病理組織診断でリウマチ熱による伝導路障害が死因であると疑われた1例
1 岡崎市民病院小児科
2 岡崎市民病院病理診断科
3 中部大学健康生命科学部スポーツ保健医療学科
4 名古屋大学医学部付属病院小児科
リウマチ熱に伴う極めて稀な突然死症例を経験した.12歳男児.心肺停止で来院したが,蘇生には成功しなかった.剖検の病理診断で,心組織の様々な部位にリウマチ熱に特徴的なAschoff体を認め,房室結節周囲に著明な炎症所見を認めたため,リウマチ熱による伝導路障害が死因であると推定された.リウマチ熱は発展途上国ではいまだによく見られる疾患であるが,日本小児循環器学会の稀少疾患サーベイランスで年間4~10例と,本邦では稀な疾患である.しかしながら,発熱症例に対する過剰な抗菌薬投与が見直されている現在では,発熱性疾患の鑑別においてリウマチ熱の存在を念頭に置くことも忘れてはならないであろう.
Key words: rheumatic fever; sudden death; pathology; conduction disturbance
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