日本小児循環器学会雑誌 Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Online ISSN: 2187-2988 Print ISSN: 0911-1794
特定非営利活動法人日本小児循環器学会 Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery
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Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery 36(3): 177 (2020)
doi:10.9794/jspccs.36.177

特集特集

日本小児循環器学会第16回教育セミナー特集にあたって

順天堂大学小児科

発行日:2020年10月1日Published: October 1, 2020
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2019年6月29日に行われた日本小児循環器学会第16回教育セミナーの内容が,総説の形でまとまりました.各分野のエキスパートの先生方が,講義内容を解りやすく解説されている素晴らしい内容となっております.

日々臨床の現場では,我々は膨大な量の情報に囲まれています.診察所見や各種検査データのみならず,病棟ではモニターから提供され続ける生体連続データなど,患者の状態について膨大な判断材料が存在します.しかしながら同じデータを得たとしても,患者の同じ状態を示しているとは限りません.そこで必用になってくるのが呼吸生理,薬理,循環生理の知識と考え方です.そのため今回の教育セミナーを下記のように構成しました.

第1部では,各分野のエキスパートの先生方に,膨大な知識や経験の中から教育セミナーのために内容を選び抜いて講義をしていただき,その内容を総説としてまとめていただきました.

  • 第1部:基本とステップアップ・小児循環器疾患管理
    1. 呼吸生理を踏まえて呼吸管理:静岡県立こども病院循環器集中治療科 大﨑真樹先生
    2. 薬理を押さえて薬物療法:札幌徳洲会病院小児科 村上智明先生
    3. 循環生理をわかって評価と治療:北里大学小児科 齋木宏文先生

これらの総説を読んでいただくと,知識も重要ですが,考える道筋を重視されていることがわかると思います.呼吸生理,薬理,循環整理には,すべて“理”がついています.理,ことわりは,物事の道筋や道理を意味する漢字です.正に字のごとく,呼吸生理,薬理,循環生理について考える道筋や道理についても学ぶことのできる内容となっております.また貴重な症例報告の情報も含まれておりますので,実臨床に応用するにあたって,得るものの大変大きい内容となっております.

後半の第2部は,第1部とは一変して,臨床現場の要であるカンファレンスがテーマとなりました.カンファレンスの在り方を主題とした教育セミナーは初の試みとなります.

  • 第2部:カンファレンス力をアップ,先天性心疾患各論
    1. 内科医が外科医に求めること:JCHO中京病院小児循環器科 加藤温子先生
    2. 外科医が内科医に求めること:新潟大学心臓血管外科 白石修一先生
    3. こんな症例をセカンドオピニオンに出しました:JCHO中京病院心臓血管外科 櫻井寛久先生

この3編を通して読んでいただくことによって,カンファレンスに向けて具体的に用意すべき情報,カンファンレンスをより効率的かつ効果的に行う方法,セカンドオピニオンに出した,治療方針の決定に難渋した症例や,他施設と治療方針が異なる可能性がある症例について学べます.

教育セミナーにご参加の先生方が所属する施設は,複雑心奇形も扱い,定期的に規模の大きいカンファレンスを行っている施設から,手術を行っていない施設まで,様々な環境があると思います.現在カンファレンスを定期的に行っている施設で働いている先生にとっては,カンファレンスへのより良い参加の仕方や,カンファレンスをより良くする方法を学ぶ貴重な機会となります.手術を行っていない施設で働いている先生方にとっては,将来経験するであろう,カンファレンスへの参加の方法を学ぶ絶好の機会となります.

これらの総説を読み込んでいただいて,前半で基礎力を,後半で応用力を高めていただき,教育セミナーを是非とも有効にご利用ください.

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