Online ISSN: 2187-2988 Print ISSN: 0911-1794
特定非営利活動法人日本小児循環器学会 Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery
Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery 36(2): 143-149 (2020)
doi:10.9794/jspccs.36.143

症例報告Case Report

総肺静脈還流異常を合併した垂直静脈狭窄に対するステント留置中のバルーンエントラップメントEntrapment of a Balloon Catheter during Stent Implantation for Vertical Venous Stenosis in Two Neonates with Single Ventricle and Total Anomalous Pulmonary Venous Connection

1独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)九州病院小児科Department of Pediatrics, Japan Community Healthcare Organization, Kyushu Hospital ◇ Fukuoka, Japan

2独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)九州病院心臓血管外科Department of Cardiovascular Surgery, Japan Community Healthcare Organization, Kyushu Hospital ◇ Fukuoka, Japan

受付日:2018年11月13日Received: November 13, 2018
受理日:2019年11月18日Accepted: November 18, 2019
発行日:2020年6月1日Published: June 1, 2020
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近年,単心室・総肺静脈還流異常症(TAPVR)の垂直静脈狭窄に対して,新生児早期の手術を回避すべく姑息的ステント留置が行われている.垂直静脈ステント留置に伴うバルーンエントラップメント2例を経験した.【症例1】在胎40週5日,出生体重3,552 g.単心室,肺動脈狭窄,上心臓型TAPVRの男児.左上大静脈へ還流する垂直静脈狭窄のため出生当日肺うっ血を認め,左内頚静脈よりステント(Express SD® 6 mm)を留置した.ステントにウエストが残存した状態でバルーン回収を試みたが抜去困難となった.【症例2】在胎39週4日,出生体重2,882 g.左心低形成症候群,上心臓型TAPVRの女児.生後1日目,右上大静脈へ還流する垂直静脈の狭窄に右内頚静脈よりステント(Express SD® 8 mm)を留置した.ステントのウエストが残存した状態でバルーン回収を試みたが難渋した.いずれの症例もシースやカテーテルの操作で抜去することができた.垂直静脈狭窄へのステント留置の際は,バルーンエントラップメントを憂慮すべき合併症として認識する必要がある.

To avoid surgical interventions in the management of neonates with single ventricle and total anomalous pulmonary venous return, stenting in the narrowing vertical vein can be performed. We report two cases of balloon entrapment during stenting in such procedures. (Case 1) A 3.5-kg boy born at 40 weeks’ gestation was diagnosed with single ventricle, pulmonary stenosis, and supracardiac total anomalous pulmonary venous return. He developed pulmonary congestion, visible on chest X-ray, due to the narrowing vertical vein draining into the left superior caval vein. Soon after birth, we performed stenting (using Express SD® 6 mm) in the vertical vein with a left jugular vein approach. However, the balloon became entrapped in the stent with a waist after deflation. (Case 2) A 2.8-kg girl born at 39 weeks’ gestation was diagnosed with hypoplastic left heart syndrome and supracardiac total anomalous pulmonary venous return. We performed stenting (using Express SD® 8 mm) in the vertical vein on the day after birth, approaching from the right jugular vein. However, the balloon was entrapped in the stent with a waist and we had difficulty withdrawing the balloon catheter. In both cases, the balloon catheters were able to be withdrawn by manipulation of the sheath and catheter. Balloon entrapment should be acknowledged as a possible serious complication of stenting in the non-compliant vertical vein in neonates with total anomalous pulmonary venous return.

Key words: total anomalous pulmonary venous return; vertical vein; pulmonary venous obstruction; stent implantation; complication; balloon entrapment

緒言

垂直静脈狭窄を伴う総肺静脈還流異常を合併した機能的単心室症例において,新生児早期の外科的治療を回避するべく,姑息的に垂直静脈ステント留置を行い,生後の肺循環の安定待機後に総肺静脈還流異常修復を行う治療方針が選択されつつある1–3).また,この治療戦略により総肺静脈還流異常を合併した機能的単心室の1年生存率が改善しつつある1).当院においても2011年から総肺静脈還流異常を合併した機能的単心室症例3例に垂直静脈へのステント留置を行った.しかし3例中2例においてステント留置中ステントの一部にウエストが残存し,回収時のバルーンカテーテルのエントラップメント(抜去困難)を生じた.成人の急性冠症候群に対する冠動脈狭窄へのステント留置時,石灰化病変が存在する場合やバルーン破裂の際にバルーンエントラップメントを生じることが知られ,注意すべき合併症の一つと認識されている4, 5).小児においては,垂直静脈へのステント留置時に垂直静脈の狭窄部が硬化病変のため,ステントに部分的なウエストが残存する例が報告されている6).バルーンエントラップメントは垂直静脈へのステント留置の際に憂慮すべき合併症の一つであり,当院において経験した2例を報告する.

症例

症例1

男児.在胎40週5日,出生体重3,552 g, Apgar score 1分後8点,5分後9点で近医産科において出生した.出生直後から呼吸障害,中心性チアノーゼを認めたため出生当日に当院NICUへ入院した.胎児診断はなかった.心拍数120回/分,呼吸数40回/分,血圧59/34 mmHg, SpO2 80%(室内気).四肢,体幹のチアノーゼがあり,肋骨弓下に軽度陥没呼吸を認めた.呼吸音に異常はなく,左右差を認めなかった.心音はII音が単一亢進し,胸骨右縁第4肋間にLevine II/VI度の逆流性収縮期雑音を聴取した.胸骨左縁上部での静脈こま音は聴取しなかった.胸部X線検査では右胸心,心胸郭比49%,両側の肺うっ血,両側気胸を認めた(Fig. 1A).経胸壁心臓超音波検査では共通房室弁口を伴う右室型単心室,肺動脈狭窄,上心臓型総肺静脈還流異常(Darling分類Ib型),両側上大静脈と診断した.また軽度共通房室弁逆流を認めた.血液検査所見は白血球数13,900/µL, CRP 0.05 mg/dLから感染徴候はなかった.また,末梢赤血球中にHowell Jolly小体を認めた.血液検査で腎機能に異常がないことを確認後,入院当日に心臓造影CT検査を実施した.共通肺静脈腔は心房背側左上方に位置し,垂直静脈は左上大静脈へと流入する手前で屈曲・狭窄し,最狭窄部径1.0 mmであった(Fig. 2).

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Fig. 1 Chest X-rays before (A) and in eight hours after (B) stenting of Case 1 are shown. Pulmonary congestion dramatically improves after stenting in the vertical vein

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Fig. 2 Contrasted computed tomography of Case 1 is shown (a volume-rendering image)

The pulmonary veins drained not into the atrium but into the left superior caval vein via the vertical vein. The vertical vein was narrowing (arrow).

両側の気胸に対する胸腔穿刺ドレナージによってもSpO2 74%とチアノーゼ・呼吸障害が遷延した.新生児早期の外科的治療介入回避を目的として経皮的垂直静脈ステント留置を行う方針とした.人工呼吸器管理下,ミダゾラムおよびチアミラールによる静脈麻酔下に治療を行った.左内頚静脈に5Frシース(15 cm)を留置し,4Fr右Judkinsカテーテル(メディキット社,東京)を親カテとしてマイクロカテーテル(Progreat® Terumo社,東京)により選択的に垂直静脈内へカテーテルを挿入し,右下肺静脈末梢までマイクロカテーテルを進めたところで,0.018インチガイドワイヤー(Thruway® Boston scientific社,米国)をマイクロカテーテル内へ挿入した.屈曲していた垂直静脈はガイドワイヤーにより直線化した.5Frシースをそのままガイドワイヤーに沿わせて垂直静脈内へ進めた.シースから造影し,狭窄部位を確認した.狭窄部の径は2 mmで,reference径は5.4 mmであった.Express SD®(Boston scientific社,米国)径6 mm長さ14 mmを5Fシース内へ挿入し,繰り返し造影により位置確認を行った後に,14気圧で加圧し留置した.留置後ステント中央にウエストが残存した.ステントがマウントされていたバルーンで追加拡張を行ったものの,狭窄部は硬化病変でありウエストは残存した.バルーンカテーテルをデフレーションし陰圧をかけた状態でシース内に引き込もうとしたが,バルーン先端がステント内にエントラップされた(Fig. 3).バルーンカテーテルに沿ってスネアカテーテルの挿入を試みたが狭窄部をスネアカテーテルが通過しなかった.バルーン先端がシース内に引き込めない状態で,バルーンシャフトを回転させながらガイドワイヤー,シースを一塊として抜去することにより回収することができた.ステントの初回拡張から回収までに要した時間は22分で,回収時にSpO2が74%から52%に低下したが,投与酸素の増量で回復した.ステント留置後呼吸障害は改善し,SpO2 90%へ上昇した.治療後数時間で胸部X線の肺うっ血所見が改善した(Fig. 1B).しかし,その後もステントにウエストが残存し呼吸障害および肺うっ血が増悪したため,生後2日にステントのウエストに対して超高耐圧のバルーンカテーテルYoroi ®(Kaneka社,東京)径5 mm長さ20 mmを使用して再拡張した.効果が不十分であったため生後10日に径6 mm長さ20 mmのYoroi®で再拡張しステントのウエストは拡張し効果を得た.生後3か月に待機的に総肺静脈還流異常修復術を行った後に,生後6か月に両側両方向性Glenn手術を行った.現在Fontan術を待機中である.

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Fig. 3 Cine angiograms during stenting in the vertical vein of Case 1 are shown

A pulmonary venogram shows that the vertical vein drained into the left superior caval vein (A). Balloon was inflated and a stent waist remained (B). Subsequently the balloon was re-inflated (C), but entrapped in the stent (D). Consequently, the balloon was retrieved and pulmonary venous flow was established.

症例2

女児.在胎39週4日,出生体重2,882 g, Apgar score 1分後8点,5分後8点で近医産科において出生した.生直後チアノーゼのため出生当日に当院へ搬送となった.胎児診断はなかった.心拍数130回/分,呼吸数60回/分,血圧73/31 mmHg(上下肢差なし),SpO2 82%(室内気).四肢,体幹チアノーゼがあり,肋骨弓下に陥没呼吸を認めた.呼吸音に異常はなかった.心音はII音が単一亢進し,心尖部で奔馬調律を聴取した.胸骨右縁第2肋間にLevine II/VI度の静脈こま音を聴取した.肝臓を右季肋下2横指触知した.胸部X線検査で心胸郭比50%,両側の肺うっ血を認めた(Fig. 4A).経胸壁心臓超音波検査では.僧帽弁および大動脈弁は閉鎖し左室は痕跡的であった.上行大動脈および大動脈弓は低形成であった.この時点は共通肺静脈腔を左房と誤認し,卵円孔閉鎖を伴う左心低形成症候群と診断した.

Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery 36(2): 143-149 (2020)

Fig. 4 Chest X-rays before (A) and after (B) stenting of Case 2 are shown. Pulmonary congestion was improved after stenting in the vertical vein

緊急経皮的心房間バルーン裂開術(BAS)の適応と判断し,出生当時にBASを試みたがこの際の肺動脈造影で初めて上心臓型総肺静脈還流異常症(Darling分類Ib型)と診断した.垂直静脈が上大静脈へ還流する直前で狭窄と圧較差(平均圧較差21 mmHg)があった.肺静脈狭窄部位に対してステントを留置する方針としたが,左大腿静脈からのアプローチでは困難であったため一旦治療を断念し,翌日(生後1日目)に右内頚静脈からのアプローチで垂直静脈ステント留置を行った.10 cm長の6Frシース(メディキット社,東京)を0.035インチガイドワイヤー(ラジフォーカスハーフスティフワイヤー®テルモ社,東京)を用いて狭窄した垂直静脈へ挿入した.垂直静脈造影で狭窄部径3.5 mm, reference径7.5 mmであった.Express LD®ステント(Boston scientific社,米国)径8 mm長さ17 mmを挿入し,繰り返しの造影で位置を確認後,加圧(12気圧)し留置した.ステント拡張後のステント中央にウエストが残存した.回収のためバルーンをシース内へ引き込もうと試みたが引き込めず,ステント内部でエントラップされた(Fig. 5).バルーンに十分な陰圧をかけた状態で引いたり,デフレーションとインフレーションを繰り返したが抜去できなかった.バルーンカテーテルを0.035インチガイドワイヤーと一塊として捻りながら抜去・回収することができた.ステントの拡張から回収までに要した時間は11分で,拡張時にSpO2は73%に低下したが投与酸素量を増量して対処し拡張終了後すみやかに回復した.治療後,胸部X線の肺うっ血所見も改善した(Fig. 4B).その後もステントのウエストが残存し再度肺うっ血を認めたため,生後2か月にSterling®(Boston scientific社,米国)径7 mm長さ20 mmを使用して再拡張したがウエストは残存した.生後9か月にNorwood手術(右Blalock–Taussig短絡),総肺静脈還流異常修復術を行った.しかし術後性肺静脈狭窄を繰り返し,治療に難渋している.

Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery 36(2): 143-149 (2020)

Fig. 5 Cine angiograms during stenting in the vertical vein of Case 2 are shown

A levophase image of pulmonary arteriogram shows that the vertical vein drained into the superior caval vein (A). Balloon was inflated (B) but entrapped in the stent (C). After the retrieval of the balloon (D), the stent was successfully implanted.

考察

今回,垂直静脈狭窄に対する経皮的ステント留置中にバルーンエントラップメントを生じた2例を経験した.いずれの症例も最終的にはバルーン抜去することが可能であったものの,垂直静脈ステント留置時の重要な合併症として認識する必要がある.

垂直静脈狭窄を合併した総肺静脈還流異常症,特に無脾症に合併する単心室血行動態の症例においては,新生児早期の外科的治療介入の予後は不良であるため,近年,垂直静脈ステント留置が選択される2, 3).1.4 kgの低出生体重児における治療経験も報告され7),垂直静脈狭窄を伴う総肺静脈還流異常症,単心室の新生児早期外科手術回避のための姑息的垂直静脈ステント留置は有効であると考えられる.

先天性心疾患においてステント留置術は動脈・静脈・動脈管等の様々な病変に対して行われるためその合併症も多様である8–11).Hascoëtらは,先天性心疾患に対するステント留置207手技中7.7%に合併症を経験し,その内訳は留置後ステント移動3例が最も多く,その他,ステント内血栓形成,脳梗塞,肺出血,血胸,肺動脈解離,後腹膜出血,鼠径部血種形成,大腿動静脈婁,心室性不整脈,菌血症であったと報告している12).JPICデータベースからの肺動脈へのステント留置中の合併症は,ステント留置時のステント屈曲が7例,ステントの不適切部位への留置(留置時のステントの移動,バルーンからのスリップ)が23例と最多であった.バルーンカテーテルに関連した合併症としてバルーンカテーテルの破裂17例が報告されているが,バルーンエントラップメント(抜去困難)は1例のみと少なかった13).しかし,成人領域においてエントラップメントは,血流障害や血栓塞栓など重篤な合併症を生じたり,人工心肺を使用した緊急的外科治療を要した症例が報告されており14, 15),先天性心疾患においても憂慮すべき合併症の一つとして認識すべきである.

バルーンエントラップメントは,成人における急性冠症候群に対する経皮的冠動脈形成術において0.4~1%に合併すると報告されている4, 5).ステント内にバルーンカテーテルがエントラップされる要因として,①最大加圧(rated pressure)以上の加圧による病変部位拡張,②拡張後の不十分なバルーンデフレーション,③固く長いステントの使用,④支持力の弱いガイドワイヤーの使用,⑤ガイディングカテーテルやロングシースによるサポートがない状態での手技,⑥石灰化が強くウエストが残存する病変への治療,等が挙げられる5).我々が経験した2症例において,垂直静脈狭窄は硬化病変でステントにウエストが残存した.症例1は再拡張に超高耐圧バルーンカテーテルを使用しウエストの拡張が得られたが,再拡張に高耐圧バルーンカテーテルを使用した症例2ではウエストが残存した.上心臓型総肺静脈還流異常では垂直静脈狭窄病変は肺動脈や主気管支などの周囲組織から圧迫されて狭窄をきたすことが報告されているが16, 17),狭窄部血管周囲組織のfibrosisが狭窄に関与している報告もある6).2症例ともに心臓造影CT検査では周囲組織からの明確な圧迫はなくdiscreteな狭窄で,狭窄の原因として後者が考えられた.また症例1においてはステント留置後の後拡張時にマウントされているバルーンを再使用したことや,2症例ともオープンセル構造に近いセミオープンセル構造を有するExpress(Boston scientific)を使用していたことが反省される点であった.ステントのウエストが残存した際にはセルの鋸歯状円柱が内腔に突出しバルーンカテーテルがエントラップされやすくなった可能性が考えられた.Kilgoreらは6),ステント留置後の後拡張時に22気圧で拡張したがウエストが残存した例を報告した.バルーンカテーテルのエントラップメントはなく終えているが,その際クローズドセル構造のステントの使用や,後拡張時には新しいバルーンカテーテルに入れ替えて拡張を行っていた.このことから,我々の2症例でも後拡張時のバルーンカテーテルの入れ替えや,クローズドセル構造を有するステントを使用するなど工夫が必要であった.

ステント留置術における基本的操作として,バルーン回収時にはシースまたはガイディングカテーテルをステント内に送り込みながらバルーンを回収しなければならないが,それでも抜去困難となった場合の回収のための工夫・解決策として,①デフレーションとインフレーションを繰り返しながらの抜去(Ing法),②押したり引いたり,あるいは捻りながら抜去,③バルーン内の造影剤を生理食塩水で希釈し急速にデフレーションし抜去,④ガイディングカテーテルをエントラップしたバルーンの位置まで送り込み,ガイドワイヤーでバルーンを穿通させてガイディングカテーテルに回収等が挙げられる4, 5).今回の2症例ともに,①と②の方法で抜去できたもののかなりの抵抗を感じる手技であった.

垂直静脈狭窄を伴う総肺静脈還流異常症および単心室症例において,新生児早期の垂直静脈ステント留置術は今後増加してくると考えられる.治療の有効性は確かなものであるが安全な治療を行うためにもバルーンエントラップメントは重要な合併症の一つと認識し,治療前に使用するステントのセル構造やシース(ガイディングカテーテル)操作,ガイドワイヤーや後拡張時のバルーンの選択などへの熟慮が必要である.また,バルーンエントラップメントを生じた際には当該症例と同様に酸素化不良など全身状態の悪化が予測されるため,回収時全身状態への十分な配慮が必要である.

利益相反

本論文について,開示すべき利益相反(COI)はない.

著者の貢献度

杉谷雄一郎:論文の構想,データ収集や分析に関与し,論文を執筆した.

宗内 淳:論文の構想,データ収集や分析に関与し,論文執筆を直接指導した.

岩屋悠生,川口直樹,白水優光,岡田清吾,飯田千晶,渡邉まみ江,宮城ちひろ,安東勇介,落合由恵:論文のデータ収集,批判的校閲に関与した.

引用文献References

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