当センターにおける消化管閉鎖合併の先天性心疾患の現状と今後の課題
北海道立子ども総合医療・療育センター循環器病センター ◇ 〒006-0041 北海道札幌市手稲区金山一条1丁目240番6号
背景:消化管閉鎖に先天性心疾患(CHD)を合併する場合には,先行手術,術式の選択など外科的治療戦略が重要になる.当センターにおける消化管閉鎖合併の先天性心疾患の現状と今後の課題を明らかにするために,自験例を後方視的に検討した.
方法:1979年1月から2011年12月までの32年間に当センターに入院し,治療を受けた消化管閉鎖442例を対象とし,消化管閉鎖合併のCHDを検討した.
結果:CHDを合併したのは76例であり,食道閉鎖,十二指腸閉鎖,重複合併疾患で合併率は高い傾向にあった.また,CHD合併群は非合併群より死亡率が高かった.CHD合併群に対する外科的治療戦略として,心臓手術よりも消化管手術を先行する例が多かった.食道閉鎖にCHDを合併した場合は,低出生体重児や18トリソミーの合併が多く,現在も予後不良であった.
結語:CHDを合併した消化管閉鎖の治療成績は向上しているが,食道閉鎖のCHD合併例は現在も予後不良である.
Key words: surgical management strategies; congenital heart disease; congenital anomalies of the gastrointestinal tract; esophageal atresia; low birth weight infants
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