日本小児循環器学会雑誌 Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Online ISSN: 2187-2988 Print ISSN: 0911-1794
特定非営利活動法人日本小児循環器学会 Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery
〒162-0801東京都新宿区山吹町358-5アカデミーセンター Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery Academy Center, 358-5 Yamabuki-cho, Shinju-ku, Tokyo 162-0801, Japan
Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery 31(4): 157-183 (2015)
doi:10.9794/jspccs.31.157

ReviewReview

小児期肺動脈性高血圧の正しく的確な治療戦略The Real World of Medical Treatment of Pulmonary Arterial HypertensionSmall Evidence, but Heavy Cornerstone

東邦大学医療センター大森病院小児医療センター小児科Department of Pediatrics, Children's Medical Center, Toho University Omori Medical Center ◇ 〒143-8541 東京都大田区大森西六丁目11番1号6-11-1 Omori-Nishi, Ota-ku, Tokyo 143-8541, Japan

発行日:2015年7月1日Published: July 1, 2015
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小児期PAHの薬物療法を行うにあたって,臨床医は小児は成人と異なり様々な特色があることを再認識しなければならない.すなわち,代謝酵素活性(p450など),受容体の濃度(密度)や感受性,器官の機能発達(特に腎臓と肝臓,心筋代謝),体脂肪の容積,蛋白(アルブミン)結合率,血中蛋白濃度,分散容積,薬物動態PKや薬力学PD,一定の年齢だけ反応する臓器(動脈管など),薬理遺伝子的背景,遺伝子多型などによる個人差,特異体質,薬物相互作用,生体内活性物質(サイトカイン,ホルモン,伝達物質,カテコラミンなど)の影響である.特に小児期の重症疾患に対しては,“Right drug for the Right patient at Right time”という諺に準じて,その個人に見合った慎重なcase by caseの薬剤選択を心掛けなくてはいけない.小児期の肺高血圧治療薬には,NO-cGMP経路,PGI2-cAMP経路,エンドセリン受容体拮抗薬(ERA)の三大肺血管作動薬を使用する.小児では,世界的にもほとんどがoff-labelの状態で使用されている.しかし肺血管拡張作用以外の,細胞増殖抑制作用,線維化・肥大抑制作用,抗酸化ストレス・抗炎症作用を秘め,長期にわたって血管壁に抗リモデリン作用を発揮する薬剤を選択したい.また特発性(遺伝性,家族性)と二次性肺高血圧(左心不全,膠原病関連,呼吸器関連,肺血栓塞栓関連,そして新生児期肺高血圧など)では,3大治療薬が持つPDE5阻害作用,PGI2産生促進作用,エンドセリン受容体拮抗作用などの有効性もそれぞれ異なると予想される.本稿では,治療薬の小児期でのエビデンスを紹介しながら,最適の治療法を推奨したい.

A variety of pulmonary vasodilators are now on the market; however, little is known about their use in children, as over the past two decades, only a limited number of clinical pediatric trials have been conducted in the US and EU. Pulmonary arterial hypertension (PAH) is a rare disease characterized by sustained elevation of pulmonary vascular resistance and pressure, resulting in refractory right ventricular dysfunction. Clinical trials using agents that act on three major pathways, prostacyclin PGI2/cAMP, NO/cGMP activation by phosphodiesterase (PDE)-5 inhibitors, and suppression of the activity of endothelin (ET)-1 by ET receptor antagonists (ERAs), have been performed mainly in adults. Most pediatric cardiologists treat PAH in children by conversion of normal adult dosages. However, such dosage modification in children is not always safe or effective. In addition, management of pediatric PAH is complex because of the variety of formulations, classes, and nature of the three major types of agent. The current trend in drug therapy for PAH recommends a so-called combination therapy; however, any pulmonary vasodilative agent has not been approved by their efficacy and safety for background disease-related PAH. PGI2 or epoprostenol (Flolan, GSK) has been recommended in NYHA-FC III and IV. However, some cases have been withdrawn from continuous infusion of Flolan in combination with inhaled PG12 (iloprost, treprostinil), subcutaneous PG12 (treprostinil), oral PGI2, (beraprost), ERA (bosetan, ambrisentan), or PDE5-I (sildenafil, tadalafil). Careful consideration and assessment of PK/PD and interactions of each class of drug are essential in children with PAH on a case-by-case basis. Clinical trials of bosentan, ambrisentan, sildenafil, and tadalafil for children have been conducted in Japan since 2012; however, no conclusive results have been obtained till date. In general, the efficacy and side effects seem to be similar to those in adults. Other critical drugs used in the treatment of PAH include sGC agonists; riociguat, a Rho-kinase inhibitor; Fasudil macitentan Opsumit, and inhaled iloprost, all of which have undergone clinical trials in adults. This chapter presents the current standard for medications used for pediatric PAH.

Key words: pulmonary arterial hypertension; pediatric patients; prostacyclin; phosphodiesterase5-inhibitor; endothelin receptor blockade

はじめに

1995年,最初の静注用prostacyclin(PGI2)製剤であるepoprostenolが米国で肺動脈性高血圧(PAH)の治療薬に承認されて以来,世界的に治療の概念が一変し,特発性肺動脈性高血圧(IPAH)の5年生存率は,一気に1980年代の20%前後から70~90%前後へと飛躍的に改善した.

さらに,1992年のPGI2に続き,1998年には一酸化窒素(NO)と,2つの肺循環に関わる分子がノーベル医学・生理学賞を受賞した.そして1988年に遡る,日本人によるendothelin(ET)の画期的な発見を加えた“治療薬のBig 3の確立”は,旧来の内科治療で散々苦虫を噛みしめ,成すすべもなく目の前の症例を失ってきた担当医にとっては一筋の光明と言っても過言ではない.PGI2とNOは,共に心臓血管系臨床薬理学者が同じ教室で開始し継続してきた研究成果に端を発し,ノーベル賞へとつながった歴史的な発見である.ETもまた,筑波大学に集結していた臨床薬理学のエキスパート達が極めた結果である(表1).

表1 肺血管拡張薬の発達の歴史
Prostacycline(PGI2)1976年Moncada, Vaneらにより発見〔1982年 Bergstrom, Samuelson, Vaneがノーベル賞受賞〕(Moncada S, et al: Prostaglandins 1976; 12: 715, Pharmacological Rev 1979; 30: 293).
Nitric Oxide(NO)1980年Furschgott RFらにより(Nature 1980; 288: 373)発表されPGI2を研究していたMoncada, Palmarによりさらに研究が推進された.
EDRFがNO誘導体(Ignaro LJ, et al: J Pharmacol Exp Ther 1981; 218: 739),またEDRFがNOという気体(Palmer RMJ, et al: Nature 1987; 327: 524)であると同定された.
Endothelin(ET)1988年3月31日Yanagisawa Mらにより;A novel potent vasoconstrictor peptide produced by vascular endothelial cells(Nature 1988; 332: 411)としてEndothelinが発表された.

その後も,この3つの物質の主な細胞内signal伝達経路と治療薬の開発,つまりcAMP経路とcGMP径路の活性化とET径路の阻害,それ以外にもserotonin transporter,Rho kinaseやCaチャネル(transient receptor potential channel: TRPC),Kチャネル(KCNK3),soluble guanylate syclase(sGS)賦活,statin,PPARγや骨髄の血管内皮前駆細胞(EPC)の動態が研究されてきた.さらにはBMPR2,eNOS,PGI2合成酵素,kinase阻害薬(抗腫瘍薬),apoptosis誘導薬,遺伝子導入等の先進的な再生治療も模索されている.

この領域の臨床薬理学的な発展に我々が呼応すべきは“臨床医の技量”であろう.各薬物の短期的な血管拡張機能増強に加え,潜在的な細胞生物学的有用性そしてアポトーシス誘導・細胞増殖抑制作用を考慮し,かつ薬物相互作用に十分に配慮し,副作用の少ない組み合わせ,cost-utility,cost-efficiencyを考えた最良の治療法を追求してほしいと考える.重篤な疾患ゆえ,安直な過剰投与は心拍出量を増加させ末梢血管抵抗も減少させるので,避けるよう心掛けたい.考慮すべきは,PAH発症時は肺血管の70%がすでに機能を失っており,急性拡張反応も概ね10%しかない肺循環をいかに改善し,肺血管を復活させるかであって,単に拡張できるかという血管拡張療法ではないことを忘れてはならない.

Ⅰ. 薬理作用を考慮した基本的治療薬

この疾患の発症には,遺伝的背景を持つ肺血管壁の細胞増殖性肥厚,すなわちアポトーシス抵抗性の細胞増殖と,正常内皮細胞のアポトーシス亢進を背景とした,肺血管内皮細胞機能障害がheterogeneousに関わっている.

治療薬としては,表2に示す主に3系統の薬剤が基本である.

表2 肺高血圧の内科治療薬
①Prostacyclin系;PGI2経口Beraprost,長時間作用型Beraprost(東レ科研),*NS-304(agonist)日本新薬
静注Epoprostenol(GSK, Actelion),Treprostinil(持田)
皮下注Treprostinil(持田)
吸入*Iloprost(Bayer),**Treprostinil(持田)
②NO-cGMP賦活経口Phosphodiesterase5阻害薬(PDE5-I),Sildenafil(Pfeizer),Tadalafil(日本新薬)
吸入Soluble GS刺激薬 Riociguat(Bayer),Nitric Oxide(NO)
③Endothelin受容体拮抗薬経口Bosentan(Actelion),Ambrisentan(GSK),Macitentan(Actelion)
* 本邦では開発中,** 未開発.

短期的には“体血管よりも肺血管により選択的に作用するか”が鍵となり,理想的には急性効果のみならず長期投与によって異常に増殖した血管壁細胞のアポトーシス誘導や,リモデリングの復元作用,そして閉塞血管の血管新生・血管再生を潜在的に有する薬剤が期待できる.

一般的に血管拡張薬はphosphodiesterase(PDE)5阻害薬(PDE5-I)以外は肺選択性が強くなく,つまり肺血管抵抗以上に体血管抵抗の低下があり,結果的に左室圧が下がりすぎるため,左室容量がより減少しすぎないような配慮が必要である.つまり,体血管拡張によりafterload mismatchを来たし,より左室の圧排・縮小を増悪させ,冠血流も減らす結果となるので注意する.重症例では背中合わせに位置する“左右両心室機能不全”であり,管理上,重症PAHでは右心不全に加え左心不全も考慮する.上記の血管拡張薬の単独使用での管理は不十分なことが多く,肺血流の改善による急激な左心還流血の増加に,いかに左室拡張能が耐えうるかも問題である.過剰すぎない水分管理も必要である.新しい治療薬の登場により,個々の症例の心機能,PAHの程度や,血管拡張反応性から見た最良の選択が要求される.結局は心不全の管理が上手いか下手かであり,“右心不全と左心不全の違い”が正しく理解されているかどうかも重要である.

Ⅱ. 治療法の経緯と現状

IPAHの治療について,30年ほど前は,digitalisと利尿薬だけで,平均生存期間が僅か3~6ヶ月であった.1990年代には平均2年8ヶ月となり,1992年の経口PGI2であるberaprost(BPS)(慢性動脈閉塞症への承認)の開発後は3年6ヶ月1)にやや延長した.1999年からのepoprostenolの登場後は平均生存期間が7~8年になり,最近の経口肺血管拡張薬のBig 3,つまりPGI2,PDE5-I2),やET受容体拮抗薬(ERA)3)の2種ないし3種のcombination療法,追加療法add-onにより,この5年間で5年生存率は世界的にも90%近くに改善してきた.一方,10%以下の頻度で,肺血管拡張療法や抗心不全療法ではNYHA-III~IVから離脱できず,“肺移植施設へ照会”する症例が必ず存在する.生体肺葉移植は,ABO血液型一致か適合が必須であり,全患者の37.5%程度しか適応にならない.一方,小児期は臓器の提供者も少ない.

小児期PAHにおける薬物療法の研究成果は極めて限られており,多くは症例研究,後方視的観察である.その結果,小児PAHへの薬物療法のエビデンスはIIb~IIIがほとんどであり,成人量からの用量推定extrapolationに頼らざるをえないことが多いが,これは基本的に危険である.つまり,一部の成人症例の治療経験から,小児例について治療薬の選択や用量設定について,成人同様に言及するのは論外である.そのためにも,臨床評価ガイドラインを理解し,よくデザインされた小児の安全で有効な用量を設定する必要がある4).臨床試験に積極的に臨む姿勢がまだ小児科医に育っていないのが残念である.

Ⅲ. 治療薬の特徴

A. PDE5阻害薬(PDE5-I)

1. Sildenafil(小児IIb-C)

1990年代初頭に開発されていたPDE5-Iのprototypeは,勃起不全erectile dysfunction(ED)においては陰茎海綿体だけでなく“肺循環へ好ましい作用がある”,と囁かれていた.その原型となったのは,ZaprinastやDipyridamoleなどの血小板に優位に作用するPDE3阻害薬である.同時にこの頃心筋細胞と血管壁に作用するPDE3阻害inodilatorとしてamrinone,milrinone,eplerenoneが開発されていた.Zaprinastは,NO吸入の効果延長と増強効果という補助的作用があった.臨床の場でsildenafil(シルデナフィル)はEDに対して1999年1月に我が国で承認されたが,PAHにはRevatio(レバチオ)として2008年1月25日に承認された.またtadalafilはAdcirca(アドシルカ)として2009年10月16日に承認された.近年の多剤併用療法では,このPDE5-Iが肺血管選択性に優れ,全体的な有用性,安全性,安定性,薬物相互作用の程度,耐性のなさ,投与中断率等からみても,治療の中心的位置を占める5,6)

1)薬物相互作用

Sildenafilは肝臓のP450 CYP3A4で79%,CYP2C9で20%が代謝される.tadalafilはほとんどがCYP3A4で代謝されるため,両者とも多くの薬剤との相互作用に注意して治療継続をしなければいけない.たとえばbosentanとの併用で,sildenafilのAUCは0.4に,Cmaxも0.4に低下する.一方,tadalafilのAUCは0.6,Cmaxは0.7とsildenafilに比し若干影響が少ない.ACE-I,ARB,β遮断薬,サイアザイド,Ca拮抗薬などとの併用では概ね血圧低下が観察されるので,特に冠疾患合併症例,冠血流低下には注意する.その意味ではtadalafilはsildenafilよりもbosentanとの相互作用が若干弱く,用量調節や副作用による心不全増悪が回避できる理論上の可能性はあるが,臨床上の差は報告されていない.1日1回投与が2~3回投与に比し優れた効果を発揮したという確証もない.β遮断薬はCYP-3A4を介して,sildenafilの排泄を低下させ生物学的活性を増加させる7)

PDEのsubtypeはこれまでに11種類が確認されている.sildenafil,vardenafilとtadalafilはEDに対して承認されているPDE5-Iで,特異的に細胞内cGMPが上昇する.cGMP産生系は細胞内ではcAMP産生系との直接的なcross talkはないが,病的心筋では存在すると報告されている(図1).組織内分布は,肺血管,陰茎海面体のほか,消化管の平滑筋細胞,血管平滑筋や血小板で,PDE6よりはかなり弱いが網膜,噴門括約筋にも分布する.そのため,PDE5-Iの副作用として青色視野や胃食道逆流現象があるが,tadalafilはPDE5の選択性が比較的高い.視野の異常が出現しやすいPDE6には,sildenafil,vardenafilの選択性が低く,青色視野が出ることがある.

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図1 血管内皮細胞(EC)と平滑筋細胞(SMC)の受容体と細胞内セカンドメッセンジャー(PDE: Phosphodiesterase)

2)成人領域の知見

成人PAHへの経口sildenafilによるSUPER-1試験(12週間),とその延長試験SUPER-2(平均1,242日)では,NYHA-FCや6分間歩行距離(6MWD)の改善が長期間継続している.この試験では,20 mg×3回/日が有効かつ死亡例が少なかったが,用量設定別の比較試験ではないので,80 mg×3回/日の長期効果は論じられない8).成人PAHでは,bosentan治療にsildenafilを追加すると,16週間後では右室心筋量,BNP,6分間歩行距離(6MWD),心拍出量CIが改善している(SERAPH研究)9).結論として,sildenafilはbosentanやPGI2と併用すると症例によっては更に有効であるとしている10,11)

成人でsildenafilとNO吸入はV/Q mismatchを改善させるが,PGI2はV/Qmismatchを悪化させ,かえって酸素化が悪くなることがある12).成人では,心拡張不全,収縮不全,収縮能が保たれた心不全(preserved systolic function)の治療にも一部で長期効果が認められている13).その他,抗癌剤心筋症(Doxorubicin)の予防・治療,抗癌剤の抗腫瘍効果増強,Duchenne型ジストロフィー合併心筋症でも有効性の報告がある14)

成人ED症例では,1)血圧低下はごく僅かであり,2)運動時間,酸素消費量や冠動脈のflow reserve,左前下行枝のflow velocity,上腕動脈の血流依存性拡張FMDがいずれも増加,3)心不全における最大運動時心拍数,大動脈stiffneff,肺動脈血圧/肺血管抵抗値は低下する15).肥大した右室心筋では,正常では出現していないはずのPDE5活性が増加しており,PDE5-I投与によるcGMPを介するcross talkにより,肥大と収縮様式も改善してくるとされる16)

3)小児領域の知見

海外での小児PAHの適応については2011年5月欧州EMA(European Medicines Agency)で承認されているが,米国FDAの承認は得られていない.現在日本で小児期の臨床試験が開始されているが,PAHへの用法・用量は,

  • ① 20 kg以下:10 mg×3回/日
  • ② 20 kg以上:20 mg×3回/日

で行われている.

小児PAH14例(IPAH; 4例,CHD-PAH; 10例,中間年齢9.8歳)における平均10.8ヶ月観察後のPVRは,15 Wood·Uから12 Wood·Uに低下していたとする結果がある17)

Barstらによるdose ranging study(16週のSTARTS-1,延長試験のSTARTS-2)における用量設定(/回)は,

  • ① 8 kg以上~20 kg: 10 mg
  • ② 20 kg以上45 kg未満:20 mg
  • ③ 45 kg以上:40 mg

であり,各1日3回投与では,中等用量が有効かつ安全で,高用量つまり8 kg以上20 kg; 20 mg,20 kg以上45 kg未満:40 mg,45 kg以上;80 mgの1日3回では死亡率が高いという結果だった18).特に,高用量は長期使用で1~17歳のPAHによる死亡例が多いので“要注意”との勧告がFDAから提出された19)

それに対して米国胸部疾患学会(ATS)は,小児も成人も更なる長期予後の成績と用量の調査が必要ではないかと述べている.すなわち低用量の症例においては,有意に高いriskは見られていないからである20).Peak VO2は中等用量で有意に改善,平均肺動脈血圧mPAPは高用量,肺血管抵抗PVRは中等用量と高用量で低下している.しかし,STARTS-1の延長試験であるSTARTS-2では,3年後にsildenafil単独療法の高用量群の生存率が88%と有意に低く,高用量のHRは3.5倍と高かった.EMAでは低用量は推奨するが高用量を推奨しない形で2011年に承認されているが,FDAでは2012年に1歳から17歳の小児への慢性的使用自体に強い警告が出され,否定的に論じていた21,22)

Sildenafil高用量のRisk

最新の米国小児科学会AAPの見解では,禁止はしないが,極めて慎重な低用量の投与cautious useが必須であると警告するように変化してきた23).これに反して,PPHN(Pediatric Pulmonary Hypertension Network)は,cautious useが必須であるとしているが24,25),sildenafilを突然中止することは危険であり,“注意して少量で使用する”と推奨しなおしている.その証拠に,小児期のbosentan単独療法で悪化した症例へのsildenafil追加療法は,増悪を改善できるとの論文もある26)

表3に,体重別の使用量を示す27)

表3 Sildenafilの用量18,25)(中~高用量は推奨されない)
体重臨床試験START-1での1回投与量(各3回/日投与)
低用量中等用量高用量
>8~20 kg適用なし10 mg20 mg
>20~45 kg10 mg20 mg40 mg
>45 kg10 mg40 mg80 mg
4)合併症PAHへの有用性a. 先天性心疾患(CHD)

数少ないCHD術後の使用に関して,使用量0.9±0.3 mg/kg/回の急性負荷1時間後での試験結果では,mPAP/SAP比が低下する症例,SpO2が増加する症例,mPAPが低下する症例の3種類が観察されている28)

また,小児期CHD術後のPAHに対して,0.5 mg/kg,1.0 mg/kg,1.5 mg/kg,2.0 mg/kg/回をそれぞれ4時間毎に胃チューブから注入した研究では,各用量でのdose-effectはなく,PAPが選択的に低下し,4つの投与量では同じ結果であった29).さらに,Fontan術後の27症例(年齢;16歳から32歳),に対する0.7 mg/kg/回投与の1時間後の観察では,peak VO2,peak exercise CO,peak exercise pulmonary blood flow indexが改善している30).二重盲検長期試験でもFontan症例の運動耐容能が改善している31).またFontan術後の蛋白漏出性胃腸症にも効果があるとの報告がある32)

b. 新生児期PH

新生児のBPD合併PAHへの投与では,PAPの低下はあるが酸素化の改善はないとの報告がある33).先天性横隔膜ヘルニア合併PPHN(n=7)では,NO吸入不応例においても,生存例5例では呼吸器の設定が顕著に改善し,右心拍出量は増加し,PVR,PAPとも投与後1.5~4時間は低下した34).PPHNとCHD合併PAH,術後PAHに対する静注用sildenafilの臨床試験での有用性も報告されている35).また肺疾患合併乳児のPAHに対しても,88%の症例で効果があり,酸素化の低下はなかったとの報告がある36).ラットの実験的胎児横隔膜ヘルニアへのsildenafil胎内投与試験では,肺血管床の増加,右室肥大改善,肺のeNOS活性が増強した37)

5)副作用

小児193例の文献reviewで,0.3~8 mg/kg/日の投与において,低血圧5.9%,勃起2.6%,鼻閉2.3%,頭痛1.6%,眩暈1.2%,頑面紅潮1.2%などが見られている38)

PDE5-Iのclassに共通するblurred vision,light sensitivity,color tinge以外の副作用で重要なのが非動脈炎性虚血性視神経症Non arteritic ischemic optic neuropathy(NAION)である.50歳以上の成人では10万人中5~10例とされているが,小児では報告がない.成人でも糖尿病,高血圧,高脂血症,閉塞性睡眠時無呼吸症候群に圧倒的に多く合併する39).難聴(感音性)は,10万人に2~5人とされているが,sildenafil服用後にも難聴の危険性が報告されている40)

PDE5-Iは血小板中のPDE5に作用してcGMPの増加を介して血小板の活性化を抑制する.つまり出血傾向が生じる.これは,鼻甲介組織が多量にPDE5を含むこと,鼻の粘膜血管拡張,分泌及び粘液線毛クリアランスにNOが関与していることから,PDE5-Iが鼻甲介の血流を増加させる可能性がある.特にwarfarin,PGI2投与下では出血傾向が強くなる.成人では勃起erectionが10%で報告されているが,2~3歳の幼児や若年小児でも時に経験される41).併用も含めた最も多い副作用は,消化管症状(嘔気,逆流等)(22%)で,次いで自然の勃起(22%)である.併用療法では,より副作用が強いとされる42)

2. Tadalafil(小児IIb-C)
1)成人領域の知見

成人EDでのpeak plasma concentrationは2時間で到達し,T 1/2は17.5時間と長い43).成人PAH(平均53~54歳)ではPHIRST-1(16週),とPHIRST-2試験(52~68週)が行われ,20 mg/日よりも40 mg/日の投与群が若干NYHA-FCの増悪が少なかったが,概ね両群とも6MWDは52週後でも保たれていた44,45).また13歳から42歳までのEisenmenger症候群(ES)23例では90分後の急性効果(PVR低下;24.8±8.5から19.2±8.2 Wood·U)と,12週後の亜急性効果があったとされている46)

Bosentanの追加add-onによる付加的効果は成人でも証明できなかった44,47)

2)小児領域の知見

小児で唯一の臨床試験における設定用量は平均1.0±0.4 mg/kg/minであり,全33例中29例はsildenafil 3.4±1.1 mg/kg/日からの薬剤変更であった.理由の多くはsildenafil 20 mg×1日3回投与と比較して,成人でtadalafil 40 mg/1日1回投与の利便性のみである.mPAP,PVRI,Rp/Rsはtadalafilに移行後少量であるが有意に改善していた.また33例中2例が副作用のため中断されていたが,持続時間が長い分かえって副作用も長くなる傾向がある48).小児に対する錠剤の粉砕に関しては安定性が問題となるが,少なくとも4週間までは温度,湿度,光に対して安定との報告がある49)

最近の小児期の報告では,tadalafil 0.97±0.41 mg/kgの投与は薬理学的に適切な血漿中濃度に達し,年齢(平均3.58歳)やbosentan併用,eGFRに左右されなかったとの結果がある50)

3. Vardenafil(III-C)(PAHに未承認)

肺動脈選択性は低く,PHに対して良好とする報告はない.新しいPDE5 modulatorとしての,udenafil,mirodenafil,avanafilはPAHに対する報告がない51).成人での冠動脈疾患においても,PDE5-I投与による運動時間の低下や増悪はない52).最近では,PAHのみならず,冠動脈疾患,高血圧,糖尿病などで酸化ストレス減少や血栓凝固能抑制,神経疾患の回復にも効果を示すとされている53).PDE5-I製剤の特徴を表4に示す.そして,PDE5-Iの全身臓器に及ぼす作用と副作用を図2に示す.

表4 PDE5-IのPAHへの薬理学的効果の比較54–59)
SildenafilTadalafilVardenafil(PAHに適応外)
T1/2半減期3~5時間14~15時間3.9~4.8時間(ED)
(健常成人)3.717.5(20 mg),15(40 mg)3.3~3.9
効果発現開始14~20分16分(ED)(20 mg)16分
Tmax(時間)1(0.5~2)30.66~0.92
0.83
持続時間ED436>4(動物モデル)
PAH成人データなし
PDE 5:6の選択性6.8(10)78016
視覚異常2~5%0.8%0.1~1%未満
薬物相互作用(AUC/Cmax
Clarithromycin2.3/2.4データなし(併用禁忌)データなし
Grape fruit Juice0.8 to 2.6データなしデータなし
CYP3 A4 Inducers影響ありデータなし
Bosentan0.4/0.40.6/0.7
肺選択性ありありなし
酸素化改善あり悪化リスク少なし
高脂肪食でのΔCmax(%)29%低下変化なし18~50%低下
QT延長6  msec(50 mg)2.8  msec(100 mg)8  msec(10 mg)
AEによる治療中断率(EDにて)2.5%≧2.0%1~2%
併用禁忌薬硝酸薬硝酸薬,α遮断薬*硝酸薬,α遮断薬,NO供与体
副作用の特徴頭痛,顔面紅潮,胸焼け,鼻閉,下痢3%,めまい2%頭痛,顔面紅潮,浮動性めまい,背部痛4.6%,四肢痛2.8%,筋痛5%頭痛,顔面紅潮,胸焼け,CK上昇2%,Flu症状3%,副鼻腔炎3%,めまい2%
食事関連する関連しない関連しない
便中/尿中排泄(%)81/1361/3691~95/2~6
代謝肝臓(Active)肝臓(Inactive)肝臓(Active)
頭痛16%27.6%6.8~22%
顔面紅潮10%6.2%5~13%
消化不良7%4.3%0.7~6.7%(嘔気2%)
鼻閉4%3.1%1~6%
視覚異常3%0.6%?
その他発疹(1%未満),稀に,鼻出血,尿路感染,持続勃起等副鼻腔炎2.8~17%,Flu症状0.01%,めまい0.11%,CK上昇0.52%
* 硝酸塩またはNO供与剤,sGC刺戟薬,CYP3A4を強く阻害するかまたは強く誘導する薬剤.
Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery 31(4): 157-183 (2015)

図2 PDE5-Iの全身諸臓器に及ぼす治療効果(右側)と副作用(左側)

成人PAHにおいて,3種のPDE5-Iの中で最も即効性があるのはvardenafil,肺循環に選択性があるのはsildenafilとtadalafil,最もQTcが延長するのがvardenafil,酸素化が改善されるのはsildenafilのみであった.3種類のPDE5-Iの各用量に対するPVRの変化率を図1に示す59).視力への影響60),聴力への影響61)については,成人ではある程度の結論が出ているが,幼少時期では十分注意して使用すべきと思われる62).肺血管拡張作用については投与後最大作用時間と肺血管拡張能の図3を参照されたい.

Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery 31(4): 157-183 (2015)

図3 異なるPDE5-Iの負荷後最大血管拡張時間(横軸)と変化率(縦軸)(文献59参照)

1)SildenafilとTadalafilの比較

成人PAHのnaïve症例では6MWDにおいてsildenafil; +47 m,tadalafil; +44 mでほとんど差がなかった.sildenafilで効果がない症例はtadalafilに変更するとよいという質の高いエビデンスは全くない62)

小児期の後方視的な比較では,6MWDの前後のSpO2がtadalafilで若干高いとの報告があるが,副作用の頻度なども現時点では基本的にはほぼ同様と考えてよい.

種類は同じであるが若干sildenafilに副作用が多く,視覚異常が有意に多いとの意見もある.腎障害に関しては,tadalafilは便中排泄60%,尿中排泄35%であり,腎不全合併時若干影響を受ける.sildenafilはほとんど(80%)が便中排泄である.tadalafilはambrisentanとの併用ではほとんど血中濃度に変化はないが,bosentanとの併用では血中濃度が40%低下する.一方bosentanの血中濃度は全く変化しない.またsildenafilはbosentanとの併用で血中濃度が63%低下するが,bosentanの血中濃度は50%増加する.

2)QT延長作用

心電図上のQTcはPDE5-I使用で4~8 msec程度延長するがtorsade de pointesを生じた報告はない.vardenafil投与で比較的延長し,QT延長症候群やある種の抗不整脈薬(ClassIA; quinidine, procaineamideとClass III; amiodarone, soalol)との併用,fluoroquinolone投与で注意が必要である48).我が国ではsildenafilとvardenafilはQT延長症例には禁忌とされている.

小児のPAHやESにおける有用性と副作用の比較では,服用回数以外の臨床効果は概ね差がないと考えてよい62).最近では,Tandem mass spectrometerによる測定が可能となり,50 µLでbosentan,ambrisentan,sildenafilとtadalafilを同時に5分間で計測できるようになったと報告されている63).3剤の肺血管拡張作用に関する実験では,tadalafilのみが有意に低酸素誘導性PHを軽減し,また血管壁のサイトカイン産生,特にTNF-αとIL-1βの発現を軽減させ抗炎症作用を発揮している64)

4. NO刺激薬Riociguat

成人領域では,soluble guanylate cyclase(sGS)刺激薬であるriociguat(アデムパス)が,有意にPAH(PATENT-1試験,PATENT-2延長試験)とCTEPH(CHEST-1試験)に効果があることが示された.すなわちPVR(p<0.001),NT-proBNP(p<0.001),WHO-FC(p=0.003),増悪までの時間time to clinical worsening(p=0.005)と呼吸困難のBorg dyspnea score(p=0.002)が改善している.Riociguatは急性効果では,NO吸入よりもさらに,mPAP低下,PVR低下,CO増加が強かった.小児領域への臨床試験の開発は未定であるが,強く望まれる65,66)

B. Endothelin(ET)受容体拮抗薬(ERA)

1988年3月31日付Nature誌にYanagisawaらが発表した58)ERAについては,最終的にRoche社のRo-0203(bosentan)だけが安全で高い有効性が認められるとして開発されてきた67).ETAとETB受容体拮抗薬のbosentan(トラクリア)は2005年4月に我が国で満を持して承認された.その後,2010年7月にはETA受容体選択的拮抗薬であるambrisentan(ヴォリブリス)が承認された68).未だにAまたはB受容体阻害薬のどちらがどの疾患のどの重症度に有効かは結論が出ていない69)

1. Bosentan

現時点でERAは,PAHのfirst-lineもしくは,add-onとして広く認められた治療薬である70).その中でもbosentanは,ETA受容体とETB受容体の双方に作用する両受容体拮抗薬dual receptor antagonistである.

投与後の最高血中濃度到達時間Cmax: 3~4時間とされている.半減期(T1/2):は62.5 mg1回投与で4.3時間(3.7~5.0),125 mg1回投与では3.6時間(3.0~4.3)との資料がある(社内資料).またsildenafilとの同時投与では血中濃度が変化する“drug interaction”がある.

1)成人領域の知見

成人では既に海外の数ヶ国でPAH治療薬として承認され,現在世界で28,000症例以上に使用されているという.我が国成人例における臨床試験の結果でも有用と評価され,2005年4月に承認されている71).対象となる疾患は特発性PAHと,膠原病(強皮症)性PAH72),CHD合併PAH(ES)73)等のいわゆる二次性PAHである.現時点で小児領域での承認はなく所謂“off-label”であるが,徐々に小児領域での有用性のエビデンスも蓄積されてきた74,75)

ETは,血管内皮細胞,血管平滑筋細胞,線維芽細胞,心筋細胞に作用し,細胞増殖,肥大,血管収縮に作用し,また血管透過性亢進,催炎症作用を持っている76,77).血中では,PAH,強皮症,肺線維症等で上昇しており,PAHでは予後,重症度と密接に関連している.健常状態では,血管内皮細胞上のETB受容体は一酸化窒素,PGI2産生を介して血管平滑筋には弛緩性に作用している.一方ETA受容体は血管収縮,細胞増殖・肥大性に作用し,二つの受容体により血管のtonusが保たれている.PAHではこの,内皮細胞上のETB受容体の濃度が減少し,血管平滑筋細胞のETB受容体が増加して,血管収縮性・細胞増殖性優位に作用している.

CHDではET-1の血中濃度と術前・術後の肺動脈圧が相関し78),Down症候群では有意に術後のET-1濃度がnonDown症例より高い(n=16).そして術後24時間以内に術前まで低下しない症例が多い79).小児腎疾患と慢性非透析症例では著しく血中ET-1濃度が高い80).成人では,bosentanは蛋白尿やET-1の産生を抑制する効果があるとされる報告が多い.CHD-PAHやIPAHでは血中ET-1が高いが,人工心肺装着開心術では,大動脈遮断解除後から有意に肺静脈血で高値となり,術後12時間あたりまで持続する.このET-1の肺からの産生もしくは過剰な遊離が術後の肺合併症・肺再潅流障害reperfusion injuryの一因と考えられている81)

PAH世界シンポジウム(2003年イタリア,ベニス)において,bosentanのPAH治療における有効性のエビデンスのグレードは「A(複数の無作為割付比較試験またはメタアナリシスデータ)」と認められ,NYHA-IIIの患者には第一選択薬として推奨されている.

WHO-III~IVで既存の治療薬に加えた短期(16週)の治療成績でも有意な効果が得られている(The Cochrane Database of Sytematic Reviews. Liu C, Chen J. Endothelin receptor antagonists for pulmonary arterial hypertension. The Cochrane Database of Sytematic Reviews(http://www3.interscience.wiley.com/cochrane, 2004).

また小児ではないが,眼底メラノーマの手術後に血中高ET値を伴うPAHクリーゼを来した症例も経験されている82).ERAにはメラノーマの腫瘍増殖をin vitroで抑制する作用も指摘されている.

2)小児期の知見

本邦では2005年4月に成人PAHでNYHA-III,-IVに承認されたが,小児へのbosentan使用の臨床試験はBarst RJらによる2003年が最初である83)

欧州での小児の用量設定は表5に示す量である(BREATHE-3).PAH全19例(内訳はPAH10,CHD-PAH: 9)(WHO-II~III)の,12週後の治療結果では,mPAPは平均−8 mmHg低下,COは0.5 L/min増加,PVRは−300 dyne(SVRも−426 dyne)低下していた.1例に心不全増悪,1例に肝機能上昇が見られた.薬物動態特性は成人とほぼ同様であった.T1/2半減期は,反復投与時5.3~6.0時間で健康成人とほぼ同様であった.Epoprostenol使用によってもbosentanの薬物動態には影響がなかった84)

表5 FUTURE-1試験で使用された小児投与量の目安
体重(kg)初期用量(4週間)維持用量(その後)
10≦~≦2031.25 mg1日1回31.25 mg1日2回
20<~≦4031.25 mg1日2回62.5 mg1日2回
>4062.5 mg1日2回125 mg1日2回

米国では,12歳以上でBW40 kg以下の症例では,初回・維持とも62.5 mg1日2回が望ましいとされている.さらに長期の試験では,全86症例,平均11.5歳,PGI2併用44例,併用なし42例,平均14ヶ月の後方視的観察で,死亡5例(6%),mPAPは−7 mmHg低下,PVRは−5 Wood·U低下,継続投与は68例(79%)であり,一方13例(15%)で使用が中止されていた.WHO-FC改善は46%,不変44%であった75)

さらに欧州での後方視的試験の結果は,平均8.3歳,全40例(内39例はNYHA-III~IV),平均12.7ヶ月の観察で,19例(95%)では病状が安定したが,12例ではPGI2の併用が必要であった85).小児(n=10)と成人(n=20)で,CHD-PAH症例(87%はES)へのbosentanの効果を検討した研究では,短期(4ヶ月)では効果は同様であったが,長期(2.7年)では徐々に効果が減弱していた.特に使用前が重症の小児例では顕著であった86)

また他の報告でCHD-PAHでは,全7例,平均年齢3.8歳で,8.6ヶ月の観察後,右室圧は96±11 mmHgから71±26 mmHgに低下し,NYHA-FCも平均2.6から1.7に低下している87)

安全性に関しては(FUTURE1試験・FUTURE2試験),欧州の市販後調査によれば,2~11歳146例と12歳以上4443例の比較で,有意な肝機能異常は2.7% vs. 7.8%,投与中断率14.4% vs. 28.1%と12歳以上では有害事象が多いと結論している.多くの肝障害は投与開始後4~8週以内に多く見られる88).薬理学的なrisk-benefitから考察すると,体重30 kg未満では,2 m/kg×2回/日を推奨している報告がある(FUTURE1)89)

Bosentan併用による薬物相互作用については,(10例,年齢39~77歳),62.5 mg,1日2回投与の4週後には,sildenafil(100 mg/日)のclearanceが2倍に増え,AUCが55.4%ないし50%減少した.125 mg×2回/日投与ではさらにclearanceが増加し,AUCを低下させた.逆にsildenafilはbosentanのCmaxを42%増加させた90,91)

Tadalafilとの相互作用については,全15例,年齢19~52歳,bosentan 125 mg×2回/日とtadalafil 40 mg/日投与10日後の検討で,tadalafilのAUCは0.59,Cmaxは0.73に低下し,一方bosentanはAUC; 1.13,Cmax: 1.20と増加していた.つまりbosentanはtadalafil血中濃度を41.5%低下させた92)

豪州での全7例の報告ではbosentanにsildenafil(6例),epoprostenol(4例)が加えられているが.3年で100%,5年で75%の生存率であり,増悪を遅延できるとしている93)

欧州での小児40例(IPAH20例,APAH20例),平均8歳の1年間の観察では,IPAHの60%がepoprostenolの併用を必要とした.一方APAHは概ね改善していた94)

2. Ambrisentan

選択的なETA受容体拮抗薬であり,WHO-II,-IIIのPAH(第1群)に有効である.我が国においても2010年9月に成人PAHに承認されている.ETB受容体に比べETA受容体に77倍選択性が高く,90%以上のETA受容体に取り込まれ,ETBには10%以下である.1日1回投与である.

1)成人領域の知見

成人においては2004年のATSでPhase-IIIの結果(ARIES-1: 5 mgか10 mg,ARIES-2: 2.5 mgか5 mg)として,6MWD,WHO-FC,Borg Scale,SF-36の改善が報告された結果,5 mgないし10 mgが推奨された95)

成人では,24週間の臨床試験(ARIES-1, -2)で12週後;33.5±43 mと24週後;46.8±52.7 mの6MWDの改善と,BNP低下が長期に持続したと報告された.国内試験では48週後;+59.6 m,84週後;+57.7 mであった96).この結果,国内では開始用量5 mg/日,最大量10 mg/日,となっている.

その後の延長試験ARIES-Eにおいても,2年間の観察で,6MWDが5 mg: +23 m,10 mg: +28 m改善している97)

2012年6月EMAにおいて,成人特発性肺線維症IPF(WHO-PAH分類第3群)の臨床試験(ARTEMIS IPF試験)においては,呼吸機能の増悪を理由にambrisentanの使用が禁止されている.このため暫くは第1群のPAHのみに使用されるべきとされている.Sildenafil,tadalafilやwarfarinとの併用による薬物動態PKへの影響はない.海外試験では肝機能異常(正常上限の3倍以上)は1年間:2%,2年間:3.9%であった.妊婦への使用は禁忌である.末梢浮腫,鼻閉,副鼻腔炎,顔面紅潮などが主な副作用である98)

2)小児期の知見

小児では,後方視的な症例検討で,PK,有効性,安全性,忍容性が評価されている.

小児における症例検討では,総症例数38例,bosentanからの切り替え15例,add-on 23例,投与量は;<20 kg: 開始量2.5 mg,維持量5 mg,20~40 kg: 開始量2.5~5 mg,維持量:5~10 mg,>40 kg: 開始量5 mg,維持量5 mg,でいずれも1日1回としている.平均投与量は0.19±0.1 mg/kg/日であった.用量5~10 mg/日の投与では,肝機能上昇例はなく,Cmax,AUCとも成人と同様であった.末梢浮腫は小児では稀であり,最も多いのは鼻閉であった99).現在小児領域では国内で8~17歳のPAH症例(I-PAH,CVD-PAH,CHD根治術後PAH)への臨床試験が行われている.Peak濃度(Cmax)は成人で経口投与1.5時間後で,T1/2は9~15時間である100).BosentanはCYP2C9,CYP3A4,sitaxsentanはCYP2C9で代謝される.一方ambrisentanはCYPによって全く代謝されない.

表6に3種類のERAの特徴を示す101)

表6 ERAのProfile87, 88, 101)(成人)
BosentanAmbrisentanMacitentan
開発ActelionMyogen, GSKActelion
日本における承認2005.4(成人)2010.7(成人)2015.3(成人)
比較的ETA選択性(ETA>ETB)20 : 177 : 1
ETA/ETB阻害薬ETA選択的阻害薬ETA/ETB阻害薬
選択性×260倍
用量・用法62.5 mg×2回/日5または10 mg/日10 mg
1ヶ月後から125 mg,2回/日1回/日1回/日
Peak血漿中濃度1 hr
Tmax3~4 hr(125 mg)2 hr(5 mg)5 hr(10 mg)
T1/25.4 hr13.6 hr(5 mg)12.4hr(10 mg)
4.3 hr(62.5 mg), 3.6 hr(125 mg)
代謝CYP2C9/3A4,胆汁排泄非腎臓性排泄 肝p450(CYP)に関連しない(グルクロン酸抱合)CYP3A4
Warfarinとの相互作用ありなしなし
Sildenafilとの相互作用ありなしなし
催奇形性ありありあり
精子数減少ありありあり
副作用あり
肝機能障害あり
重篤肝機能障害(1.3%)汎血球・白血球・好中球・血小板の減少・貧血・心不全貧血(4%),体液貯留(12%)心不全,間質性肺炎貧血(4%)
その他(10%以上):頭痛,筋痛,Hb減少(10%以上):血管浮腫,発疹,頭痛,鼻閉,喀血,紅潮(5%以上):頭痛
(5%以下):浮動性めまい,鼻閉,浮腫など
臨床試験BREATH-1, -2, -3, -4, -5国内試験ARIES-1, -2, AMB-220, -222国内試験SERAPHIN国内試験
3. Sitaxsentan(開発中止)

選択的ETA受容体拮抗薬(ETA>ETB: 6000~6500倍)であるsitaxsentanの検討では,小児・成人を含む20例のIPAH,CHD-PAHで,12週後運動耐容能と血行動態が改善した102).STRIDE-1(100 mgと300 mgの比較試験),STRIDE-2(50 mgと100 mgとの比較試験)やbosentanとの比較試験のSTRIDE-2Xにおいて100 mg/日の投与が治療中断率,臨床的増悪率,肝機能上昇率,1年生存率において有意に良好であることが示されたが,その後開発が中止されている.小児での開発も進められていない103,104)

C. Prostacyclin(PGI2)

我が国で開発された経口PGI2のBeraprost(BPS,Dornar科研,Procylinアステラス)(1992年1月製造承認),同徐放錠(2007年10月承認)に加え,静注のepoprostenol(Flolan, GSK)(1999年1月承認),treprostinil(Treprost)(持続皮下注,持続静注;持田),(海外では吸入,経口もあり),iloprost(吸入;本邦臨床試験中,Bayer)(海外では静注もあり)がある.

1. Epoprostenol(PGI2; Flolan, GSK; Actelion)
1)小児領域の知見

我が国の小児26例の初期の検討では,使用後もmPAPと肺体血管抵抗比Rp/Rsは低下が緩やかだが,心拍出量は開始後1年,平均投与量15.7±3.1 ng/kg/minでほぼ正常値に戻ってくる.こういった症例には肺血管選択性の高いPDE5-Iの追加add-on療法が有用である105)

米国のStanfordとDenverからの小児PAH77例(iPAH; 47,CHD-PAH; 24を含む),(平均7.7歳,観察期間4.3年)の治療の結果では,37例がPGI2継続管理,17例がPGI2 off,16例が死亡,5例が心肺移植を受け,K–M生存率は5年で70%であった.使用量は,1年;31 ng/kg/min,2年;34 ng/kg/min,3年;34 ng/kg/min,4年;34 ng/kg/minであり,これは小児でも世界的な平均的使用量と考えられる106)

2)PGI2 Dosing

小児での報告は少ないが,1990年代後半のEpoprostenol治療が盛んに開始された頃の研究によれば,米国では成人で平均17ヶ月後は40±15 ng/kg/minで,MacLaughlinとRichはoptimal doseは22~45 ng/kg/minであり,多すぎると臨床的増悪をきたすような高心拍出量状態になると警告している107,108)

欧州の研究では,通常1 ng/kg/minで開始し,12時間ごとに1 ng/kg/min増量し,10 ng/kg/minまで増やしたら退院して臨床症状を観察し,3ヶ月で平均14±4 ng/kg/min,1年目は21±7 ng/kg/minそして平均41±17ヶ月後では32±10 ng/kg/minだったと報告している109).英国からの小児例の報告では平均年齢5.4歳,使用後平均27ヶ月の時点で,IPAH 25例に対する平均使用量は32.5(10~63)ng/kg/minである.またESを含むPAH全体(35例)の使用量も29.6±15.2 ng/kg/min(6~63 ng/kg/min)であった110)

我が国における使用実態調査(1994.4以後の使用開始で2006.3まで,73症例)では,平均使用量は開始時2.0±0.8,6ヶ月後は11.2±6.4 ng/kg/min,12ヶ月後は14.9±4.6 ng/kg/minであった.特にNYHA-IVで開始した症例は1年後9.8±5.8 ng/kg/minと増加が緩やかであった.平均歩行距離は389.7±79.6 mから462. 7±93.5 mと増加している.肺出血は2例と少ない111).別の統計では,開始時は1~2 ng/kg/min,3~4ヶ月後;6.7±2.4,1年後;16.2±3.1; 2年後;26±9.4,3年後30.3±1.7 ng/kg/minであった112)

国立循環器病センター小児科からの報告では,7例(1999.1~2005.8)で,10歳代5名,10歳未満2名で,平均11.4±3歳,PVR12.8~40.7 Wood·U,mPAPは52~87 mmHg,投与開始時使用量;2.0±0.7,1ヶ月目;6.6±1.8,5~12週目;7.5±2.2,25~52週目;10.6±6.3 ng/kg/minであった113).一方,本邦成人での使用量の報告では,開始量;1.6±1.0,1週間後4.0±2.5,1ヶ月後;6.3±3.1,3ヶ月後;12.1±6.2,6ヶ月後;17.7±10.9,1年後24.3±11.4 ng/kg/minであった114)

米国からの報告では,1987~2008年の間に104例のIPAH 89例,FPAH 15例をepoprostenolで治療し,その内14例が経口または吸入製剤に移行できたと報告しており,少量での維持,つまりthe lowest effective doseが基本であろう115)

3)成人領域の知見

PGI2が承認され,治療が一般的になった当初の成績では,PGI2の急性効果として,5.5 ng/kg/min投与により,mPAPは18%低下するが,AoPは32%も低下しており,PGI2の血管拡張作用は肺血管よりもより体血管優位であることがわかる116).慢性効果の用量は,1年目17.6±11.2,2年目36.7±21.2,3年目52.9±30.2であったが,これは経口PDE5-IやERAが併用されていない頃の使用量である.PVRは,各々22.1と15.6,3年目には14.6 Wood·Uと低下している117)

PGI2増量の調整法は,2ヶ月で平均1~2 ng/kg/minの速度で増量し,平均330日から700日の期間では,2~62 ng/kg/minの使用量であったとされていることが多い118).また平均16.7±5.2ヶ月観察した27例の1998年のNEJMの論文では,月平均2.4 ng/kg/minの増量速度であった119)

現在の推奨用量recommended doseはepoprostenolが2~40 µg/kg/min(DIV),treprostinil 2~50 µg/kg/min(DIV, SC, Inh),iloprost; 5 µg吸入,6~9回/日120)である.

すなわち,ESC2009とAHA2009の治療guidelineでの推奨用量はESCで,開始量2~4 ng/kg/minで維持量20~40 ng/kg/min121),AHAでは開始量2 ng/kg/minで,維持量25~40 ng/kg/minである122).日本循環器学会のガイドラインでも概ね20~40 ng/kg/minとされている123)表7).米国でも1990年代後半までに行われていた100~150 ng/kg/minの大量使用は,cost-efficacyやcost-economy,cost-utilityそして喀血,肺出血,動悸などの重篤な副作用の発症から考えても適切ではない124)

表7 エポプロステノールEpoprostenol持続静注の推奨用量設定118–120)
開始時用量増量最適維持用量
ESCガイドライン1)2~4 ng/kg/min副作用(潮紅,頭痛,下痢,脚の痛み)に応じた幅で増量20~40 ng/kg/min
AHAガイドライン2)2 ng/kg/minPAHの臨床症状と副作用を確認しながら増量25~40 ng/kg/min
肺高血圧症治療ガイドライン3)(日本循環器学会)1~2 ng/kg/min副作用と容認性を考慮しつつ,1~2 ng/kg/minづつ徐々に増量20~40 ng/kg/min
1) Galiè N, et al: Eur Heart J 2009; 30: 2493–2537.2) McLaughlin VV, et al: Circulation 2009; 119: 2250–2294.3) 肺高血圧症治療ガイドライン(2012年改定版).
4)Flolanからの離脱Weaning/Transition

NYのColumbia大学からの報告では,1987~2008年に104例(IPAH89例FPAH 15例)をepoprostenolで治療し,14例が経口または吸入製剤に移行できたと報告した.そのうち13例は平均7±3.4年(1.2~11.8)使用後であった.epoprostenol使用開始は発症後平均14ヶ月後で,77%はNYHA-II,15%はNYHA-III,mPAP; 58±21mmHg,PVRi; 24±20 Wood·U,CI; 3.9±2.1 L/min/m2,使用量は,併用経口薬が承認される前の症例が多いため,33~137 ng/kg/minであった115).1999年1月の承認後,epoprostenolからの離脱やtreprostinilへの変更が可能な症例もそろそろ見られてきている125)

少数例の報告だが,離脱の適正な時期は,mPAP,PVR,COが正常範囲まで改善したら,吸入PGI2製剤や皮下注製剤,もしくは経口薬を用いた併用療法で安全に離脱できるが,あくまで経験論が主体であり長期の経過観察と用心深い心構えが必要である.いずれにしても経口薬がこれほどまでに開発されてきた現状においては,epoprostenolからの設定維持量に関してlowest effective doseでの管理は基本であろう.

著者らの小児例でも離脱症例が出始めている126).経口bosentanを追加することでepoprostenolからの離脱または減量できた症例も報告されている.小児IPAHで年齢8.5~17.5歳,WHO-FC: 2.3±0.5でepoprostenol使用平均7.6±2.3年の症例に経口bosentanを追加したところ,平均2.0±0.4年で8例中3例において中止が可能であり,5例では86±37 ng/kg/minから29±31 ng/kg/minに減量できている127).静注epoprostenolから,吸入iloprostや吸入treprostinil,およびPDE5-IやERA併用などへの離脱もそろそろ一部の症例で可能になったと思われる.患者の精神的負担の軽減が得られる.

5)副作用a. 甲状腺炎thyroiditis

Epoprostenol使用中には破壊性もしくは自己免疫性甲状腺炎を主とする甲状腺疾患を合併することがある.著者らの経験例128)では,小児期~若年発症のIPAH(年齢5~38歳の5例,PAH発症時平均年齢20歳,甲状腺疾患発症時年齢;24.3歳,epoprostenol開始後平均3.0±1.3年,調査対象16例の使用量;23.9±12.0 ng/kg/min)で,使用中の44%に自己免疫性甲状腺炎が報告された.BMPR2変異は0例であり,機能亢進3例(13, 16, 18歳),機能低下2例(33, 40歳)であった.

米国の報告でも,小児78症例中8例(12%)(PAH診断時平均年齢:10.7歳,全例女性,発症年齢;14.1歳)に認められ,全例epoprostenolが使用されていた.使用開始後平均2.4年後(0.5~4.5年).5例は心不全が増悪したが,3例は無症候であった.検査を施行した3例でBMPR2変異が陽性であった.8例中3例は他の自己免疫疾患を合併していた.心不全増悪時には甲状腺機能への十分な注意が必要である129)

b. 血流感染

PGI2使用中は血流感染blood stream infection(BSI)の頻度が高くなる.これは皮下ルートを使った持続静注による局所からの侵入に加え,PGI2自体に易感染性を生じる原因がある.ある報告では,123/1146例(11%)の頻度で発症し,treprostinilのほうがepoprostenolより有意に頻度が高く(0.36 vs. 0.12/1000例),多くはグラム陰性桿菌であった130)

また他の報告でも,treprostinil; 0.938 vs. epoprostenol; 0.118/1,000治療期間(p=0.037)131),およびtreprostinil; 1.13 vs. DIV epoprostenol; 0.42/1,000治療期間(p<0.001)と,いずれの報告もややtreprostinil使用に多いとされている132,133)

その予防として,持続静注に際して溶解液の連結管を保護した閉鎖式Hubシステムを使ったり134),pHをアルカリ化することによってBSI合併率を減らすことができる.またepoprostenolの溶解液をtreprostinilの溶解液として使用することで頻度を減らせるとの報告もある135).持続静注施行中のPAHに対するBSIの予防には,Healthcare Infection Control Practices Advisory Committee of the Centers for Disease Control and Prevention(HICPAC/CDC)のガイドラインが有用である136)

c. 肺出血・喀血

Epoprostenolに関しては,重篤な肺胞出血・肺出血の危険性がある.成人の検討では,平均33.5歳で,52症例中8件(13.5%)に出血の既往があり,6件は肺胞出血で,うち3例は重篤な呼吸不全があった.平均濃度は,60.0±36 ng/kg/min(使用699日の時点)と現在の推奨用量を超える濃度であった137)

主に成人剖検例の検討では,PGI2治療を受けていた症例は叢状病変plexiform lesionの所見の頻度が有意に高く,また中膜・内膜肥厚の所見の改善は長期治療群においてさえもほとんど見られていない.更に注意すべきは1ヶ月以内の短期治療群で3/10例,平均47ヶ月使用した長期使用群では実に10/12例にびまん性肺出血の所見が認められていた.22例中4例は血小板減少を示していたが,これらはPGI2の長期使用例の特徴と思われる138)

また,剖検例でのplexiform lesionはPGI2未使用例や男性患者ではほとんど見られていない.いずれの報告でも血管周囲にマクロファージやTリンパ球などの炎症性細胞浸潤が認められており,これもPGI2使用の特徴と思われる139)

6)Epo ASとEpo GMの比較

従来のepoprostenol GM(Epo GM)(Flolan, GSK)は緩衝剤としてglycine緩衝剤と付形剤としてmannitolを使用していたが,最近新しい製剤epoprostenol sodium AS(Epo AS)(米国;Veletri,Actelion)が承認された.これは緩衝剤としてのarginineと付形剤としてsucroseを用いた製剤である.その特徴は室温で安定で30°C以下では冷却の必要がなく,epoprostenolのように室温で8時間以内,または2~8°Cで24時間との制限がないのが特徴である.

両剤をランダム化比較試験で検討したEPITOME-1試験の結果では,安全性,忍容性,有効性も遜色ないと結論されている140).EPITOME-2試験ではEpo GMからEpo ASに安全に同量投与で移行できた141)

我が国でも安全性と忍容性がEPITOME4試験で検討され,良好な移行が可能であった142)

2. Treprostinil(米国;Remodulin, Treprost)

Treprostinilには,静注,皮下注,吸入製剤がある.Epoprostenolに比べて,静注での排泄半減期T1/2は4.4時間,分布半減期は45分と長い.室温保管で良くまたポンプも小さく,カセット容器製剤であり溶解の調整が不要で交換も楽である.用量設定が増えても足痛以外の副作用は少ない.小児における後方視的研究(3~17歳:平均11歳),では,epoprostenolからの変更は安全で可能であり,副作用が少ない.しかし17例中1例で血流感染BSIを併発していた143)

小児例(IPAH; 27例,CHD-PAH; 52例)において皮下注は末梢血中のCD34+ endothelial progenitor cell(EPC)を増加させる.これはPDE5-I,ERAでは変化が認められなかったので,PGI2の作用と思われる.血中ではendothelial colony forming cells(ECFC)が増加し,高細胞増殖作用と血管新生angiogenesisの増強が期待されると解釈される144)

小児期においても静注から皮下注に移行できた報告がある145).すなわちepoprostenolが使用できない制限があるときはtreprostinilが代替えとなり得る.

皮下注製剤における成人期治療中断率(59%)の約半数は疾患の増悪が理由であり,そして3分の1は注射部位の痛み(92%の症例が感じている)を主にした副作用である146).小児でも静注epoprostenol(27 µg/kg/min)から皮下注treprostinil(目安22 µg/kg/min)へ移行できた症例がある147).また,IPAHに対しても,1~4年の生存率は91~72%で,悪化は14%しかなかった.

Treprostinilの吸入は,小児期でも1日4回(6 µg/呼吸の3~9回/日)で,有効であったとの報告も相次いでおり,吸入による咳は中止する理由にはならなかったと述べられている148).treprostinilの吸入療法は,成人で皮下注が痛みのため継続できない時に使用されている149).皮下注の半減期は1.38時間であり,静脈内投与では0.87時間である150)

既にsildenafilやbosentanを投与されている成人のIPAH難治例に吸入treprostinilを追加するプラセボ対照のTRIUMPH試験の結果でも吸入の有用性が証明されている151)

3. Iloprost(米国;Ventavis)

吸入での半減期T1/2は20~25分であるため,6~9回/日の吸入が必要である152)

全身血管抵抗には影響せず,静注PGI2と違いgas交換や肺内shuntも改善する.

小児ではCHD-PAH(15例)での術後PVRの低下が報告されている.吸入製剤ではiloprostの持続時間30~45分,そしてTrepの60~120分は何れも効果持続時間が短いが,6~9回/日の吸入は煩雑で,有効性の判断も不確実となる153)

その他,CHD術後PAHのcrisis予防としては,0.5 µg/kg/minの吸入で,12例中8例は,mPAPが48±15 mmHgから30±8 mmHgに低下し,動脈血酸素飽和度も,82±17から93±12%に増加している154).小児での吸入iloprostの成績は少ないが,小児でも効果は吸入NOと同じ程度で,時に気管支攣縮が起こりうる.併用によりepoprostenolの必要量が減少し,bosentanやsildenafilの併用にも十分耐容可能であるが,一部では慢性投与で増悪が経験される155).他にも22例の小児で急性効果と慢性効果が観察されている.急性効果では,吸入NOと同じ効果が得られているが,気管支攣縮の影響でFEV1.0が5%低下,MMFが10%低下した.また慢性効果では,NYHAの改善35%,不変50%,増悪15%であった.9人の静注PGI2症例中8例が吸入iloprostに移行できている156).さらに,28試験を分析した小児領域でのsystematic reviewでは,主に術後や新生児PPHN,急性負荷反応におけるPAHが対象であったが,その効果は吸入NOに匹敵するものである.個々の症例での有効量の設定はなされていないが,有効であることは間違いない157).CHD-PAHの小児における吸入iloprostを用いた急性負荷試験では,0.5 µg/kg投与で,18例中13例で効果を示し,PVRは9.3±4.6から4.6±2.7 Wood·Uへ低下,Rp/Rsも0.54±0.37から0.24±0.14へと著明に低下している158).小児では,30~50 ng/kg/min(10分間吸入/2時間毎)の報告もある159)

4. Beraprost(BPS)

臨床的に経口BPSは極めて利便性が高い.ALPHABET研究では12週間の6MWDは改善したが,その後の9ヶ月,12ヶ月後の6MWDは改善せず,心血行動態も改善していなかった.しかし臨床の現場では患者の運動能改善を始め自覚症状の改善が認められる160).半減期は35~40分であり,効果が一時的で持続することが少ない.少数であるが小児例での使用例が報告されている1)が,BPSの持続製剤は小児期での報告がない161)

5. NS-304

新規開発中のNS-304(経口)はPGI2受容体agonistであり,経口でも半減期T1/2は10時間で,MRE-269のプロドラッグである162).このNS-304はberaprostやiloprostがEP3受容体を介して血管拡張するのと異なり,IP受容体を介して特異的かつ持続的に拡張反応を来す163).またberaprostやiloprostの胃の機能や壁運動への影響も見られない164).小児への臨床試験の予定はない.

Ⅳ. 治療開始に際して

A. 急性血管拡張試験AVT

PDE5-I以外の血管拡張薬による急性薬物負荷試験では,体血圧のほうが肺血圧よりも低下するため,心拍出量は増加しても,血圧低下,反応性頻脈,低酸素血症には十分注意すべきであろう165).吸入100%酸素単独よりはNO吸入+100%O2のほうが効果が大きい166)

AVTでは,肺動脈圧の低下だけにとらわれず,肺体血管抵抗比Rp/Rs,肺体血圧比Pp/Psに注目すべきである167)表8).

表8 PAHの急性血管拡張試験AVTに用いる薬剤
効果
PGI2168)静脈1~2 ng/kg/min, 10~15分毎に増加PA圧低下少ない
cAMP経路濃度の高い負荷は血圧低下の危険心拍出量増加強い,体血圧低下>肺血圧低下,ガス交換増悪あり
NO169)吸入体血圧低下しない
cGMP経路5~20 ppm,10分間PA圧低下のみ.速効性,消失も早い.稀にreboundあり
Iloprost170)吸入2.5~5.0 µg/回選択的PA圧低下
cAMP経路心拍出量不変,個人差が大きい
酸素吸入100%,10分間速効性,消失も早い.
KチャネルPA圧低下,体血圧軽度低下
Fasudil171)吸入30 mg,10分間PA圧,肺血管抵抗低下
Rho kinase心拍出量,全身血圧不変
阻害

平均年齢7.5±5.9歳,36例におけるsildenafil 0.5 mg/kg投与後の平均PVRの低下は,11.6%に見られている.しかし21例(58%)でしか血中sildenafilは検出できなかったとされている172)

B. 最良の選択

主に用いられるのはPGI2,PDE5-IとERAの3系統の薬剤である.一般にNYHA-IIでは経口PDE5-Iと我が国で処方可能なPGI2誘導体のBPSから開始する.心機能の適応や全身血圧など通常3~6ヶ月観察し,効果なければERAのbosentan(トラクリア)かambrisentan(ヴォリブリス)の追加add-on,またはNYHA-IIかIIIで,AVTの拡張反応がなければ静注PGI2の早期の併用を考慮する.

単剤か併用かの決定は症例ごとに異なる.いずれも増悪したら回復するまで数ヶ月~数年要することを考慮し,積極的に有効な製剤を選択してゆく.NYHA-IIIないし-IVに進展しないように管理する.3種類の併用のほうが必ずしも効果があるとは限らない173).さらに副作用も3倍ないし3種類となるし,薬物相互作用もある.却って6MWDが低下したり,NYHA-FCが増悪する症例があることを忘れてはいけない.

また,経口薬群とepoprostenol群を比較してみると,RV stroke work indexと,肺capacitanceで判定した右室機能は,経口薬群では改善せず,epoprostenol群のみ改善するとの報告がある174)

さらに,治療の結果RVEFが0.35以上に上昇するか,または維持できている症例は予後が良い.PVRが8 Wood·U以下に低下しても右室機能が低下する症例は予後不良との報告もある175)

最近では,tandem mass spectrometerを用いた薬物濃度測定の精度が向上し,併用療法におけるpharmacokineticsやdrug interactionがより正確に予測可能となっているので,どの症例にどの薬をどのくらい使用するというtailor-madeの服薬デザインを決定できると予想される63)

C. 治療戦略

ACCP治療アルゴリズム(2009)では,WHO/NYHA機能分類に従って薬物療法を選択する.今では“発症させない”か,または治療開始は可能な限り早ければ早いほどよいと個人的には感じる.治療薬の基本はPGI2,PDE5-I,ETAであり,欧米ではmonotherapyで開始し,3~6ヶ月観察後有効性がなくなればcombination therapyとする方法が主流である.最初から併用療法で開始している施設もあるが,現状では優れたエビデンスに欠ける.

NYHA-II以上が治療対象だが,NYHA-Iでも遺伝性PAHが検査で確定でき,または増悪傾向があればNYHA-II以下の発症前に治療を開始するのも得策である.また,ALK-1陽性を示すHHT-PAHは予後が悪いので,早い時期に開始するべきと思われる176)

心不全急性期には,右心不全と左心不全の両心不全が存在し,全身臓器の血液潅流量低下による諸症状を改善する.通常,欧米でも日本でも,カテコラミンDOBとPDE3-Iが併用される.右心系由来の不整脈の出現に注意し,少量から始め観察する.

D. 治療薬の代表的副作用41)

小児の市販後調査による,3主要治療薬の副作用を見てみると,上位3兆候は,ERAは肝機能障害62%,心不全11%,失神8.6%,epoproatenolでは,肺出血13.1%,心不全9.7%,喀血と右心不全共に8%,sildenafilでは心不全12.4%,低血圧11.2%,呼吸困難10.1%(4位は喀血8%)であった.特にepoproatenolとsildenafilの肺出血と,sildenafilとbosentanの心不全は要注意である.すなわち,2ないし3種併用はそれなりに副作用の頻度も多いということである.薬物療法開始前には,10種の質問事項を確認してから開始するようにしている(表9).

表9 肺高血圧治療薬を投与開始する前に注意すべき確認事項
質問項目主に関連する薬剤
1. 低酸素の増悪(V/Qミスマッチ)PGI2
2. 実質性肺疾患,間質性肺炎PGI2
3. 甲状腺疾患PGI2
4. 肝機能障害ERA
5. 低血圧,めまい,ふらつきERA
6. 網膜疾患,視力低下PDE5-I
7. 難聴PDE5-I
8. 逆流性食道炎,GERPDE5-I, ERA
9. 出血傾向(喀血,肺出血)PGI2, PDE5-I(ERA血小板減少)
10. 片頭痛,慢性頭痛PGI2, PDE5-I, ERA

E. 外来での管理

NYHA-I~IIsの外来レベルであれば,経口で開始可能な薬剤を選択する.

我が国では,まず経口PGI2製剤と同時にPDE5-I,またはERAを併用し,3~6ヶ月観察し,効果がなければ2~3者併用とする.併用により心指標が低下することもあるので注意する173)

成人では,併用療法combined therapyが必ずしも単独療法monotherapyよりも勝るとは限らないとの報告がある177).経口薬で心不全の改善なく,胸部レントゲンのCTR,SpO2,BNP,6MWD,エコー上のPAP,Tei Index,AcT/ET,組織ドプラー指標E′などから観察し,NYHA-IImから脱しきれない時は静注PGI2を開始する.静注PGI2治療開始は,The sooner,the betterで早いほうがよいと考えている.著者らは,NYHA-IImでも酸素負荷に反応せず,PCW造影で“枯れ枝様細動脈”で“毛細血管の綿あめ様陰影”cotton ball appearence,またはcapillary fillingが乏しい場合は,開始している.重症例ほどPGI2の不全心筋への適応時間が長いため,緩やかな増量で進めてゆく.決して性急な治療薬の変更や増量をしてはならない.

現在までの臨床試験の方法とendopointの設定では,systematic reviewの結果が示すように,“ERA,PDE5-I,PGI2のどのクラスの薬剤を用いても,12~16週間後の結果には有意差はない”との印象が強い.つまり,各疾患別に最も適切な治療薬の推奨はまだなく,endopointを生存率としたり,新たなstudy designとendopointを設定しない限り,その疾患に特異的な真の有効性は証明しえない178)

F. 期待される肺血管拡張以外の作用

代表的PAH治療薬は,血管拡張作用に加え,同時に抗炎症,抗サイトカイン,抗血栓,抗増殖,抗線維化,抗腫瘍性,抗remodeling作用,remodeling修復作用等,様々な生物学的作用を有している.短期の肺血管拡張効果以上に2~3ヶ月以後の慢性効果が期待される.

PAHの成因には,炎症–変性(代謝障害)–腫瘍性増殖に伴う内膜肥厚が大きく関与している.その中でPGI2は抗炎症作用を発揮し,PAHの病理で観察される血管周囲の細胞浸潤には良い影響を与えている.多くのPGI2製剤は,樹状細胞,単球,マクロファージ,内皮細胞,好酸球を調節し,またIL-10活性を亢進させ,T細胞数も減少させ,TH1/Th2比も変化させる.ERAにも,抗炎症作用があり,PDE5-Iのtadalafilにもサイトカイン産生抑制作用も報告されている179)

G. 薬物治療のポイント

治療によるPVRの低下に伴い,中~長期的には酸素に対するAVTや毛細血管形態の改善,肺血流シンチの血流増加が確認される.肺血管に選択的でなく,体血管に比し優位な拡張作用を持たない薬剤は,体血管の拡張増強による一時的な心拍出量増加があっても,右心房・右心室への還流静脈血増加に反応できる肺血管の血流依存性拡張反応が弱い中等~重症例では,肺動脈圧の低下が生じず逆に上昇することが観察される.中期の治療のgoalは体循環とのバランスであるRp/Rs比の低下が最も重要であり,両心室の拡張能改善,CIの正常化と,6MWD,ADLの回復,究極的には生命予後の延長である180).成人では,NYHA-I~II,6MWD; 380~400 m,VO2>15 ml/kg/min,RAP<8 mmHg,CI; 2.5~3.0 L/min/m2が目安である.

治療薬の選択には,右心カテーテル時のAVTにおけるPAP,PVR,COの変化,PCW造影の小動脈の形態等が,目安となる181,182)

Ⅴ. どう選択するか?

肺血管拡張薬には使用順序に定説はない.またmonotherapy単剤の増量か,combination併用療法か,についても病状が重症ゆえに試行錯誤の状況である.その症例のWHO/NYHA機能分類,重症度,右心不全の程度,に従って肺循環の正常化を図る.NYHA I-IIの軽症例では,経口PGI2製剤のBeraprostの長時間作用型徐放製剤(Berasus: 60 µg×2/日・成人)と,経口PDE5-IのRevatio(20 mg×3錠/日・成人)で開始する.その他少量のループ利尿薬,K保持利尿薬,抗血小板薬,低血圧がなければACE阻害薬を用いる.頻脈傾向や頻脈性不整脈が懸念される時は経口ジギタリスを用いるが,静注による急性効果としてPVRが上昇することがあるので注意する.心不全の増悪時には,入院の上DOB 1~2 ng/kg/minとPCWを下げる意味でPDE3-I(Olprinon,またはMilrinone)で補助し,静注PGI2を0.5~1 ng/kg/minで慎重に開始する.

小児では,BMPR2またはALK1遺伝子変異のある症例は治療への反応が不良であるとの報告もあるが,使用薬剤の異なる時代での検討が多く,確実な比較対照試験が必要である176).その他,ALK6CBLN2Smad8KCNK3Notch3変異などの小児領域の報告と治療反応性も検討課題である183,184)

最近発表されたオランダ,ニューヨーク,デンバーの3施設の治療効果の比較検討では,1,3,5年生存率が,100~96~90%(NY),95~87~78%(Denver),84~71~62%(オランダ)と施設により若干差があるが,多因子解析では,Hazard Ratioは単独療法(全体の35%)を1.0とした時,二種併用(34%)は0.156,三種併用(17%)は0.094と低く,NYHA-III~IVはI~IIに比して3.251と高かった185)

各薬剤による治療後のmotalityの相対危険率RRはPGI2; 0.62,ERA; 0.60,PDE5-I,0.40と,どの薬剤でも改善を示し,全般改善度は0.56に低下する.各薬剤間の有意差は認められていない178)表10).そして各併用療法のriskの比較も確実ではない.

表10 主要3大肺血管拡張薬の治療効果の相対Risk(RR).(Macchia A, Am Heart J, 2007; 153: 1037–1047)

さらに最新のsystematic review & meta-analysisでは186)

  • 1)入院率低下と6MWD増加はmonotherapyでの開始で明白.しかしcombination治療の6MWD増加はより少ない
  • 2)効果がない場合は,combinationとなるよう一剤追加する
  • 3)Guidelineで推奨しているようにmonotherapyで始めるべき

と述べられており,表11に示すように必ずしもcombination療法が良いとは限らない.個々の症例のdataと特性をよく観察し,決定する繊細さが求められる.

表11 主要3大肺血管拡張薬の臨床評価項目へのOdd-Ratioと改善度
(Odd Ratio) ERAPDE5-IProstanoids
Mortality0.60.30.52
6MWD増加∔31.8 m∔38.9 m∔27.9 m
(Combination; +23.9%)
Hospitalization0.340.480.42
(Combination; 0.64)
mPAP (mmHg)−2.7−3.6−3.8
PVR (mmHg/L/min)−218−225−256

Ⅵ. 全身管理の留意点

A. 酸素療法

CHD-PAHでは,安静時には認められなくとも,労作時・睡眠時に低酸素が明らかになる.治療としての酸素は,長年議論を呼んでいた部分であるが,いくらかの利点が観察されている.つまり酸素療法の結果,SpO2の上昇,mPAPの低下,CIの増加,PVRの低下,右左短絡の減少,が見られるため投与が勧められる.さらに労作時のSpO2低下の軽減,姿勢(仰臥位)による夜間SpO2低下の軽減,5年生存率の改善がある.心不全増悪による入院率も低下,活動範囲の増加,成長の促進,神経発達の促進,睡眠の質の向上にもつながる.しかしいずれも良くデザインされたtrialの成績ではなく,また諸外国ではcostのことを考え投与しない施設もある187)

B. 生活管理・指導

脱水の回避,過度の労働と激しい運動,精神的ストレスの軽減,高地滞在の回避,睡眠不足,末梢血管拡張薬の過量投与,妊娠の回避,貧血是正,奇異性血栓塞栓症の回避,非心臓手術での麻酔による末梢血管拡張の注意,甲状腺機能の観察,心エコー指標の経時的観察が必要である188,189).一般感染症やインフルエンザ等の予防接種を勧める.

Ⅶ. 治療経過

英国の研究では,小児216例のIPAH+FPAHの生存率は,IPAH 1年;85.6%,3年;79.9%,5年;71.9%,APAH 1年;92.3%,3年;83.8%,5年;56.9%であった.特に術後CHD-PAHの予後は最悪の結果であった.またepoprostenol+sildenafil+bosentanは最高のcombinationと報告している190).治療効果の判定にはBNPよりもNT-pro BNPがより症例の臨床指標や血行動態指標と相関していた191).小児IPAH(51例,平均年齢11.6歳)の予後判定には,組織dopplerによる三尖弁の心筋早期拡張期弛緩速度early diastolic myocardial relaxation velocity(Em)が,血漿中BNP値やmPAPとよく相関した.特に三尖弁Emが≦8 cm/s以下では予後不良であった192).小児の予後予想には,TIMP-1(tissue inhibitors of metalloproteineses-1)(Hazard ration; 1.25),apolipoprotein-AI,RV/LV拡張末期径比,そして診断年齢が生存期間と相関していたとの報告もある193)

昭和50年代の九州大学での検討では,発症から死亡までの平均生存期間は18ヶ月194)であった.1996~1997年の小児期PPH28例では,1年;56%,3年;33%,5年;17%195)と当時は不良であった.2000年の全国調査成績では,発症後平均生存期間は3年5ヶ月±3年,であるが,1994年からは経口PGI2が使用され始めた時期で,約60%にBeraprostが使用されていた196).2001~2006年のUKでの統計では,epoprostenol,sildenafil,bosentanの併用療法も含まれるIPAHでは,1年:85.6%,3年79.9%,5年:71.9%であり,ACHDの中でCHD術後の強いPAHはやはり予後が最悪であると述べている197)

肺移植については,英国の小児PAHの肺移植適応例の特徴は,診断時平均年齢3.7歳,待機リスト掲載3.6年後,WHO-FC; 3.5,最低SpO2; 76.5%,6MWD; 154 mであった198)

Ⅷ. 特殊な状況下の治療

A. Eisenmenger症候群(ES)

経口sildenafilは運動耐容能,肺血行動態を改善させるが,小児領域での臨床試験の結果がまだ集積されておらず,用量が設定されていない.目安として1~2 mg/kg/日,分3が妥当である.これ以上の高用量ではかえって予後が悪くなる危険性があり,注意喚起が発表されている17,199)

経口bosentanについて,小児ではsildenafilとかepoprostenolとの併用の研究がある.維持量は31.2~250 mg/日と幅広い.小児での肝機能障害は3~4%と成人に比し稀である73,81,194)

静注epoprostenolは当初からESにも使用されている.開始量は1~2 ng/kg/minであるが,経口PGI2薬を最初に投与し効果が不完全になってからepoprostenolを開始する形が多くなったため,平均維持量は20~40 µg/kg/minと思われる.経口PGI2にて効果不十分な症例は,いつまでも経口薬に固執することなく,NYHA-III以前に静注開始に踏み切るべきであろう107)

根治手術施行後のPAHに対しても,sildenafil,bosentan,吸入iloprost,DIV-PGI2または併用療法が有効な症例があるが200),通常CHD-PAHは極めて予後不良である170)

Down症候群のESでは,bosentanに対する効果は明らかではないとされているが,聞き取りの判定が困難が要因とする意見もある201).ESCのESに対する治療推奨レベルを表12に示す.

表12 Eisenmenger症候群に対する治療の推奨度(成人領域)[文献112]
ClassLevel
WHO-FC IIIへのBosentanIB
他のERA, PDE-5I, PGI2IIaC
喀血(−)で肺血栓や心不全のある人への抗凝固薬IIaC
SatO2の上昇と症状軽快のある吸入O2IIaC
Ht>65%で過粘度による症状のある人への脱血IIaC
併用療法IIbC
CCBは無効IIIC

B. Fontan術施行例

Fontan術後の酸素化不良や肺循環不全に対する,吸入NOの効果は実証済であるが,経口または静注の血管拡張薬投与は,換気不全の領域がある場合はV/Qミスマッチにより低酸素を誘発する202).Sildenafilに関しては,0.33~0.5 mg/kg/minの静注投与で十分な肺血管拡張が得られている.PLEに対しても203),そしてplastic bronchitisに対しても一部の症例で効果がある204).Fenestrationを併用すると更に効果が望める.

最近の小児と成人(28症例,平均14.9±5.1歳,SRV; 15,SLV; 8,2心室;5例,Fontan術後平均11.3年,平均体重48.3 kg,SpO2; 92.3%)の二重盲検プラセボ比較試験において,20 mg×3回/日の経口投与6週間間隔のcross-over試験で,最大分時換気量とVE/VCO2が有意に改善し,換気効率と運動耐容能の改善が認められている205)

Failed Fontan術後症例(10症例,平均12歳;4~33歳,術後平均7.8年後)へのbosentan通常量投与の16週間後の評価では,SpO2と6MWDは有意ではなかったが5例で改善したと報告している206).Fontan術後症例では,血中ET-1が高くCVP値と相関している.小児の研究では,8症例,平均年齢1歳,右心バイパス症例において,0.5~1 mg/kg×2回/日から最大3 mg/kg/日まで増量した結果,bosentan前のmPAPは21.2±7.2 mmHgから平均8ヶ月後11.9±4.1 mmHgに低下,PVRも5.7±3.3 Wood·Uから1.3±0.4 Wood·Uに改善,SpO2も6MWDも改善していた207).一方,成人における42症例18~56歳,平均29歳のFontan後症例に対するbosentanの効果を観察した研究では,NYHA,6MWD,CI,NT-pro BNP,SF-36とも有意な変化はなく6ヶ月間の投与は有用ではなかったと結論されている208)

Failed Fontan症例(10症例,平均12.2±6.1歳)の剖検例では,肺胞内肺動脈壁のET-1 RNAとタンパクレベル,ETA,ETB受容体とも発現が増強しており,肺循環不全へのET-1の関連性が疑われる209)

おわりに

初代PGI2であるepoprostenolは,1976年に英国で発見され,そのPGI2は1983年にノーベル医学・生理学賞を受賞し,そして臨床では米国で1995年に承認されてから,早20年が経過しようとしている.これはその後のPAHの治療の歴史を変える重要な端緒となった.

症例間の治療薬への反応の差についても研究が進んでいる.BMPR2関連遺伝子変異やPGI2のpromotor領域における遺伝子多型が,治療効果の違いに関わっているとする意見もある210)

今もいくらかの新薬が臨床試験中であり,近々臨床に場に届けられるであろう.歴史を変える新たな次世代の治療薬がこども達の元へ来ることを願う.

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