ダウン症候群に合併する心血管病に対する基礎研究の進歩
大阪大学大学院医学系研究科 小児科学
ダウン症候群は様々な先天性心疾患を合併する染色体異常として,小児循環器医や小児心臓外科医にとっては馴染みの深い症候群である.一方で,ダウン症候群ではどのような機序で先天性心疾患を合併しやすいのか,また,どのような機序で肺高血圧を合併しやすいのかなど,多くの臨床上の疑問があるにもかかわらず,ヒト21番染色体トリソミーが心臓発生や肺血管病態形成に及ぼす影響の分子メカニズムについては未だ不明な点が多い.本総説では,総論として,これまでのコホート研究におけるダウン症候群の臨床像を報告するとともに,各論として,前半ではダウン症候群に合併する先天性心疾患,後半では肺高血圧症に関するこれまでの基礎研究について紹介したい.
Key words: Down syndrome; trisomy 21; congenital heart disease; pulmonary hypertension
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