Online ISSN: 2187-2988 Print ISSN: 0911-1794
特定非営利活動法人日本小児循環器学会
Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery 35(1): 30-37 (2019)
doi:10.9794/jspccs.35.30

原著

左心低形成症候群と右側心房相同における房室弁輪面積時相変化弁輪スペックルトラッキングを用いた検討

1静岡県立こども病院循環器科

2順天堂大学医学部付属順天堂医院小児科思春期科

3長野県立こども病院循環器小児科

4秋田大学医学部付属病院小児科

5中東遠総合医療センター小児科

6聖隷浜松病院小児循環器科

7静岡県立こども病院心臓血管外科

受付日:2018年7月20日
受理日:2018年12月12日
発行日:2019年3月1日
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背景:左心低形成症候群(HLHS)と右側心房相同(RAI)において,房室弁逆流の合併はその予後に大きな影響を与える.

方法:1) HLHS・RAI群:32例(HLHS 15例,RAI 17例); 2)正常小児群:53例.IE-33/matrix probeを用いて心尖部四腔断面における三尖弁および共通房室弁のX-plane(弁輪の中央を通る四腔断面とこれに直交する断面)を記録.弁輪のtrackingにより二方向の弁輪径の経時変化を計測,弁輪面積を算出し2群間で比較した.心周期弁輪面積変化は収縮期に縮小する:1型;収縮期に拡大する:2型;面積変化の小さい:3型に分類した.また逆流の程度により軽度逆流群と高度逆流群に分類し,弁輪面積変化との関連を解析した.

結果:正常群:1型22例(42%),2型24例(45%),3型7例(13%)に対し,HLHS・RAI群:1型4例(13%),2型7例(22%),3型21例(65%)と,正常群に対しHLHS・RAI群に3型を多く認めた(p<0.01). 逆流による分類では,軽度逆流群16例,高度逆流群は16例で,高度逆流群で3型を多く認めた(14例,88%).

結論:HLHS・RAI群では三尖弁輪機能が低下しており,弁逆流を発生する一機序となっている.

Key words: tricuspid valve; tricuspid valve regurgitation; hypoplastic left heart syndrome; right atrium isomerism

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