特集:日本小児循環器学会第 13 回教育セミナー
不整脈:学校心臓検診で診断される不整脈の管理と治療
大阪市立総合医療センター小児不整脈科
学校心臓検診で抽出される不整脈は無自覚・無症状の疾患がその大勢を占め,その管理に苦慮することは多い.本稿では学校心臓検診で抽出される,心室性期外収縮(PVC),QT延長症候群(LQT),WPW症候群について概説する.PVCは多くが治療介入の必要がない良性の不整脈である.カテコラミン誘発性多型心室頻拍(CPVT)の鑑別が問題となるが,CPVTは安静時PVCを認めないことが多く検診で抽出されるPVCにCPVTが含まれることは稀である.LQTはトレッドミル検査やホルター検査で精査を行う.補正式はFridericia補正が推奨されている.LQTが疑われる場合,運動制限,予防内服治療,遺伝子検査について検討が必要となる.WPWはΔ波で診断される心房と心室をつなぐ副伝導路による疾患だが,Δ波を有する早期興奮症候群の中で束枝と心室をつなぐ副伝導路(FVP)との鑑別が問題となる.FVPは頻拍発作や突然死のリスクのない疾患であり,疾患概念を理解しておくことは重要である.
Key words: school-based cardiovascular screening; premature ventricular contraction; long QT syndrome; WPW syndrome; fasciculoventricular pathway
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