Online ISSN: 2187-2988 Print ISSN: 0911-1794
特定非営利活動法人日本小児循環器学会 Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery
Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery 39(1): 3-8 (2023)
doi:10.9794/jspccs.39.3

ReviewReview

先天性心疾患に対する冠動脈移植術に伴う冠動脈閉塞性合併症手術法の検討と提言Coronary Obstructive Complication Following Coronary Transfer Procedures for Congenital Heart Disease: Evaluation of Surgical Managements and Proposal for Guidelines

1公益財団法人 循環器病研究振興財団Japan Cardiovascular Research Foundation ◇ Osaka, Japan

2国立循環器病研究センターNational Cerebral and Cardiovascular Center ◇ Osaka, Japan

受付日:2022年9月9日Received: September 9, 2022
受理日:2022年12月21日Accepted: December 21, 2022
発行日:2023年2月1日Published: February 1, 2023
HTMLPDFEPUB3

冠動脈移植手術(coronary transfer)を要する小児期手術後の冠動脈狭窄や閉塞は稀であるが,重篤な合併症で手術死・遠隔死の重要な原因となる.この早期発見と早急な対処は手術成績,遠隔期成績の改善に通じる.この合併症は新生児期に行う大血管転位症に対する動脈スイッチ手術(arterial switch operation: ASO)において特に重要である.低体重で,かつ冠動脈の異常が少なくないからである.この合併症に対して2つの手術法が存在するが,その適応基準は定められていない.1つは外科的冠動脈口パッチ形成術(surgical ostial angioplasty: SOAP),他は内胸動脈グラフトを用いた小児冠動脈バイパス法である(pediatric coronary artery bypass surgery with an internal thoracic artery graft: PCABS-ITA).両法にはそれぞれ利点と欠点があるが,早期成績には両者の差は明らかでない.現状では病変の重症度と範囲に鑑みながら,急性期の緊急救命手術にはSOAPがI(C),PCABS-ITAがIIa(C),ASO術後遠隔期の冠閉塞には,新大動脈の拡張や弁閉鎖不全,右室流出路狭窄等がなければPCABS-ITAがI(C),SOAPがIIa(C)と考えている.今後,遠隔成績の追跡が重要となる.幸い稀な合併症であるため,databaseによる遠隔成績の解析が必須である.

Coronary artery obstructive complications after coronary transfer procedures needed for congenital heart surgery are rare but serious, and it frequently results in death or severe heart failure that requires extracorporeal membrane oxygenation (ECMO) use in the early and late phases of surgery. This complication is particularly crucial in an arterial switch operation for transposition of the great arteries (TGA), which is conducted at the newborn to infant stage when there is a low body-weight. In addition, TGA is commonly associated with various anatomic coronary abnormalities. The following two surgeries are employed to manage this complication: redo of coronary anastomosis, often with autologous patch enlargement (surgical ostial angioplasty: SOAP), and pediatric coronary artery bypass utilizing the internal thoracic artery (PCABS-ITA). Both procedures have advantages and disadvantages compared with the other, but early surgical survival results are equivalent. Based on several database analyses, I currently suggest SOAP as I(C) and PCABS-ITA as IIa(C) for a rescue operation where coronary obstruction is due to mechanical compression, kinking, and/or stretching. For late coronary complications where fibroproliferative obstruction is the main cause, PCABS-ITA as I(C)and SOAP as IIa(C). Furthermore, tight stenosis (>90%) or total obstruction extending into the bifurcation area of the left main trunk favors for PCABS-ITA, and localized left main stenosis of mild degree favors SOAP. Careful follow-up and late results are crucial. Because this is a severe but rare complication, a long-term database analysis is essential.

Key words: coronary transfer; arterial switch operation; coronary obstruction; surgical angioplasty; pediatric coronary bypass surgery

はじめに

冠動脈移植手術(coronary transfer)を要する先天性心疾患手術後の冠動脈狭窄・閉塞症は術中の急性心不全,難治性心室性不整脈の多発,体外循環離脱困難状態からECMO(extracorporeal membrane oxygenation)装着,さらに,術後の突然死や心筋梗塞の発生,虚血性心不全から心臓移植の対象となることがある重篤な合併症である.冠動脈移植手術を伴う手術後の急性期・遠隔期成績の向上には吻合された冠動脈口の状態の把握は重要なチェックポイントであり,問題があれば迅速な対応が必要である.本論文では先天性心疾患手術に伴う冠不全に対する対処について考察し,いささかの提言をしたい.

対象疾患と冠動脈閉塞合併症の頻度と死亡率

先天性心疾患手術で冠動脈移植手術が必要となる手術のすべてで吻合部の狭窄から閉塞の可能性があるが,その頻度は5~12%と大きく開きがある1–3).冠動脈口の吻合技術や最初からのパッチ補填術など諸技術の進歩した現状では2~3%位と考えるのが妥当であろう4, 5).対象疾患は左冠動脈肺動脈起始症,左冠動脈不形成,小児期Ross手術,大血管転位症(TGA)に対するArterial Switch Operation(ASO, Jatene手術)等であるが1),最も頻度の高いのは新生児期に行う大血管転位症(TGA)に対するASOの術後である.低体重に加え冠動脈起始・走行異常が多いからである6).2006年の報告ではASO術後の急性期死亡の50%,遠隔期死亡の100%が冠動脈合併症によるとされている7).さらに,ASO生存者の11~12%以上に遠隔期冠動脈に狭窄・閉塞がみられるという最近の報告がある8, 9).そこで本論文では主たる原疾患をASO術後として,対処法等について検討したい.

手術法と成績

冠動脈移植術後の冠動脈起始部の狭窄や閉塞は(1)術直後の心筋虚血—急性心不全として,例えば,体外循環離脱困難な状態や強い低心拍出量症候群(LOS),難治性心室性不整脈の多発等を呈し,しばしばECMOを必要とする場合と(2)術後いったん回復し,退院後に心筋虚血を呈し,突然死や心筋梗塞,さらには慢性虚血性心不全から心臓移植の対象となるものがある.ASO後の小児の心筋虚血は無症状のことが少なくなく,ASO術後6か月~1年以内に突然死や突然の心筋梗塞として発症することが多い10, 11).前者(1)に対する再手術は緊急救命(rescue)手術,後者(2)に対する手術は可及的早期に手術が必要な準緊急(urgent)あるいは予定(scheduled or planned)手術と分類される6)

手術法には異なる2つの方法がとられてきた.1つは冠動脈吻合部の再手術で大部分の症例で自家組織パッチによる拡大が行われる外科的冠動脈口形成術(surgical coronary ostial angioplasty with an autologous patch: SOAP)である12–14).パッチ素材としては自己の大伏在静脈,奇静脈,肺動脈壁の一部,心外膜などが用いられているが短期的には差がない.長期的にみて,どれが最適かは決定されていない15).もう1つの方法は有茎内胸動脈(internal thoracic artery: ITA)グラフトを用いたバイパス手術(pediatric coronary artery bypass surgery with an ITA graft: PCABS-ITA)である1, 12, 16, 17).両者には各々利点と欠点があり,それをTable 1に示した.要約するとSOAPの欠点は緊急救命手術であると体外循環,大動脈遮断時間が大幅に延長されること.PCABSの欠点は細い血管吻合であるため,顕微鏡の使用など,熟練を要することである18–22).手術成績をみると,現在のところ両法の早期成績には大きな差はみられないが15, 18–21),遠隔期成績は未解決であるため,今後の検討を要する重要な問題である.2018年Thammineniら2)はPediatric Cardiac Care Consortium databaseを用い,術後20年までの追跡を報告しており,その心移植なしの生存率(院内死亡例を含む;Kaplan–Meier法)はPCABSのほうが75%とSOAPの45%に比してより良好であるが症例数はPCABS 36例(死亡9, 25%),SOAP 31例(死亡11, 35.5%)と少なく有意差は得られていない(Log-Rank p=0.28).

Table 1 冠動脈移植手術後の冠狭窄・閉塞に対する冠再建手術法
Surgical Coronary Ostial Angioplasty (SOAP)Pediatric CABG with ITA (PCABS)
アプローチ全ASO吻合部を解除剥離は不要,心表面と内胸動脈グラフトの剥離のみ
大動脈遮断時間長い短い
冠潅流の向き順行性冠潅流一部逆行性(障害の証拠は無い)
利点・欠点病変部(手術早期:機械的狭窄,手術遠隔期:線維増殖性)に直接手術をする 
再狭窄の可能性がある
病変部には触れない 
幼小児であるため冠動脈・内胸動脈共に細い 
冠吻合部狭窄 
入口部狭窄が軽度であるとグラフトの糸状化,閉塞の可能性がある
パッチ又はグラフト種々の自己組織が用いられる 
ITAは残せる(後生での利用)
内胸動脈(ITA)を使用 
成人期に入れば多数の動脈グラフトが使用可能 
(温存する意味は高くない)

緊急救命手術での死亡率は高く,いずれの手術法を用いても25~75%に上る2, 3, 6).この場合,多くの患児はECMOが装着されている.ECMO装着の理由は冠虚血と限らないが,JCVSD登録ASO術後には5.7%にECMOが必要となり,その死亡率は56%に及んでいる6).ECMO装着例では緊急の冠動脈評価が重要である.ASO後の冠閉鎖に対する緊急救命手術では新生児期の手術や低体重などリスク因子を複数伴っている6)ので死亡率が高い.一方,より対象年齢や体重の大きい他疾患群後のものでは成績が良い1–3).遠隔期における準緊急,予定手術での手術成績はいずれの手術方法でも良好で,0~3.8%の死亡率である2, 3, 6)Table 2).

Table 2 冠再建手術時期と死亡率(症例数)
Databasen急性期緊急救命
(rescue)手術死亡率
遠隔期
準緊急・予定(urgent or planned)手術死亡率
PCCC*1 (USA)12329.8%0%
30(ASO)
ECHSA*2 (Europe)8032% (11/34)3.8% (3/80)
37(ASO)
JCVSD*3 (Japan)13(ASO)75% (6/8)0% (0/5)
*1PCCC: Pediatric Cardiac Care Consortium [Ref. 2], *2ECHSA: European Congenital Heart Surgeons Association [Ref. 3], *3JCVSD-CS: Japan Cardiovascular Surgery Database-Congenital Section [Ref. 6]. 
ASO, arterial switch operation.

世界のデータベースからの報告と日本のデータとの比較

先天性心疾患に対する冠動脈移植術の合併症の頻度はASOの手術が世界に普及していった2000年頃まで比較的高かった10)が,最近はその頻度は2~3%と重要であるが稀な合併症となり,解析可能な充分な症例数を1施設では集めることは困難で,多くの報告はsurgical databaseの解析である.アメリカからはPediatric Cardiac Care Consortium(PCCC)のdatabaseのもの2),ヨーロッパからはEuropean Congenital Heart Surgeons Association(ECHSA)database3)である.日本のものはJCVSD Congenital Section(CS)databaseをまとめて報告したASOに関する我々の報告である6).これらの比較検討したものがTable 2, 3であるが,私どもの報告6)のsupplement dataとして発表したものを改訂したものである.

Table 3 冠動脈移植術を伴う先天性心疾患術後の冠閉塞性合併症:外科的冠動脈口形成術(SOAP)と小児冠動脈バイパス手術(PCABS)
Database症例数 冠動脈手術時年齢(中間:範囲)SOAP*4 
症例数 手術時年齢(中間:範囲)
PCABS*5 
症例数 手術時年齢(中間:範囲)
PCCC*1 
(USA) 
(1982~2011)
n=123 
POST ASO 
n=30 (27%)
4.4歳(3日~17.4歳)n=51 (41.5%)  
POST ASO 
n=11 (37%)
2.6歳(5日~16.7歳)n=72 (58.5%)  
POST ASO 
n=19 (63%)
6.8歳(3日~17.4歳)
ECHSA*2 
(Europe) 
(1973~2011)
n=80 
POST ASO
n=37 (46%)
2.3歳(2日~16.9歳)n=15 (19%) 
POST ASO
n=5 (14%)
n=65 (81%) 
POST ASO 
n=32 (86%)
JCVSD*3 
(Japan) 
(2011~2018)
POST ASO
n=13
rescue 24日
(4~234日)
n=7 (54%)40日(6~234日)n=6 (46%)96日(4~501日)
urgent 111日 
(93~501日)
体重(kg)2.7 (2.3~6.3)体重(kg)3.9 (2.7~9.1)
*1PCCC: Pediatric Cardiac Care Consortium [Ref. 2], *2ECHSA: European Congenital Heart Surgeons Association [Ref. 3], *3JCVSD-CS: Japan Cardiovascular Surgery Database-Congenital Section [Ref. 6], *4SOAP: Surgical Ostial Angio-Plasty, *5PCABS: Pediatric Coronary Artery Bypass Surgery.
ASO, arterial switch operation; POST ASO, PCABS or SOAP for post ASO patients only.
米・ヨーロッパではASOに限ってもPCABSがSOAPより多く,PCCCではPCABS 58.5%,SOAP 41.5%であり,ECHSAではPCABS 81%,SOAP 19%であったが,JCVSDではPCABS 46%,SOAP 54%と逆転している.PCABSのほうが手術時年齢・体重の中間値はSOAPより高いが,最小年齢や最小体重には差がない.

PCCC2),ECHSA3)からの冠動脈再建報告はASO後の冠動脈閉塞に特化したものでないが,それぞれASO後例は30(27%),37(46%)であった.一方,本邦では13例(ASO 1,083例中)(JCVSD-CS)である.Table 3に示したごとく,ASO後の冠再建2法の使用頻度は米国,ヨーロッパではPCABSが63~86%と高く,SOAPは14~37%と低い.一方,JCVSD-CSではSOAPのほうが多くなっている(54% vs 46%).各々の方法でみられる特徴はPCABSはSOAPより適応年齢が高い者が多いが,最低年齢者はPCABS 3日,SOAP 5日と差はない(Table 3).ECHSAの報告3)でもASO後はPCABS 86%,SOAP 14%と,PCABS適応例数が多く,PCABSが決して稀な方法ではないことを示している.一方,日本ではSOAP 54%,PCABS 46%と逆転していた.

これらの各報告の成績を見ると,前述したごとくASO後に行われる冠血行再建術2法間に生存率等の有意差はみられていない2, 3, 21).ヨーロッパの報告では両法を併用したものが13%と少なくない3).両法併用はfail-safeを見越してのものであるが,SOAPがうまくいけばPCABSのITA-graftは糸状化から閉塞することがある.SOAPがうまくできているかどうかの確認が必要であり,冠動脈SOAP後すぐに冠動脈造影が行いうるハイブリッド手術場での手術が勧められる1).SOAPがうまく行えておれば,PCABSの追加は不要である.一方,PCABS-ITAは新生児では1 mm弱の血管吻合となるため訓練が必要であり,顕微鏡下の吻合手術が勧められる18–20, 22).おそらくこの状況を反映してバイパス術の経験のある術者はPCABSを,それのない小児専門病院での術者はSOAPを選択する傾向があると思われる15).PCABSは色々な施設で行われているが,いずれも成績は良好で,ITAを利用したものが主流となり,静脈グラフトの利用は勧められなくなっている1, 18, 23–28).私は小児専門の心臓外科医にも手術顕微鏡の使用やバイパス手術のための訓練を受けてもらえればと思っているが,稀な合併症のためoff-JOB訓練が重要であろう20).遠隔期におけるITAグラフトの成長性18, 23)については疑いなく,遠隔期の問題は発生していない18, 20, 29)

早期発見の重要性と対処法の選択

手術急性期の体外循環離脱困難状態の発生や重篤な心不全に陥る場合,速やかに冠再建の決断が必要である.このためには,冠動脈血流不足を可視化するため,血管造影が必要となるが,冠動脈移植術直後に大動脈遮断鉗子を解除して心拍動を再開させ,心筋保護液注入ルートからの造影をルーチン化あるいは特に壁内冠動脈走行例や起始異常のある症例などでは必ず施行してはどうかと考える.そのためにはASO等の手術を,小児用に改良を要すると思われるがハイブリッド手術室で行うとよい.この時点で問題がわかれば,肺動脈壁パッチ等による拡大手術を速やかに行いうる.前方に移動させる肺動脈吻合後では全て吻合部を解除しなければならなく,手術のリスクファクターである大動脈遮断時間6)が延長し,出血量も増える15).一方,退院後から手術遠隔期に心筋虚血や冠狭窄病変が発見された場合では,新大動脈の拡大や大動脈弁閉鎖不全,新肺動脈吻合部狭窄などがなければ,旧手術創の剥離を要しないITAによるバイパス手術が簡便である.このため,ASO後時間を経た,年齢や体重の高い小児に対してPCABSが多く行われる傾向がある2, 3)

2017年にEJCTS誌に発表されているTGA(IVS)に関するガイドライン30)によれば,Section 8.4 Reoperation for coronary lesionsにTGA(I型)後の冠動脈不全の対応法としてSOAP法は推薦度I(エビデンスレベルC),PCABS法はIIa(C)となっている.しかし,選択基準はなく,術者の判断によるところとなっている.重篤な心不全や突然死を生ずる合併症に対する対処法として有効な2手術法が存在することは好ましいことであるが,両法の選択には迷うことが多いのも事実であり,より明確な適応基準やガイドライン改訂が求められていると感じる.

一方,2022年に発行されたわが国の「先天性心疾患術後遠隔期の管理・侵襲的治療に関するガイドライン」31)では冠動脈病変への治療としてPCI, SOAP, PCABSが挙げられているが「長期的予後は現在のところ不明である」と記されている.私は吻合部の屈曲や伸展など機械的狭窄解除を主とする早期緊急救命手術ではSOAP I(C),PCABS IIa(C),ほかの合併症のない繊維増殖性狭窄を主とする遠隔期ではPCABS I(C),SOAP IIa(C)と考える.さらに,病変狭窄度が高く(>90%),または完全閉塞しているもの,左幹冠動脈分岐部に及ぶものはPCABSがよいと考える(I(C)).

今後,日本小児循環器学会やJCVSD-CSには,1)複雑心奇型の予後について10, 20年の遠隔成績を明らかにするために,遠隔期データの集積に取り組むこと,2)冠動脈移植手術後,冠動脈造影による確認をルーチン化するには小児用ハイブリッド手術場における新生児手術の施行,などを検討してもらいたいと思っている.必ずや当該手術後の手術成績の向上につながるものと信じている.ASOの30日死亡率3.2%(ECMO症例死亡n=24,退院後死亡n=1)に比して,ECMO症例死亡n=33といったん退院後の突然死(n=9)の増加を含む90日死亡率が5.2%と高めにとどまっているわが国の現況6)を改善する方策を検討してもらう契機になれば幸いである.退院後の突然死には冠狭窄・閉塞合併症が見過ごされている可能性が高いからである32)

利益相反

本稿について申告すべき利益相反はない.

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