新生児期集中管理:重症疾患の手術まで
長野県立こども病院小児集中治療科 ◇ 〒399-8288 長野県安曇野市豊科3100
新生児期の重症先天性心疾患を適切に管理することは,小児医療向上の重要な課題の一つである.循環管理には心収縮力・前負荷・後負荷・心拍数に規定される心拍出量と,流出路大血管形態・血管抵抗に規定される肺体血流バランス,合わせて6要素を評価しながら行う必要がある.新生児期の循環管理では,肺血流増加によるショックを事前に予防し,安定した循環動態で手術につなげることが主たる目的であり,血行動態変化を事前に予測して管理し,循環管理には速やかな集中治療を導入することが必要とされる.周産期の重症先天性疾患は,疾病による循環異常だけでなく,周産期特有の全身生理の理解と外科的治療選択の判断が必要となり,総合的に全身管理を施行することが重要である.新生児期の重症先天性心疾患の術前管理にゴールデンマニュアルはない.正確な血行動態の評価のもと適切に管理を行い,安定した血行動態で外科的治療にのぞむことが重要である.
Key words: neonate; congenital heart disease; intensive care; cardiac output; morphology
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