新生児期にエンテロウイルスによる急性心筋炎を発症した1例
1 東京大学医学部附属病院小児科
2 東京大学大学院医学系研究科発達医科学
3 国立感染研究所
新生児心筋炎は致死率が50%以上と高く,エンテロウイルスは代表的な原因ウイルスとして知られている.今回我々はエンテロウイルスによる新生児期の急性心筋炎の症例を経験したので報告する.患者は40週1日,2,637 gで出生した.日齢2に発熱が出現し,日齢7に過剰心音を認め,心エコー検査では左室駆出率の低下を認めトロポニンTも陽性であったことから急性心筋炎の診断でカテコラミンによる治療が開始となった.日齢9に人工呼吸器管理が開始となった.経時的に呼吸状態・循環動態の改善認め日齢30に前医へ転院となった.日齢10の血液検体からエンテロウイルスが検出され原因ウイルスと考えられた.本症例においては移行抗体を認めず重症化に寄与した可能性が考えられた.心筋炎に対しては支持療法で治療の選択肢が限られていることから感染の予防に努めることが必要である.
Key words: enterovirus; coxsackievirus B; neonatal myocarditis; transplacental antibody; cytokines
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