人工心肺を用いた小児心臓周術期における遊離カルニチン濃度の検討
1 島根大学医学部小児科
2 島根大学医学部心臓血管外科
目的:カルニチンはミトコンドリアにおけるエネルギー産生に必須の物質で,その欠乏により心筋症や低血糖などを生じる.本研究では,小児先天性心疾患患者の人工心肺(CPB)前後における血中遊離カルニチン(C0)値の動態を明らかにすることを目的とした.
方法:小児先天性心疾患児のCPB使用直前,直後,以後連日7日後までのC0値を測定した.
結果:対象は50例で,平均月齢は35±49か月であった.19例に心外合併症(染色体異常,早産児,消化器疾患等)を認めた.C0値は術前55.8±24.4 nmol/mLで,CPB直後に33.5±12.9 nmol/mL (p<0.01)と低下した.術翌日には96.3±42.1 nmol/mL (p<0.01)と上昇し,術後3日目には手術前と同程度に戻った.心外合併症の有無は周術期におけるC0低下と関連した(OR 3.385; 95%信頼区間1.858–3.385, p<0.01).
結語:C0値はCPB使用により術直後は一過性に低下するが術後3日目には戻った.臨床的にカルニチン補充を要する症例は認めなかったが,心外合併症例では周術期のカルニチンを測定することが必要かもしれない.
Key words: free carnitine; acylcarnitine; carnitine deficiency; cardiopulmonary bypass; congenital heart disease
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