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特定非営利活動法人日本小児循環器学会
Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery 31(3): 102-107 (2015)
doi:10.9794/jspccs.31.102

原著

左心低形成症候群に対する外科治療3ヶ月Norwood+両方向性Glenn手術と1ヶ月Norwood+右室–肺動脈シャント手術の比較

1大阪府立母子保健総合医療センター小児医療部門心臓血管外科 ◇ 〒594-1101 大阪府和泉市室堂町840番地

2大阪府立母子保健総合医療センター小児医療部門小児循環器科 ◇ 〒594-1101 大阪府和泉市室堂町840番地

受付日:2014年11月14日
受理日:2015年3月20日
発行日:2015年5月1日
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目的:左心低形成症候群(HLHS)に対し,我々は,2004年以降,両側肺動脈絞扼術(BPAB)を先行し,生後3ヶ月でNorwood手術(NW)と両方向性Glenn手術(BDG)を行ってきたが,2012年以降はBPAB後1ヶ月でNWと右室肺動脈シャント手術(RV–PA shunt)を行う方針に変更した.目的は,この治療方針の妥当性を検討すること.

対象と方法:2004年1月から2013年12月までに当院でNWを行ったHLHS患者(類似疾患を含む)28例を対象とし,NW+BDG群(G群)22例とNW+RV–PA shunt群(S群)6例とで,手術成績を比較検討した.

結果:NW時,G群では8例(36.3%)に肺動脈形成を行い,術後急性期の肺動脈バルーン拡張術(PTPA)を20例(91.0%)に要し,病院死亡3例,BDG不成立2例(1例は病院死亡症例と同一症例),術後脳梗塞1例を認めたが,S群ではNW時の肺動脈形成や急性期PTPAを要した症例はなく,生後6~13(中央値7)ヶ月でBDGを行った.BDG時に肺動脈形成を要したのは1例のみで,術後の上大静脈(SVC)圧もG群より有意に低く,急性期PTPAも要さなかった.

結論:BPAB後1ヶ月でのNW+RV–PA shunt術は,PTPAの回避と,BDG後のSVC圧を低く保つことができ,手術成績が向上すると考えられた.

Key words: hypoplastic left heart syndrome; norwood operation; bilateral pulmonary artery banding; bidirectional glenn shunt; right ventricular–pulmonary artery shunt

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