫によって止血されたが,出血量が多く輸血を必要とした.また,この頃には体位によって変化する上気道狭窄症状を認めるようになっていた.胸部造影CTを再検したところ右腕頭動脈から前方に大小二個の動脈瘤が連なって形成されており皮下に達していた(Fig. 1A, B).動脈瘤の存在によって腕頭動脈は後方に圧排され,気管を前方から圧迫していた.腕頭動脈瘤の起始部は初回手術時の送血のための人工血管を処理したクリップの近傍で,ここに縦隔内感染が波及したことによる感染性腕頭動脈仮性瘤と考えられた.この頃には発熱も認められず,末梢血白血球数は7,000~8,000/µLと正常化,血清CRP値は0.5~1.0 mg/dL程度であり,抗菌薬治療に対する反応は良好と考えられた.
A: Sagittal plane. B: Three dimensional reconstruction image of chest CT. The open arrows show the right brachiocephalic arteries. The closed arrows show the infectious aneurysms.
急速に拡大している動脈瘤であり出血の可能性が高く,気管を圧迫していることから緊急の治療が必要と考え,心臓外科チームと治療法について検討した.①外科的な腕頭動脈瘤の処理と②血管内治療について検討した.①については縦隔炎の既往があり腕頭動脈周囲の強固な癒着が予想されることから困難と考えた.②については動脈瘤内のコイル充填とCSによる瘤開口部の閉鎖を検討した.動脈瘤内のコイル充填は動脈瘤が脆弱な仮性瘤であることが予想され出血の懸念があること,動脈瘤容積の退縮が得られず気管圧迫が改善されないことから不適と考え,CSによる瘤開口部の閉鎖を試みることにした.
胸部造影CTでは腕頭動脈の直径は10 mm,大動脈弓起始部から総頸動脈と鎖骨下動脈の分岐部までの距離は21 mm,瘤開口部の直径は約4 mmであった.CSの直径は少なくとも12 mm程度以上,腕頭動脈瘤の開口部をカバーするためには長さは少なくとも10 mm程度が必要と考えられた.また総頸動脈と右鎖骨下動脈の分岐部にかからず腕頭動脈内に留置するためにはCSの長さは20 mm以下が適切と考えられた.本邦では末梢血管用として使用できる適切なサイズのCSが入手できないため,Palmatz large stent(P1808)と0.1 mm厚のePTFEシートを用いて作成した(Fig. 2).作成はまずPalmatz large stent(P1808)を直径6 mmのバルーンカテーテル(Sterling™ Boston Scientific Japan)で前拡張,ステントのセルを広げ,ステントのストラットに直径12 mmのロール状にしたePTFEシート(ゴアテックス®心膜シート)を直線状に縫着した.この自作CSを直径12 mm,バルーン長2 cmのバルーンカテーテル(XXL™ Boston Scientific Japan)にマウントし,ロール状のシートはステントに巻き付けるようにして用手的および絹糸を強く巻き付けることで十分に圧着させた.これを12Frのショートシース先端にローディングした.その際にはePTFEシートがまくれ上がらないようにするため,止血弁部分を切り落とした12Frショートシースに縦割を入れインサーターとして使用した.全身麻酔下に右内頸動脈を外科的にカットダウンし,CSをフロントローディングしたシースを挿入した.挿入の際には下行大動脈内にガイドワイヤーを留置し先行させた.大腿動脈から挿入した造影用カテーテルからの造影でCSと動脈瘤の位置を確認しながらCSを留置した.目的部位よりやや大動脈弓側にCSが留置されてしまったため,動脈瘤の遠位側が十分にカバーされない形となってしまった.このため留置後の造影ではCS遠位端からのリークを少量認めたが,瘤の退縮と血栓化を期待して手技を終了した(Fig. 3A, B).
A: Design of the hand-made covered stent. The upper panel shows the roll-shaped expanded polytetrafluoroethylene (ePTFE) sheet stitched onto the metallic stent. The lower panel shows the wound roll-shaped ePTFE sheet on the metallic stent. The closed arrow shows the length of the wound roll-shaped ePTFE sheet, which was pressed using a hand and silk thread. The open arrows show the edges of the metallic stent. B: Insertion into the 12Fr sheath through the slit sheath.
A: The brachiocephalic arterial angiogram. The open arrow shows the right brachial artery. The closed arrow shows the right subclavian artery. B: The covered stent was deployed at the brachiocephalic artery.
CS留置後は深鎮静・人工呼吸下で瘤の血栓化と縮小を期待して経過観察した.またDPMの投与は継続した.胸部造影CTを経時的に施行したところ,瘤のサイズはCS留置前に比べて縮小したものの残存し,気管の圧迫所見も残っていた.また臨床的にも気管圧迫による換気不全から人工呼吸器からの離脱が困難であった.そのため,エンドリークを完全に消失させ瘤を退縮させるため,初回CS留置から3週間後に再度CS留置することにした.初回と同様にCSを作成し,同様の方法で初回に留置したCSのやや遠位側にCSを追加留置した.留置後の造影ではエンドリークは完全に消失し,その後の胸部造影CTでは瘤は造影されなくなった(Fig. 4).CS追加留置の3日後の胸部造影CTでは瘤は血栓化・縮小し気管圧迫所見は改善しており,CS追加留置の10日後に人工呼吸器から離脱できた.
A: Sagittal plane shows disappearance of the aneurysms and patency of the trachea. B: Three dimensional reconstruction image of chest CT. The open arrows show the covered stent deployed at the brachiocephalic artery. The closed arrow shows patency of the trachea.
人工呼吸器離脱後に右ホルネル徴候(眼瞼下垂と縮瞳)を認め,右総頸動脈のカットダウンに伴う合併症と考えられた.CS留置後の頭部CTでは梗塞および出血を疑う所見は認めず,神経学的症状も認めなかった.経過中DPMの投与は継続した.血清CRPは入院時をピークに1~4 mg/dL程度を推移し,CS追加留置の頃には陰性化を維持できていた.DPMは約2ヶ月間投与しその後中止したが,発熱や血液炎症反応の再燃はなく経過した.DPM中止後はST合剤の内服を継続した.CS追加留置の2ヶ月後に心臓カテーテル検査を行ったが,ステント内狭窄は認めず動脈瘤も認めなかった.また頸部血管超音波検査でもCS前後の血流は良好に検出されていた.CS留置の約3ヶ月後に退院となった.
縦隔炎は縦隔洞内の細菌感染で,小児心臓術後の0.2~5%に発生するとされる1).診断は胸骨切開創部または縦隔内の状態(肉眼的炎症所見や細菌学的検査)と全身性急性炎症反応(発熱,末梢血白血球数の増多,血清CRP上昇など)による1).小児心臓術後の縦隔炎のリスク因子としては低年齢,栄養状態不良,術前の気道感染などが挙げられており2),特にMRSAによる縦隔炎のリスク因子としては術前の鼻腔内MRSA保菌が指摘されている3).本症例では術前の鼻腔内細菌培養検査は施行されておらず,術前のMRSA保菌については不明であるが,本症例の経験を踏まえて当院では術前の鼻腔内細菌培養検査をルーチンとした.
動脈瘤の成因は①感染性心内膜炎由来の細菌が付着した微小塞栓子が動脈壁の血管壁内血管や動脈内腔を塞栓し,動脈壁への感染が成立する場合,②動脈硬化巣などの障害された動脈内膜へ血中から菌が付着し感染が成立する場合,③隣接するリンパ節などの感染巣からの波及,④外傷由来の感染がある4).本症例ではMRSAによる縦隔炎の既往があり,再燃した縦隔炎が初回手術時に使用した送血のための人工血管の吻合部近傍に波及し,腕頭動脈壁に感染が起こったものと考えられる.乳児において縦隔炎が近傍の動脈に波及することで発生した動脈瘤の報告は少数ながら散見される5–7)
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感染性動脈瘤の治療としては原因菌に感受性のある抗菌薬投与が重要であるが,感染性動脈瘤は仮性瘤であることが多く血管壁が脆弱なため,抗菌薬治療中に動脈瘤が破裂する危険がある.破裂例や症候性瘤では早急な出血コントロールと動脈血行再建および敗血症のコントロールが必要となる8)
.本症例では動脈瘤が皮下に達し破裂した既往があること,入院時に胸部造影CTで認めなかった動脈瘤が急速に大きくなっていると考えられたこと,動脈瘤の存在により気管圧迫が生じていることから早急な治療が必要と考えた.
成人領域での感染性大動脈瘤の治療は瘤を含む感染巣の除去,およびホモグラフトなどの抗感染性材料を用いた血行再建という開胸手術が理想的である.しかし,この場合の死亡率および合併症率は11~40%と報告されており9)
,手術後の予後は不良である.一方でCSによる治療は感染を起こした動脈壁に接して新たな異物を留置するという問題点はあるものの,適応を選べば成績は比較的良好であるとする報告がみられるようになってきた9–11)
.本症例においては心臓外科チームとも外科的手術と血管内治療の両方について協議したが,縦隔炎の既往があり腕頭動脈周囲の強固な癒着が予想されることから外科的手術は困難と考えた.血管内治療については動脈瘤内のコイル充填とCSによる瘤開口部の閉鎖を検討した.動脈瘤内のコイル充填は動脈瘤が脆弱な仮性瘤であることが予想され出血の懸念があること,動脈瘤容積の退縮が得られず気管圧迫が改善されないことから不適と考えた.なお,今回のCS治療は緊急性が高く時間的猶予がなかったため,院内の倫理委員会などでの検討は行うことができなかった.当院の心臓外科と循環器科のチーム内で十分なディスカッションを行い,患児の御両親には,本邦では適したCSがないため市販のステントを加工して治療に使用すること,および感染部位に対する異物留置のデメリットなどを十分に説明し治療を行った.
心大血管手術後の動脈瘤に対するカバードステント治療の乳児例の報告は少数ながら散見される12,13)
が,縦隔内の感染性動脈瘤をCSで治療した乳児例の報告は見当たらない.結果的に本症例ではCS留置によって動脈瘤は退縮し,気管圧迫も消失した.感染症の治療として長期にわたる抗MRSA薬の経静脈投与を要し,経静脈投与終了後も再燃予防の目的でST合剤の内服を行っているが,現在までのところ縦隔炎の再燃は認めていない.
現在,本邦では小径の血管内CSは市販されていないため,CSは自作する必要があった.既成の金属ステントに0.1 mm厚のePTFEシートを用いてロール状の被覆部を作製した.ステントとシートは長軸の1辺でのみ固定されるよう作成し,シースへ挿入する際はシートがまくれ上がらないように注意して挿入した.ePTFEシートはX線検査では確認できないものの,超音波による観察では血管壁と金属ステントの間に収まっており,CS前後の血流も良好に観察された.留置の際は12Frと大口径のシース挿入が必要であったため,大腿動脈ではなく外科的カットダウンによる右内頸動脈アプローチを選択した.右内頸動脈の血流遮断時間は2回のCS留置ともに約20分程度であった.合併症として右ホルネル徴候(眼瞼下垂と縮瞳)を認めたが,臨床症状および画像診断上も頭蓋内の出血や梗塞などの合併症は認めなかった.本症例と同様に小児の腕頭動脈にCSを留置した報告の中に気管切開患者の気管腕頭動脈瘻の止血目的にCSを留置したものがある14)
.気管カニューレの長期にわたる圧迫による気管腕頭動脈瘻であるが,留置したCSが気管を圧迫壊死させ長期的な再出血の問題があるようである.本症例では縦隔内で動脈瘤が大きな容積を占め,腕頭動脈を後方に圧排することで気管圧迫を呈していた.腕頭動脈に硬いCSを留置することは気管への圧迫を増悪させる心配もあったが,実際はCSを留置後は動脈瘤が虚脱・吸収されることで気管圧迫は改善した.現在のところCS留置から1年6ヶ月が経過しているが,気管圧迫,動脈瘤および縦隔炎の再燃は認めていない.
先天性心疾患術後のMRSA縦隔炎からの感染性腕頭動脈瘤を経験した.外科的な動脈瘤の治療は縦隔炎の既往があり困難と考えられ,経皮的な自作CS留置と強力な抗MRSA薬投与によって寛解を得た.破裂の危険が迫る感染性動脈瘤の治療においてCS留置は有力な治療選択肢となりうる.
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