発症1年後の心臓MRIで異常所見が残存している新型コロナウイルスワクチン関連心筋炎の1例
1 市立旭川病院小児科
2 日鋼記念病院小児科
新型コロナウイルスワクチン関連心筋炎(C-VAM)は稀ではあるが,各国より報告され注目されており,今後のワクチン接種人口の増加により遭遇する機会が増える可能性がある.今回,半年以上に渡り心臓MRI(CMR)の異常所見が残存したC-VAM症例を経験したので報告する.症例は14才男児で新型コロナウイルスmRNAワクチン2回目接種後に発熱と胸痛が出現した.心電図変化と血清トロポニンI高値,およびCMRにて心筋炎と合致する所見があり,C-VAMと診断した.急性期はごく軽症で対症療法のみで軽快したが,心電図の正常化には1か月以上を要し,また罹患1年後のCMRでも遅延造影(LGE)での異常所見が残存していた.現時点でC-VAMの長期予後は不明であるが,C-VAM以外の心筋炎ではLGE所見の残存が長期予後と関連があると言われており,急性期が軽症であったとしても,長期の経過観察が必要と考えられた.
Key words: coronavirus disease 2019 vaccine-associated myocarditis; cardiac magnetic resonance imaging
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