左心低形成症候群に対する右室–肺動脈導管を用いたNorwood手術:発想とその後の経緯
大阪母子医療センター心臓血管外科
左心低形成症候群(HLHS)に対する体外循環下の第一期寛解手術は,1981年にNorwoodらが成功例を報告して以来,体動脈から肺動脈へ人工血管で短絡路(BT shunt)を作成する方法が行われてきたが,本邦における手術成績は不良であった.当時,新生児,乳児期早期に体外循環下に総肺静脈還流異常の修復を行ったright isomerismの症例において,肺動脈閉鎖でBT shuntを行った症例では術後血行動態が安定せず管理に難渋することが多かったのに対し,肺動脈狭窄または肺動脈絞扼術後の症例では術後経過が安定していて救命例が多かった.その理由の1つは,BT shuntでは体血圧の拡張期圧の低下により冠血流量が低下すること,肺血管抵抗の変動によりBT shuntの流量が変化して血行動態が不安定になることにあると考えた.そこで,われわれは右室から肺動脈へ心外導管を用いて肺血流の確保を行うNorwood手術(RV-PA Norwood)を,連続する7例のHLHSに行い全例手術生存し,術後経過が安定したものであったことを報告した.以後RV-PA Norwood法がHLHSに対する第一期寛解手術の1つの選択肢として広く行われるようになり,両方向性Glenn手術の追加を早期に行うことで本症に対する救命率が飛躍的に向上することとなった.
Key words: hypoplastic left heart syndrome; right ventricle-pulmonary artery conduit; modified Norwood procedure
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