Online ISSN: 2187-2988 Print ISSN: 0911-1794
特定非営利活動法人日本小児循環器学会
Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery 33(4): 335-340 (2017)
doi:10.9794/jspccs.33.335

症例報告

川崎病による冠動脈瘤を学校心臓検診で診断された2例

久留米大学医学部小児科学教室

受付日:2017年3月17日
受理日:2017年6月15日
発行日:2017年7月1日
HTMLPDFEPUB3

我々は学校心臓検診時に初めて診断された冠動脈瘤を2例経験した.1例目は,他院で3歳時に川崎病急性期治療を受け,後遺症なしと診断されていた6歳男児で,学校心臓検診の2次検診で心エコー図検査を施行され,巨大冠動脈瘤と冠動脈狭窄を認め,ワーファリン定期内服と経皮的冠動脈形成術を必要とした.2例目は,9歳時に9日間発熱が持続し,他院で若年性特発性関節炎と診断され,加療された既往のある13歳男児であった.学校心臓検診の2次検診で心エコー図検査を施行したところ,中等度冠動脈瘤を発見した.アスピリン定期内服と当科外来での定期経過観察を行っている.

2例の冠動脈瘤とも川崎病の後遺症であり,急性期は発見されず,今回初めて診断に至ったものと考える.川崎病性冠動脈瘤の有無は治療方針や予後を大きく変えるため,心エコー図検査での冠動脈評価の精度を担保することと,学校心臓検診で原因不明の発熱が5日以上持続した既往者への心エコー図検査は重要であると考える.

Key words: school cardiac screening; Kawasaki disease; coronary artery aneurysm; echocardiography

This page was created on 2017-07-13T15:37:43.542+09:00
This page was last modified on 2017-08-14T17:27:04.718+09:00


このサイトは(株)国際文献社によって運用されています。