ICD植込みの実際:AEDで蘇生された先天性心疾患症例6例の検討
1 公益財団法人日本心臓血圧研究振興会附属榊原記念病院小児循環器科 ◇ 〒183-0003 東京都府中市朝日町三丁目16番1号
2 公益財団法人日本心臓血圧研究振興会附属榊原記念病院循環器内科 ◇ 〒183-0003 東京都府中市朝日町三丁目16番1号
3 医療法人社団心臓画像クリニック飯田橋 ◇ 〒162-0814 東京都新宿区新小川町1番14号 飯田橋リープレックス・ビズ4階
背景:公共機関の自動体外式除細動器(AED)設置が一般化しつつあり,AEDによるVF survivorの予後に感心が高まっている.しかし先天性心疾患(CHD)を基礎にもつVF survivorの蘇生後経過に関してはほとんど報告がない.
方法:2006年11月から2012年10月にAEDで蘇生され当院で植込み型除細動器(ICD)植込みを施行されたCHD症例(年齢中央値17.1歳)6例に関して患者背景,ICD作動状況等を検討した.
結果:基礎疾患はファロー四徴症2例,修正大血管転位症,大動脈弁下狭窄,先天性僧帽弁逆流術後心筋梗塞,冠動脈起始異常が各1例であった.ICD植込みと併行し外科治療介入が5例で行われた.ICD作動状況は追跡期間中央値3.9年で適切作動1例(1回),不適切作動3例(合計8回)であった.全例後遺症なく社会生活に復帰し,追跡期間中死亡例は認めなかった.
結論:当院ではCHDを基礎にもつVF survivorの診療において,VFの原因となる血行動態の問題点を積極的に治療し,ICD植込みを併行して行う方針としている.全例後遺症なく生存しており,有効な治療戦略と考える.
Key words: implantable cardioverter defibrillator; automated external defibrillator; ventricular fibrillation; congenital heart disease
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